LARMES Column

無茶ぶりだらけの着楽会ユカタ会【着物だいすき】


7月14日土曜日は、毎年恒例、広告業界及びその周辺業界の着物好きクリエイターで構成されている着楽会主催のユカタパーティーだった。着楽会の代表であるスタイリストの大御所・原結美さんから「今度はマリコさんも手伝ってよ」の一言で始まった幹事指名事件から今年で早3年。毎回60〜70人ほどの参加者になるので、会場選択と交渉、出演者選び、人数集め、進行表、料理など内容確認、会場セッティングの確認などなど、その仕切りは結構大変な仕事量になる。それを本職の片手間にやるのだから、毎年仕込みの段階で「あ〜今年も時間ないっ!来年からはもう出来ないかも・・・」とぼやきながらの準備となる。
でもって今年は「ちょっとオトナな内容にしたい」と企画が進み、日本舞踊やトークショー、ヘアレッスンなど、着物姿に的をしぼった内容に仕上げてみた。日本舞踊は、家族ぐるみでお付き合いしている友人の赤堀登紅さんに「なにか踊って」と無茶ぶり。さらに着流しデザイナーこと樋渡昌寛さんと赤堀さんとで「素敵な着物暮らし」をテーマに「なにかしゃべって」と無茶ぶり(上の写真はそのトークショーの時のもの)。加えて、幹事の一人でありヘアメイクの重鎮である村上由見子さんには「着物姿のヘアレッスンやってよ」とここでも無茶ぶり。皆さん、勝手な思いつきをそのままぶつけてしまい、本当にすみませんでした。


終わってみたら、参加者のほとんどの方から「おもしろかった〜!」「楽しかった〜」とお声を掛けていただき、続々とお礼メールをいただいちゃったものだから、幹事3人、おなかは空腹だったけど、やり遂げた感で満腹になりました。左はヘアメイクの村上由見子さん、右はスタイリストの原結美さん。


自分たちで言うのもなんだけど、やっぱり餅は餅屋でありました。幹事3人がそれぞれ得意な分野をうまく分担して、パーティーを仕上げているのである。参加者名簿管理やお金の計算、当日の進行表と台本制作はコピーライターの私。スタイリストの原さんは、会場を下見して「華やかさが足りない!」と危機を感じ、安価で仕入れたグリーンと花を、パーティー前夜に5時間かけてラッピング。ヘアメイクの村上さんは、日頃仲良くしているモデルちゃんやショップに声掛けし、パーティー会場内にスペシャルショップコーナーを作っちゃった。さらにヘアメイクレッスンまで引き受けてくださり(↑の写真)、会場を盛り上げた。下っ端の私はともかく、原さんや村上さんは名古屋の広告業界では重鎮と言われる人たちである。彼女たちをこんなにたくさん拘束して仕事してもらったら、一体幾らになるんだろ???と、ちょっとイヤらしい計算したくなっちゃいますね。


司会は、映画ナビゲーターの松岡ひとみさん(右)に、これまた無茶ぶり。なんてったって、ひとみさんに台本をお渡ししたのはパーティーが始まる20分前ですもの。それなのに、あそこまできちんと進行してくださるなんて、さすがプロの司会者。驚きますた。というわけで、プロが得意分野を分担すれば、それなりの仕上がりが出来ちゃうもんだと自画自賛。でもね、3人とも苦手なコトがひとつあるんです。それは人前でお話すること。パーティーの最初の挨拶はマリコさん!といきなり振られ、マイクの持ち方さえわからない私はしどろもどろ。恥ずかしかったなぁ〜。そういえば毎年、挨拶は苦手だから、と皆で譲り合っていたような気がする。やっぱり3人とも裏方の職業だから、表に立つことは苦手なのかもしれませんネ。ってわけで以下は、パーティーにお越しくださった方々の素敵な着物姿を一気にアップ!撮影できなかった方もたくさんいるので、アップできなかった方々、大変失礼いたしました。また、今年は早々と定員いっぱいになってしまったので、お誘いしきれなかった人がたくさんいました。その方々にも加えてお詫び申し上げます!


日本舞踊家・赤堀登紅さんを受付でパチリ!

日本舞踊家・赤堀登紅さんを受付でパチリ!

カラーアナリストの祖父江由美子さんとアーティストの大平としこさん

カラーアナリストの祖父江由美子さんとアーティストの大平としこさん

売れっ子ナイトハンターのななちゃん、我が家によく出没する昌子嬢、リンパドレナージュの千代ちゃん。

売れっ子ナイトハンターのななちゃん、我が家によく出没する昌子嬢、リンパドレナージュの千代ちゃん。

かおりん(真ん中)と赤堀さん(右)、一番左はそのご友人

かおりん(真ん中)と赤堀さん(右)、一番左はそのご友人

皮製品のショップを出してくれた田中ミキちゃん、右は我らが松岡ひとみさん

皮製品のショップを出してくれた田中ミキちゃん、右は我らが松岡ひとみさん

美味しいご飯仲間の、もりともちゃん、のりりん☆のりのり

美味しいご飯仲間の、もりともちゃん、のりりん☆のりのり

かつての同僚、由美子嬢。ユカタ姿かわいかったよ〜。まだまだ騙せるな!

かつての同僚、由美子嬢。ユカタ姿かわいかったよ〜。まだまだ騙せるな!

赤堀登紅さんのご主人、敏くん。この後ろ姿すてきよね〜。ほれてまうやろ〜!

