暮らしの発見

2013年お世話になりました【暮らしの発見】


いよいよ大晦日・・・というのに、まだ「今年中」の仕事が終わっていない。とはいえ、年始(つまり1/6の朝)に取引先のpcに原稿が到着できてればいいので、今日は事務所部屋のプチ掃除をしたところ、書類の山のほとんどがゴミ袋行き。書類にまぎれてとってあった手紙類も出て来て、いちいち読んでは思い返したりしてちっとも掃除が進まない。最近はビジネスもプライベートもすっかりメールで済ませていることが多い上に、近況はfacebookでの報告になってしまっているので、手紙のやりとりがほとんどない。だからこそ肉筆で書かれたお手紙は貴重で嬉しくて捨てられないのだ。皆さん、いただいたお手紙ってどうしていらっしゃるのでしょうか?聞いてみたいと思う。


便箋やカードの趣味から感じるその人のセンス、外見とは違った印象の書き文字など、メールの文字では伝わらない体温のようなものが生き生きと見えてくる。2013年もそんな心温まるお手紙をたくさんいただいた一年となった。私もひどい乱筆なのだけど、恥ずかしがらずにこれからもお世話になった方にはお手紙を書いて、心を伝えていこうと思う。


ちなみにこれは友人のイラストレーターが
当事務所への請求書にくっつけてきた
手づくり似顔絵ペーパークリップ。
さすがイラストレーターなんですが、いちいち笑えます。
こういうのも嬉しい。


こちらはfacebookで作った自分新聞2013の一部。他の部分は不思議な結果だったので公表しないけど、この流行語大賞はちょっと笑えたので公開!コピーライターなのに語彙が少ないとか!裸で走り回ったとか、うーむ、妙に現実的かもしれません。


とまぁ、そういうわけで、まだ事務所部屋のプチ掃除は続行中なんですが、とりあえず2013年はお世話になりました。2014年も頻繁なコラムアップは出来ないかもしれませんが、どうぞごひいきによろしくお願いいたします。皆様よいお年をお迎えくださいまし。


金継ぎは美魔女のはじまり【暮らしの発見】


今日は静かで平和な日曜日。多分今年に入ってはじめての「なんにも予定のないお休み」だったので、体が求める限りのお寝坊と遅いブランチをした後は、長い間ほったらかしになってた金継ぎをすることにした。自分の器だけじゃなく、友人から預かった物もあり、預かり期間が一年を超えている物もあるので、もういいかげんにやらなくちゃ、と思い続けて、すっかり時間がたってしまった。金継ぎは、欠けたり割れたりした器を漆でくっつけて、上から金や銀で彩る修復方法。漆を塗っては何日か乾かし、凸凹をやすりで平らにしてまた漆を塗って乾かし、最後に絵漆を塗って金や銀の粉をはたき、さらに乾かして上から叩いて定着させるという時間と手間のかかる工程である。だから電話が鳴らない日曜日じゃないと作業できない、という言い訳でほったからしていた。


話はころっと変わるが、最近花粉症のせいか、お肌の調子がすごぶる悪いわたくし。入浴後のお肌のお手入れは毎日入念にしていても、肌の加齢には勝てず、シワがすっかり定着しつつある。あぁ、このシワをパテで埋めることができるならと毎晩思う。陶器の金継ぎは、美魔女を作り上げる作業と似ているなぁ・・・と。加齢に逆らって外見を磨く美魔女たちに正直うんざりしていた私は、自分のシワを諦めた代わりに、陶器を直しているのかもしれない。


干物オンナ実践中です【暮らしの発見】


少し前に綾瀬はるかが演じる「干物オンナ」が話題になった。確か、恋愛を放棄して、何をするにも面倒くさがる女性のことで、まるで干物みたいに干涸びてしまった精神の持ち主、という意味だったと思う。さて、私はと言えば、この干物オンナとはちょっと違った干物生活にどっぷり漬かっているので、今日はそのご紹介。何年か前から始めた野菜の干物づくり、この半年で夢中になっているのだ。野菜が乾燥しやすいようにカットし、天日に数日干せば、旨味が増して味わい深い野菜になる。水分が飛ぶので、密閉式ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存すれば、生の状態よりも何倍も日持ちするので、味と保存効果の一石二鳥だ。上の写真は父が家庭菜園で作った大根を皮ごと天日干しする風景。やわらかい葉っぱは塩揉みして菜飯でいただき、残った茎も干す。夜露にあたらないように夕方になったら家の中に入れ、翌朝から再び太陽と風にあてる。これを数日繰り返せば、ドライ大根が出来上がる。


これが冬の間に何度も作ったドライ大根と鶏肉の煮込み。上はドライ白菜の柚子漬け。ドライ大根は鶏肉と昆布とピリ辛の味付けで煮込むこと30分。形が煮崩れず、味わいは深く、甘みも強い。見た目はイマイチだけど、ご飯のお供にもお酒の肴にもピッタリなのだ。


