えとせとら

5月は新幹線移動月間でした【えとせとら】

黄金週間だわ、なんて浮かれてた日々が嘘のように、連休明けてからは怒濤の忙しさであっという間に終わってしまった5月。あんまり忙しかったのでテレビはほとんど見ておらず、ワイルドだぜ〜だか、ワイルドだろ〜とか言う芸人のことも、ソフトバンクのCMに武田鉄矢のリョーマの休日編が放映されていることも、数日前までまったく知らなかった。
大きな編集物の取材が幾つか重なったため遠方取材が多く、名古屋にいる時間の方が少なかったのではないか?と思うほど移動ばかりが続いたのである。先週末はぼけっとする時間ができたので5月の移動時間を試しに全部足してみると・・・なんと新幹線移動だけで合計34時間。車での移動は合計18時間(この他に特急電車とか細かい移動は数えるのが面倒になってしまったので割愛)。実はワタクシ何を隠そう、新幹線に乗るとほぼ毎回、面白いエピソードをひろってくるクセがある。その幾つかは過去にこのコラムでも何度か紹介してきたので読んでくださった方も多いだろう。ギターを抱える男や、新幹線紳士のマナー光と影や、続・新幹線のマナーや、新幹線缶詰事件などなどあるので、お暇な方はぜひお読みくださいませ。
これら以外にも、最近は新幹線で小ネタをひろう度に、facebookでアップするので、友人たちからは「なんでそんなに面白いネタばっかりひろってくるの?」とか「なんで毎回人間模様があるの?」と聞かれるのだけど、だって本当にあるんだから仕方がない。ただ、私が新幹線での人間模様に目を配る決定的な理由は「新幹線に乗ると人間観察しかやることがない」からである。新幹線のような速い乗り物が苦手で、窓の外の流れる風景を見ていると酔ってしまうし、本を読めば気持が悪くなる。パソコンやケータイや食事も然り。たまに超急ぎでパソコン仕事やラフを描くという作業をしなければならないが、新幹線を降りた途端にフラフラになってしまうのだ。だったら寝ればいいじゃない?と友は助言してくれるが、以前東京から最終電車で戻った時、お酒の酔いも手伝って熟睡して京都まで行ってしまい、仕方なく京都でムダな一泊をしたことがあった。あれ以来、新幹線で眠ることがトラウマになってしまった。


というわけで、人間観察が新幹線車内での唯一の楽しみにもなっている私なのだけど、5月も未知なる方々と新幹線車内でご一緒になり、facebook上で幾つかネタを披露させていただいた。さて、なぜ人は新幹線で奇怪な言動をして私なんぞに注目されてしまうんだろうか。その対象の多くは、勝手な振舞で周囲に迷惑をかけたり目立っちゃったりする人なのだけど、ほとんどがデキル男風のビジネスマンなので、そのギャップが余計に不思議に映るのだと思う。で、ふと、考えた。彼らは新幹線の座席を「買っている」から、その空間は「自分のもの」だと考えているのではないか?目的地までの数時間は自分の席なのだから、何をやっても自由だと・・・。もしかすると不動産を買う感覚と一緒なのかな。ま、座席の大きさとはいえ、あれも立派な空間ですからね。そんなわけで、今週末もまた新幹線に乗る予定なので、「買った席」で、私も自由に振る舞ってみようかしら。メイクしちゃうとか、念仏を唱えるとか、エッチなぱらぱらマンガを描くとか・・・(いずれも小市民!)。そして、どこかで私の言動をじっと見つめる人がいたなら、その人は間違いなく「人間観察しちゃう族」ですな。