赤堀登紅さんのご主人、敏くん。この後ろ姿すてきよね〜。ほれてまうやろ〜!

イラストレーターの多喜田保子さんと、キノコロビッチ博士。

イラストレーターの多喜田保子さんと、キノコロビッチ博士。

赤堀登紅さんの舞踊、「柳の雨」。しっとりした舞いと、かんざしを手にする仕草や、傘を手に持ち体をしならせた曲線美には、会場から声にならない溜め息が・・・。美しい舞踊でした。登紅さん、本当にありがとうございました!


これはスタイリスト原さんのユカタコーディネイト。
オリンピックイヤーの今年、五輪イメージで誂えたというユカタと、帯の飾りはなんとナプキンリングに帯締めを通したものだそうです!
さすがスタイリスト!という感じのコーディネイトでした。見習いたいセンスです!


今月よりお鍋休業宣言【おうちごはん】


梅雨の湿気で不快指数が高まっている今日このごろ、皆様いかがお過ごしですか?私はと言えば、秋ものの取材月間が始まり、全国行脚のシーズンを迎えている。企画→プレゼン→仕込み→取材→執筆→校正→訂正→入稿という制作サイクルが終わってしばらくすると、また次の制作サイクルが始まるので、要するに年がら年中気が抜けない商売である。それでも、ひとつの制作物が終わると数週間はひと息つけるので、その間に遊び倒す、というのが自然とマイルールになってしまった。当然ながら遊びの中には我が家でのごはん会も含まれており、制作サイクルの合間に「ごはん会」の予約がだだだだっと連続して入ってしまうのが常なのだ。なんだか本業が何なのかわからなくなっちゃうな。


我が家のごはん会でメインになる多くは「鍋」である。当然ながらホステスと調理の両方を私一人が担当することになるので、なるべくキッチンに籠らないようにしようと思うと、自然に鍋料理が多くなってしまった。という理由から、実は我が家には季節ごとの定番鍋が存在しているのだ。前菜をいっぱい並べて、さんざん食べて飲んだ後にメインの鍋となるので、はじめてのゲストにはおなかバランスが掴めずにかなりキツいようなのだけどね(苦笑)。
ただし、夏の間はエアコンをマックスにして部屋を冷やしても、狭い部屋に大人数が入って鍋をやると、まったくエアコンの冷却機能が追いつかなくなる。そんなわけで、これから10月までは鍋料理をお休みすることにしているのだ。毎年ひとつは新しい鍋料理レシピを仲間たちと一緒に開発したり研究したりしている(というか無理矢理食べさせている)ので、数ヶ月お鍋とお別れというのはちょっぴりさびしい気もするけど。ま、我慢しておきますか。


そんなわけで、昨年秋から今年の初夏までの鍋料理と、集ってくださった楽しい仲間たちの写真を一気にどどっとアップしちゃいます。写真を撮るのをすっかり忘れていたごはん会もいっぱいあったので、アップできなかった方々にはお詫び申し上げまする。


秋の定番のきのこ鍋。鶏ガラスープに日仏のきのこを集めてしゃぶしゃぶにします。この写真はフランスチームのきのこたち。

秋の定番のきのこ鍋。鶏ガラスープに日仏のきのこを集めてしゃぶしゃぶにします。この写真はフランスチームのきのこたち。

フランスのピエブルー。青い足という意味の通り、ちょっと青みがかった色が特徴で、歯ごたえがあって美味しいです。

フランスのピエブルー。青い足という意味の通り、ちょっと青みがかった色が特徴で、歯ごたえがあって美味しいです。

これは日本チームで、長野県産のきのこ。最後に真黒になったスープでラーメンを食べます!

これは日本チームで、長野県産のきのこ。最後に真黒になったスープでラーメンを食べます!

これはワタナベマキさんレシピの、トマトとハーブのチキン鍋。カリフラワーのピクルスで酸味を加えるのが特徴です。野菜たっぷりなので女子会向き!

これはワタナベマキさんレシピの、トマトとハーブのチキン鍋。カリフラワーのピクルスで酸味を加えるのが特徴です。野菜たっぷりなので女子会向き!

確か新年早々集まった女子メンバーで、このお鍋を食べたんだった。夜中までしゃべりたおしました。

確か新年早々集まった女子メンバーで、このお鍋を食べたんだった。夜中までしゃべりたおしました。

最後はリゾットかパスタで〆ます。この時は女子の希望で焼きパスタ鍋でしたね。パルミジャーノをふりふりして、皆で奪い合うように食べるのが美味しい!

最後はリゾットかパスタで〆ます。この時は女子の希望で焼きパスタ鍋でしたね。パルミジャーノをふりふりして、皆で奪い合うように食べるのが美味しい!

具材の写真しか残っていなかったけど、これは今年の冬に開発した新鍋メニュー!フランス・シャラン産の窒息鴨のしゃぶしゃぶ♥
エレガントなお肉が和風鍋に大変身。これは我ながら大成功でした。それにしても、私、しゃぶしゃぶ好きなんだなぁ・・・。


日本のジビエ鍋の定番。丹波篠山のしし肉を自家製味噌でじっくり煮込んで、熟成系シャルドネと合わせる会。この右側の「つ」の形をした脂身がバターの芳香をまとって美味しくなるんです。

日本のジビエ鍋の定番。丹波篠山のしし肉を自家製味噌でじっくり煮込んで、熟成系シャルドネと合わせる会。この右側の「つ」の形をした脂身がバターの芳香をまとって美味しくなるんです。

新年会をしし鍋で。ワイン好き女子に囲まれて、燦然と輝くように鎮座しているのはワイン王子のD氏。

新年会をしし鍋で。ワイン好き女子に囲まれて、燦然と輝くように鎮座しているのはワイン王子のD氏。

麗しい女子で若旦那を囲む会もしし鍋でしたな。

麗しい女子で若旦那を囲む会もしし鍋でしたな。

桑名のハマグリと三河のアサリのダブルしゃぶしゃぶ鍋。今年は全部で6回も開催したど〜。

桑名のハマグリと三河のアサリのダブルしゃぶしゃぶ鍋。今年は全部で6回も開催したど〜。

ぷりぷりのハマグリ〜♥今年もたくさんいただきました。

ぷりぷりのハマグリ〜♥今年もたくさんいただきました。

はまぐり会のある日のワインたち。masuizumiというのは日本酒。これがまた美味しかった。コントラフォンもあります!

はまぐり会のある日のワインたち。masuizumiというのは日本酒。これがまた美味しかった。コントラフォンもあります!

ある日のはまぐり会。

ある日のはまぐり会。

これもある日のはまぐり会。

これもある日のはまぐり会。

これもある日のはまぐり会。デザートにカメラが群がる一瞬。

これもある日のはまぐり会。デザートにカメラが群がる一瞬。

これもまたはまぐりをご近所の友人家族と。

これもまたはまぐりをご近所の友人家族と。

ご近所のプリンスにメロメロになったひと夜でした。

ご近所のプリンスにメロメロになったひと夜でした。

う〜んと、これは何鍋の時だったか思い出せない!DJのクリス・グレン氏を囲む女子の会だったんだけど、何食べたんだっけ?

う〜んと、これは何鍋の時だったか思い出せない!DJのクリス・グレン氏を囲む女子の会だったんだけど、何食べたんだっけ?


みんなと楽しく過ごした時間を思い出しながら、こうして写真をアップするのって楽しい作業です。夏の間のお鍋はちょっとお預けになるけれど、秋になったら、また遊びに来てくださいませ。わたくしは、しばし、お鍋の思い出に生きる女となりますゆえ。


ひげにんにくは、若者のかほり【今日の地球】


半月ほど前のある日、帰宅すると玄関のドアノブに「荷物」が引っかかっていた。これはお隣の由美さんとモノのやりとりをする時の常套手段なので、てっきりお隣さんかと思いきや、それは、FM愛知のパーソナリティー川本えこさんがわざわざ届けてくれたモノだった(ちなみに1Fのエントランスは住民と一緒に入ってこれたそう)。紙風呂敷に包まれたソレは、なんとはじめて見る「ひげにんにく」なるもの。一見するとフツウのにんにくに見えちゃうんだけど、これは発芽した直後に収穫されたモノらしく、名前についている"ひげ"は根っこのもじゃもじゃ部分というわけ。今までは主に四国で生産されていたそうだが、えこさんが親善大使を務める愛知県設楽町の農家さんが正式に生産をスタートさせたので、えこさんが「食べてみて〜」と持ってきてくださったという経緯である。このひげにんにく、匂いはごくフツウのにんにくと同じく香しいのだけど、成長途中だけあって、1〜2個食べた程度では匂いが残らないらしい(個人差ありとのこと)。むしろ大人のにんにくよりも甘みがあるので「にんにくは苦手なの」という紳士淑女にもオススメできそうなのだ。さらに発芽したばかりということは生命力に満ちあふれているということなので、きっと滋養強壮のにんにくパワーも強いんじゃないかな←これは単なる私の予想です。


そんなわけで早速作ってみたのがコレ。根の部分をスライスしてオリーブオイルで炒め、茎とひげの部分もさっと加熱して、ご飯の上に盛りまして、上から伊勢醤油をたらり。さらにフライパンに残ったオリーブオイルを熱めにして上からジャ〜ってかけたもの。


一番ビックリしたのは、ひげの食感だった。素揚げ状態だったのでパリパリになり、ほんのりにんにくの香りもして、上品なトッピングになったのである。さらに上からコリアンダーをみじん切りにして乗っけてみたらば、我ながら美味しかったです〜。


これは友人たちが突然ご飯を食べに遊びに来てくれた時に突発的に作ったメニュー(写真がぶれているのはカメラのせいではなくお酒のせいです、しかも食べかけ写真)。鰹のタタキ、コリアンダー風味。トッピングに、ひげにんにくの素揚げを部位別に食べてみたところ、この時期の繊細な鰹の風味とひげにんにくの上品さがピッタリの調和となって、女子3人で半身の鰹をぺろりとたいらげてしまった(内1名はなんと鰹苦手だったのに!)


発芽したばかりのにんにくは、人間に例えるなら、社会に出て少し経った25歳の青年といったところでしょうか←あくまでも男性での例えです。25歳の青年が醸し出す、まぶしいほどの躍動感、みなぎる生命力。その爽やかな笑顔は印象的ではあるものの、幾日もひきずるほどの執着はない。ひげにんにくってこんな野菜です←どんな説明やっ!


えこさんからいただいたひげにんにくは、実験的に現在冷凍庫で眠っている。あと半月くらいは解凍して調理できると思うので、試してみたい方はどうぞ遊びに来てください。また、ひげにんにくに興味のある方は、下記までお問い合わせを(農家さんは朝が早いので、夜半遅いお電話などはご遠慮くださいますよう)。
ひげにんにく生産者の村松 均さん
愛知県北設楽郡設楽町津具字踊場243
TEL:090-2777-2790


おまけ★最近のお気に入りのフルーツ酢も飲みに来てください〜。これをビールで割って飲むカクテルは、フルーツビールみたいになって美味しいです。炭酸水で割っても美味しい。今日現在、ピンクグレープフルーツ・枇杷・イチジクが漬けてありますが、残りわずか!この夏はフルーツ酢をいろいろ漬けて楽しむ予定です。


5月は新幹線移動月間でした【えとせとら】

黄金週間だわ、なんて浮かれてた日々が嘘のように、連休明けてからは怒濤の忙しさであっという間に終わってしまった5月。あんまり忙しかったのでテレビはほとんど見ておらず、ワイルドだぜ〜だか、ワイルドだろ〜とか言う芸人のことも、ソフトバンクのCMに武田鉄矢のリョーマの休日編が放映されていることも、数日前までまったく知らなかった。
大きな編集物の取材が幾つか重なったため遠方取材が多く、名古屋にいる時間の方が少なかったのではないか?と思うほど移動ばかりが続いたのである。先週末はぼけっとする時間ができたので5月の移動時間を試しに全部足してみると・・・なんと新幹線移動だけで合計34時間。車での移動は合計18時間(この他に特急電車とか細かい移動は数えるのが面倒になってしまったので割愛)。実はワタクシ何を隠そう、新幹線に乗るとほぼ毎回、面白いエピソードをひろってくるクセがある。その幾つかは過去にこのコラムでも何度か紹介してきたので読んでくださった方も多いだろう。ギターを抱える男や、新幹線紳士のマナー光と影や、続・新幹線のマナーや、新幹線缶詰事件などなどあるので、お暇な方はぜひお読みくださいませ。
これら以外にも、最近は新幹線で小ネタをひろう度に、facebookでアップするので、友人たちからは「なんでそんなに面白いネタばっかりひろってくるの?」とか「なんで毎回人間模様があるの?」と聞かれるのだけど、だって本当にあるんだから仕方がない。ただ、私が新幹線での人間模様に目を配る決定的な理由は「新幹線に乗ると人間観察しかやることがない」からである。新幹線のような速い乗り物が苦手で、窓の外の流れる風景を見ていると酔ってしまうし、本を読めば気持が悪くなる。パソコンやケータイや食事も然り。たまに超急ぎでパソコン仕事やラフを描くという作業をしなければならないが、新幹線を降りた途端にフラフラになってしまうのだ。だったら寝ればいいじゃない?と友は助言してくれるが、以前東京から最終電車で戻った時、お酒の酔いも手伝って熟睡して京都まで行ってしまい、仕方なく京都でムダな一泊をしたことがあった。あれ以来、新幹線で眠ることがトラウマになってしまった。


というわけで、人間観察が新幹線車内での唯一の楽しみにもなっている私なのだけど、5月も未知なる方々と新幹線車内でご一緒になり、facebook上で幾つかネタを披露させていただいた。さて、なぜ人は新幹線で奇怪な言動をして私なんぞに注目されてしまうんだろうか。その対象の多くは、勝手な振舞で周囲に迷惑をかけたり目立っちゃったりする人なのだけど、ほとんどがデキル男風のビジネスマンなので、そのギャップが余計に不思議に映るのだと思う。で、ふと、考えた。彼らは新幹線の座席を「買っている」から、その空間は「自分のもの」だと考えているのではないか?目的地までの数時間は自分の席なのだから、何をやっても自由だと・・・。もしかすると不動産を買う感覚と一緒なのかな。ま、座席の大きさとはいえ、あれも立派な空間ですからね。そんなわけで、今週末もまた新幹線に乗る予定なので、「買った席」で、私も自由に振る舞ってみようかしら。メイクしちゃうとか、念仏を唱えるとか、エッチなぱらぱらマンガを描くとか・・・(いずれも小市民!)。そして、どこかで私の言動をじっと見つめる人がいたなら、その人は間違いなく「人間観察しちゃう族」ですな。


干物オンナ実践中です【暮らしの発見】


少し前に綾瀬はるかが演じる「干物オンナ」が話題になった。確か、恋愛を放棄して、何をするにも面倒くさがる女性のことで、まるで干物みたいに干涸びてしまった精神の持ち主、という意味だったと思う。さて、私はと言えば、この干物オンナとはちょっと違った干物生活にどっぷり漬かっているので、今日はそのご紹介。何年か前から始めた野菜の干物づくり、この半年で夢中になっているのだ。野菜が乾燥しやすいようにカットし、天日に数日干せば、旨味が増して味わい深い野菜になる。水分が飛ぶので、密閉式ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存すれば、生の状態よりも何倍も日持ちするので、味と保存効果の一石二鳥だ。上の写真は父が家庭菜園で作った大根を皮ごと天日干しする風景。やわらかい葉っぱは塩揉みして菜飯でいただき、残った茎も干す。夜露にあたらないように夕方になったら家の中に入れ、翌朝から再び太陽と風にあてる。これを数日繰り返せば、ドライ大根が出来上がる。


これが冬の間に何度も作ったドライ大根と鶏肉の煮込み。上はドライ白菜の柚子漬け。ドライ大根は鶏肉と昆布とピリ辛の味付けで煮込むこと30分。形が煮崩れず、味わいは深く、甘みも強い。見た目はイマイチだけど、ご飯のお供にもお酒の肴にもピッタリなのだ。


プチトマトは甘みが強いからドライに向いてるかも〜と実験してみたところ、予想的中でめっちゃ旨♪種の水分が飛びにくいので、カビが生えないようにしっかり風にさらすのがポイント。市販されてるドライトマトは種なしで乾燥させてるけど、種の酸味があった方が私は好きだ。ドライトマトとベーコンと固めに茹でた素麺を少量の塩と醤油とゴマ油で炒めて、最後に溶き卵を入れ、半熟気味で火を止めて、ドライトマトの素麺チャンプルーを作ってみたら、これが我ながら美味しくてマイブームになっちゃった。素麺チャンプルーが食べたくても、ドライトマトの生産が追いつかなかったくらいだ(笑)。ちなみに黄色のプチトマトでも試してみたけど、赤と同じく美味しかった。プチトマトが安売りしている時はたっぷり買いだめして、ドライトマトを作るべきです!市販のイタリア製ドライトマトよりも、ずっとずっと安価で美味しくできまっせ、奥さん。


こちらはある曇りの日の窓際風景。花粉や黄砂が飛ぶ季節はベランダに干せないので、太陽の光が届くリビングにざるを並べている。この日は、右からエリンギの細切り、チンゲンサイの細切り、愛媛の柑橘「はるか」の皮、下に置いてるのは椎茸。いつもこんな感じなので、友人から「近くにいるからお茶飲みに寄っていい?」なんて電話が入ると、慌てて"ざる"を片付けなくちゃならない。親しい友人には気軽に立ち寄って欲しい、でも片付けに大わらわになる現実。それが狭小マンション住民の、干物生活最大の悩みである。突然の来客にも困らないような、インテリア性に優れたオサレな干物ネットの商品企画をどこかのキッチンツールメーカーに持ち込もうかとマジメにアイデアを練っているところである。


花を摘んで愛で、葉を摘んで食す【今日の地球】


黄金週間まっただ中、皆様いかがお過ごしですか?私はと言えば、知人宅や実家を彷徨い歩き美味しいものをつまみながら、その合間にちょこっと仕事する、みたいな能天気な日々を過ごしている。仕事のメールや電話もさすがに連休中はほとんど入らないので、安心してお昼からお酒を楽しめるというわけ。ところが、お昼からお酒をいただくと、真昼の太陽の眩しさに慣れていないからか、脳と体がついていかず、妙に酔っぱらってしまうのは私だけだろうか。


連休の最初にお邪魔したのは、O先生の山荘。名古屋市の中心部から車を走らせて1,5時間ほどで、ビックリするほど冷涼な場所に辿り着く。山と川を見晴らすように建てられた山荘は、O先生のお仲間が時々ワイン会を開催するための広いリビングがあり、地下のセラーには何十年もかけて集められた銘醸ワインがたんまり。むふふ。


この日のメインは、ラクレット。フランス・サヴォワ地方の名物料理で、溶かしたチーズをふかしたじゃがいもや野菜やパンと一緒に食べる。山荘でいただくにはピッタリのおもてなし料理だ。

この日のメインは、ラクレット。フランス・サヴォワ地方の名物料理で、溶かしたチーズをふかしたじゃがいもや野菜やパンと一緒に食べる。山荘でいただくにはピッタリのおもてなし料理だ。

O先生の山荘の真ん前を流れる川に、ずっと動かない釣り人がいる、と思い込んでいたら、なんと案山子でした。それにしてもよく出来てるな〜。ビール缶まで置いてあって芸が細かい。

O先生の山荘の真ん前を流れる川に、ずっと動かない釣り人がいる、と思い込んでいたら、なんと案山子でした。それにしてもよく出来てるな〜。ビール缶まで置いてあって芸が細かい。

川をお散歩して酔いを覚ましてきたら?とO先生の奥様にうながされ、お散歩しているうちに、レンゲを発見。小さい頃の想い出が重なり合って夢中になって摘んでしまった。お友達と、レンゲで王冠つくって楽しんだっけ。

川をお散歩して酔いを覚ましてきたら?とO先生の奥様にうながされ、お散歩しているうちに、レンゲを発見。小さい頃の想い出が重なり合って夢中になって摘んでしまった。お友達と、レンゲで王冠つくって楽しんだっけ。

O先生の山荘には常滑焼の山田常山さんの作品がずらりと並んでいるので、レンゲは常山さんの花器(絵夢さん時代の作品)をお借りして生けてみた。こうして野の花を摘んで、家で生けて愛でるという暮らし、いいですね。我が家じゃ、お花はお花屋さんで買うもの。野花が欲しい時は、野花を扱う遠くのお花屋さんまで地下鉄に乗っていかなきゃいけないんです。


そしてこちらは、由美子さんちで開催されたガーデンパーティーのひとこま。祖父江由美子さんは、色彩学の先生でありカラーアナリスト。暮らしを楽しむことにかけては、ご主人ともどもエキスパートと言ってもいいくらい素敵な毎日を送っていらっしゃる。


これが由美子さんちのお庭にあるピザ窯の全景、なんと手作り窯。
レンガで蓋をして、パンを焼いている最中。
ちゃんと温度管理もできて、煙突もくっついていて、本格窯です!
この立派な窯で焼かれたのは、パン、ハム、ピザ、お肉、etc・・・。
日差しを浴びながらいただくワインと共に、絶品ガーデングルメでした。


ご主人ご自慢のローストビーフに〜

ご主人ご自慢のローストビーフに〜

鯛の塩釜焼きに〜

鯛の塩釜焼きに〜

パリ薄で美味しいピザ♪

パリ薄で美味しいピザ♪

そしてこれがご主人特製の天ぷら。なんと、お庭の柿の木の若葉を揚げたものなんだそう!はじめて食べたのだけど、やわらかくて風味があって、滋養に満ちた感じのする味わいだった。そういえば柿の葉寿司というのがあるくらいだから、天ぷらもアリなんでしょうね。ふうううううむ。それにしても、お庭で採れた葉っぱを天ぷらにするなんて!なんて贅沢な話なんでしょう。私の日常はコンクリートに囲まれていて、家の中で向かうのはパソコン。取材や撮影で外に出掛けてはいるけど、自然はいつも取材か撮影の対象で、それを愛でるとか楽しむという余裕がないまま仕事に没頭している。窓から山や川が見えること、お庭にお花が咲くということが、こんなに心に美味しいものだなんて。この連休で、そんな暮らしをかいま見てたら、なんだか仕事を辞めたくなっちゃいました。いけない妄想・・・・・。O先生ご夫妻、そして由美子さんご夫妻、美味しいものいっぱいご馳走になり、ありがとうございました。私の現実逃避が始まらないよう、また呼んでください!(爆)


伊藤まさこさんが伊賀焼を訪ねる【徒然なるお仕事】


センスの良い暮らしぶりが、女性誌などで絶大人気のスタイリスト・伊藤まさこさん。長野県松本市在住の伊藤さんが、中部地区のものづくりを訪ねる旅を、ある企業の広報誌にて取材させていただくようになって一年になる。その第4回目の旅は、三重県伊賀市。日本六古窯のひとつに数えられている伊賀焼の里である。料理や生活まわりのスタイリストとして多くの実績を持つ伊藤さんにとって、伊賀市は遠くて近い場所なのだそう。距離的には遠いが、知り合いの作家さんやギャラリーがあるので感覚的には近い存在。今回は、伊藤さんが「こんなのあったら素敵だな!」という土鍋を、ある作家さんに特別オーダーするところから旅が始まる。パエリアも炊きたいし、鯛飯も炊きたいから平たくて大きい土鍋がいい、とか。ごはんを少量炊いても美味しく仕上がる土鍋が欲しい、とか。炒め物もできる土鍋がいいな、とか。伊藤さんの暮らしの中から生まれた素朴な欲求に、陶芸作家がどう応えるか。取材しながら、内心どきどきハラハラと期待心がないまぜになって、土鍋が焼き上がるまでは私も緊張がとけなかった。
いろんな人のドキドキをはらんで出来上がる伊賀焼ストーリーの他、伊賀市丸柱にあるとっても素敵なギャラリーを訪ねたり、同じ伊賀市でも青山高原の方にある酒蔵にお邪魔してお酒をいっぱい買い込んだり。伊藤さんが楽しんで旅をする様子が、ここのwebでご覧いただけるので、ぜひクリックしてご訪問くださいませ(宣伝です)。
いつもは日帰り旅だったのだけど、この時は、連載がスタートしてはじめて宿泊を含んでいたので、スタッフや伊藤さんと共にお酒や地元の食事を楽しみ、温泉に入るという"女子旅"を満喫した取材でもあった。なんと、この取材クルーはクライアントを含め、オール女子なのだ。こういう現場はさすがに珍しい。何度か仕事をしたことのある女性同士だと、無言でお互いに分かり合えるところがあり、余計な気づかいがいらない。この時も、それぞれが勝手にほどよく行動し、仕事時間にはきちんと集合して、淡々とスケジュールをこなしていた。女子同士の仕事っていいもんですよ。
そして、上の写真は、この取材旅行から帰ってきた時の私の手荷物。白いバッグはスケッチブックやら鏡やストールなどのロケグッズ。茶色のバッグはMacと取材資料がたんまりと。赤いバッグはお泊まりセット。そして周りの数々は、日本酒の一升瓶やら酒粕やらお菓子やら、お豆腐のおからやら。全部でおおよそ10キロくらいはあったんじゃないかしらん。家路につく時の重たかったことと言ったら!お買い物に夢中になるのが女子旅ですからね。ホント、愉しい取材でございました。


桜のマナー 花見から着物まで【今日の地球】


関東から南の地域では、お花見も今夜が終焉のころ。四月に入っても肌寒い日が続いたので、今年のお花見はいかに?と心配される声が多かったが、人間の想像力をはるかに超えたところで、今年も桜はちゃんと花を咲かせ、日本人の心をぎゅっと鷲掴みにして散りゆこうとしている。見事なものです、ホントに。かく言う私も先週は土日の両日にお花見を楽しみ、我が家のベランダに生けた桜を見ながら一人酒で乾杯したり、実家の窓から見える桜を額縁庭園のごとく楽しんだり。「お花見寒いから苦手〜」と天の邪鬼なことを言いつつもちゃっかり堪能させてもらった。


さて、コラムのテーマは「桜のマナー」。歳を重ねると読み書きしているうちにいろいろな知識がついたり、諸先輩が教えてくださったりするので、妙に知恵がついてしまった。行く先々で「あら、あの若い子、あんなことしてるわ」とか「まったくマナーを知らないんだから〜」と、他人の行動が気になって仕方がなかった。これって、いわゆる中年女性の特徴そのものですよね。すみませぬ。


まずはお花見の方のマナー。桜の木の真下にブルーシートを敷いてお弁当やお酒をいただくこと→もうこの時点でアウト、なのだそうだ。京都の桜守・佐野藤右衛門さんによると、ブルーシートで覆うことで桜の根っこの呼吸を一時的に止めてしまうのだとか。ブルーシートに長く覆われると桜は呼吸困難に陥り、元気をなくしてしまう。では地面にお弁当を広げる時はどうしたらいいかというと、昔から用いられているゴザなど通気性の良い物を使うべきなのだそう。さらに、女性のハイヒールも厳禁。地面には桜の若芽が顔を出しているはず。それをハイヒールのとがった先でへし折ってしまうからだ。先週のお花見では、ブルーシートを広げて大騒ぎしている団体さんや、カレシと腕を組んでうっとりしているハイヒール姿の女性を多く見掛けた。いちいち注意してたら、ただの迷惑おばさんになりかねないのでぐっと我慢し、自分のコラムでこうして吐露して発散することにした。


お着物の方のマナーは人によっておっしゃることが違うのだけど、私が信頼している着物屋の女将から教えてもらったマナーを記しておく。桜の花びら模様は一年中着ても問題はないが、桜模様の場合は、3月初旬から桜が咲く前まで着ることが許されているというマナーだ。つまり、花びらだけなら模様として認識されるけど、花模様は着る時期を限定してしまうというわけ。自然の美しさにはどんなに高価な着物も作家物も叶わないので、本物の桜が咲いている時は[偽物の桜]は遠慮するべきだ、という考え方らしい。「最近はそういうマナーを知らずに、桜の時期に桜模様を着ている人が多いんだけどね〜」と女将はちょっと残念そうに教えてくれた。


この桜模様のマナーは、自然への敬意を表す日本人ならではのセンスだなぁと感心しながら、同時に、他の花ではここまで細かなことをとやかく言われないのではないかとも思う。一年でたった一週間ほどしか咲かない桜。この花への深い憧憬が、多くの芸術だけでなく、マナーをも生み出したのだろう。と、ここまでコラムを書いていて、お恥ずかしいことにハッと気づいたことがある。バッグにいつも持ち歩く懐紙の模様が確か桜のままだったのだ。こりゃいけない!桜マナーにのっとって、明日、早速カキツバタ模様の懐紙に入れ替えておかなくっちゃ。どこかの中年女性に咎められないようにね・・・。


タクシー運転手の予言【徒然なるお仕事】


先月と今月はほんっっっとに忙しいです。毎年この時期は、次年度制作物の改変のタイミングとなるため、企画と仕込みと取材と原稿書きが混乱するほど続き、いつまでも長いトンネルを走っているような感覚に陥ってしまう。数々の不義理を重ねておりますが、あと少しでトンネルから抜け出せる予定なので、どうか皆様お見捨てなく、よろしくお願いいたします。
久しぶりのコラムアップは、15年前にある人から告げられた予言について。嘘みたいなホントの話なので、しばしおつきあいくださいませ。

今からちょうど15年前、あるパーティーに出席するため箱根に向かった時のこと。新宿発のロマンスカーを箱根湯本で降りて、タクシーで山のホテルに向かう間に、運転手さんが話しかけてきた。
「お客さん、着物着てるけど、何の仕事? いや、ちょっと待って。僕が当てるから」にこにこ笑いながら私の職業を予想してゲームをしているかのように楽しんでいたその方は、おそらく50歳くらいだっただろうか。結局、私の職業を当てることはできなかったが、約30分の乗車時間にすっかり打ち解けて会話を楽しんだ。そしてタクシーを降りる間際に、その人は謎掛けのようなことを言った。
「お客さん、今から15年後、どうなっていたい?」
そう問われても即答できなかった。
「すぐに答えられないなら、今夜ゆっくり考えるといいよ。そして私が予言してあげる。お客さんはあと10年か15年くらいしたら、今の願いが叶った暮らしをしているよ。私は予言者でも霊能者でもないのだけど、人の未来をなにか感じ取る力があってね。すべての人の未来がわかるわけではないのだけど、あ、この人の願いはきっと叶うな、って感じることがあって、今まで殆どそれが当たってきたの。嘘じゃないよ。嘘じゃないことは15年後に分かるから。楽しみにしてて」なんとなく信じたようなそうじゃないような不思議な気分になったことを、今でもはっきりと覚えている。


15年前はおろか、コピーライターとしてかろうじて独立して仕事を始めた頃から、仕事の欲目がイマイチ弱いのが私の欠点であった。楽しく仕事ができればいい、一人分の生活費が稼げればいい、という欲目しかなかった。何が何でも年商アップするとか、会社設立するぞとか、この仕事は絶対にとるぞ!という気迫がない反面、好きな分野にはとことん情熱と時間とお金を費やしてきたので、ある一部の分野については、人よりも多少は詳しい知識を得ることができた。先輩諸氏からは「アシスタントを入れてスタッフを増やしてやってみたら?」「デザイナーを入れてプロダクションにしたら?」などと進言されたけど、仕事を大きくしても責任をとる自信はなかった。だから15年前の夜に考えた将来像とは「好きな物や人に囲まれて毎日の暮らしを楽しんでいる流れの中で仕事をする、そんなクリエイターになれたらいいなぁ」という経営的視点で見るとかなりゆる〜い目標だったのである。


ゆるい仕事目標のおかげで、やっぱりいまだに大したコピーライターにはなれていないのだけど、実はそのゆるい目標をゆるいなりに達成できていることを、友人が気づかせてくれた。というのも、ここのところ日頃の遊び仲間たちをルートにして、新しいお仕事が幾つか舞い込んで来ているのだが、そのオーダーが「いつものマリコさんの世界観で原稿にして欲しい」「これは絶対にマリコさんが好きな分野だと思うから是非書いて」というとっても有り難く嬉しいお声掛けで、お仕事に結びついているのだ。
ちなみに一番上の写真は、友人ルートの仕事での撮影シーンにて。急遽「手モデ」することになった友人の後ろ姿。この撮影時のランチは食べるタイミングを自分で見計らって適当に済ます、というシステムだった。撮影に没頭した私がさくっとランチできたのは14時過ぎ。一人でむせながらお弁当を食べてると、手モデ友人の上司(こちらも同様に友人)が気をつかって話しかけてくれた。「マリコさん、この仕事して何年になるの?今の仕事は向いてると思う?」今まで一緒にお酒を飲んで遊んだことはあっても、仕事の話をしたことがなかったので面食らいながらも「そういえば年をとるごとに、仕事の方が私に寄ってきてくれる気がする」と答えた。考えようによっては随分生意気な発言なのだけど、帰り道に、自分のその回答と15年前に抱いた将来像が見事にマッチしていることに気づいたのである。「あの運転手が言ったことは当たってたんだ!」と。


こちらは友人の輪がつなげてくれた、とある陶器会社のお仕事。
「ぎやまん陶」という名の美しい陶器です。
ミイラ取りがミイラになって取材中に即購入。
しばらく忙しくてご飯会が開催できていないけど、
来月我が家に遊びに来る方々にはこれでお出しします。


こちらはとある老舗料亭にて。レトロな電話器とカーテンの感じがまるでドラマのシーンみたい。何度か一緒にお食事したりお話しているうちに、私の方で勝手に姉弟みたいな感覚だなと思ってた老舗料亭の若旦那から嬉しいお仕事をいただくことになった。若旦那、企画案もうすぐお持ちしまっせ。しばしお待ちくだされ。


友人ルートの仕事というのは、かえって気づかいも多くなって仕事としてはやりにくいと思っていたのだけど、実際に仕事してみると意外にそうでもなくて自分でも驚いている。多分それは「普段のマリコさんで」というオーダーのおかげで、のびのびとやらせてもらってるからかな。こんな風に書くと、まるで売れっ子のように聴こえるかもしれないけど、実際は請求先に逃げられてお金をとりっぱぐれたり、未払いに泣いたりしているので経済的には決して豊かとは言えない現実。ま、でも元々がゆるい目標だったのだから、毎日を楽しく暮らしていれば、それが仕事につながってゆくと信じて、明日も原稿書きに勤しもうと思っている。
そして、15年たった今年、また箱根の山のホテルを訪ねてみようかなと計画中。できればまた箱根湯本からあの運転手さんにタクシーに乗せてもらって、今度は今から15年後に願いが叶う顔をしているかどうかを、教えてもらえないかと思うのだけど。どうでしょうね。


ミッドランドスクエアの「エロと色気の間」【徒然なるお仕事】


こんなタイトルつけちゃうと、またどこかのエロサイトからのリンクが増えちゃうんですよね。タイトルにご期待いただいて当webにご訪問くださった方、中身はエロではございませんので、とっととお帰りくださいませ。このタイトルは、「冷静と情熱の間」のお2人が二匹目のどじょう小説を文庫化したのに記念してつけておきましたので、あしからずです。
さて、エロと色気の間って紙一重であるがゆえに、表現するには非常に難しい領域である。語り手によってエロさはグロさになってしまうし、つややかな色気を表現するつもりが文章がままならずにただのエロになってしまった、ということにもなりかねない。今回のお仕事では、その部分にもっとも気づかいが必要とされ、クライアントの商品イメージを損なわないように、何度も音読しては原稿を直し、書いては考え、という作業を繰り返した。そのモチーフ(こんな言い方では失礼かもしれないけど)となったのが、この写真の君である。おっされな男子の愛読誌「メンズクラブ」の戸賀敬城編集長だ(上の写真は打ち合せブランチをした時のもの)。
見た通りのイケメンで、あらゆるメディアに登場し、今や編集長の仕事の領域をはるかに超えたご活躍ぶりはつとに有名なので、ご存知の方も多いだろう。正直に言わせていただくと、お会いするまでは「ちゃらい」人だと思っていた。モデルばりのポーズで写真撮影され、いつもセンスの良いファッションに身を包み、まぁとにかくカッコいいのでこりゃモテるだろうな、と。実際にお会いしてみると、確かにカッコいいのだけど、決してちゃらいわけではなく、むしろ仕事に対する取り組み方がとても真摯で、短い言葉で的確な表現をされる。つまり外見だけでなく、中身もカッコいい方だったのである。
その戸賀編集長がモチーフになったものが、ある商業施設で昨日から展示されているので、そのお知らせでございます。
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ミッドランドスクエア(名古屋駅前)が3月で5周年を迎えます。ニューオープンのお店があったり、ビューティー・シネマ・アート・ファッションにまつわるイベントが週替わりで開催されたり、戸賀編集長のトークショーがあったりと、もりだくさんの内容で、5周年記念月間が始まります。私がお仕事させていただいたものは、3月9金曜日まで、B1Fアトリウムにて展示されているので、[エロと色気の間]のものを探してみてくださいませ。
ちなみに戸賀編集長が出演されるトークショー&ファッションショーは、24土曜日15時〜。シネマウィークでは、親しい友人の松岡ひとみさん出演「シネマBAR」の公開収録とトークショーがおこなわれます。10土曜日14時〜です!