プチトマトは甘みが強いからドライに向いてるかも〜と実験してみたところ、予想的中でめっちゃ旨♪種の水分が飛びにくいので、カビが生えないようにしっかり風にさらすのがポイント。市販されてるドライトマトは種なしで乾燥させてるけど、種の酸味があった方が私は好きだ。ドライトマトとベーコンと固めに茹でた素麺を少量の塩と醤油とゴマ油で炒めて、最後に溶き卵を入れ、半熟気味で火を止めて、ドライトマトの素麺チャンプルーを作ってみたら、これが我ながら美味しくてマイブームになっちゃった。素麺チャンプルーが食べたくても、ドライトマトの生産が追いつかなかったくらいだ(笑)。ちなみに黄色のプチトマトでも試してみたけど、赤と同じく美味しかった。プチトマトが安売りしている時はたっぷり買いだめして、ドライトマトを作るべきです!市販のイタリア製ドライトマトよりも、ずっとずっと安価で美味しくできまっせ、奥さん。


こちらはある曇りの日の窓際風景。花粉や黄砂が飛ぶ季節はベランダに干せないので、太陽の光が届くリビングにざるを並べている。この日は、右からエリンギの細切り、チンゲンサイの細切り、愛媛の柑橘「はるか」の皮、下に置いてるのは椎茸。いつもこんな感じなので、友人から「近くにいるからお茶飲みに寄っていい?」なんて電話が入ると、慌てて"ざる"を片付けなくちゃならない。親しい友人には気軽に立ち寄って欲しい、でも片付けに大わらわになる現実。それが狭小マンション住民の、干物生活最大の悩みである。突然の来客にも困らないような、インテリア性に優れたオサレな干物ネットの商品企画をどこかのキッチンツールメーカーに持ち込もうかとマジメにアイデアを練っているところである。


花まで喰らう女子力【暮らしの発見】


きっかけはお正月気分冷めやらぬ時分に催した女子会だった。日曜日だったこともあってか、お花屋さんの店頭に良いお花がなくて困ったなと思いながらお鍋の材料を仕込んでいたその時、ブロッコリーが目に留まった。「そーいやブロッコリーって確か花の蕾だったよね」そうだ。だったらブロッコリーをテーブルのお迎え花にして、ついでにトマトも一緒に飾ってしまおうと。いたずら心ではじめた「野菜のお迎え花シリーズ」これが意外にも女子のハートをがっちり掴めてしまったのである。


←これがその時のお迎え花。ガラスの水指(ホントは夏の茶会に使用する水指なのです)に、適当にカットしたブロッコリーとトマトをごろんごろんと入れただけ。そしてこの夜のメインは野菜の洋風鍋だったので、この後トマトもブロッコリーもぜ〜んぶ食べちゃいました。テーブルセッティングは女子新年会だったのでピンクをテーマに。ピンクの風呂敷をひっぱりだして、お皿は白、ナプキンはピンクに統一。集まったのはいい歳したアラフォー女子だったのだけど、ま、いちお女子ということで可愛くまとめてみました。


←これは先月開催の丹波しし鍋の会の時のセッティング。若旦那を囲む女子会だったので、グリーンを基調にシックなテーブルにしてみました。そしてお迎え花は、後ほどお鍋に入れちゃう予定の聖護院かぶら、京ニンジン、椎茸をスクエアにカットして盛り込み、最後にセリをお花のようにくるりとあしらって出来上がり。これがまた女子にウケましてね。


←それでもってこれがつい先週末の日曜日。シャラン産窒息鴨のしゃぶしゃぶ会を催した時のテーブル花。前菜で使う予定の菜の花と金柑をボックスフラワーのイメージで生けてみたところ、小さなお花畑みたいに仕上がった。朝のうちに生けておいたので、お昼間に菜の花が太陽に向かって伸びてしまい、お客様がいらっしゃる前にあわてて茎をカットして生け直さなければならなくて、ちょっと苦労したのだけど。


いずれのお迎え花もアラフォー女子及び女子力の強いおじさんに大人気で、facebookでこれらの写真をアップすると結構な確率でお褒めの言葉をいただいた。唯一の難点は、ずっとテーブルに花を飾るわけにはいかないということである。だって途中で調理して食べちゃうんですもの。お花が途中でなくなっちゃうなんて、ま、普通はあり得ませんよね。もしかしたら、花まで喰らう図々しさが、アラフォー女子及び女子力の強いおじさんに人気なのかしら。ね、ななちゃん。


こちらは我が家でさんざん食べて満腹になり、なんとその場で眠ってしまったアラフォー女子。花まで喰らう女子力は、睡眠にも貪欲なのだ。というわけで「野菜のお迎え花」どうぞ試してみてくださいませ。意外に簡単で楽しくて、食卓での話題にもなりますよ。


今年の抱負が決まりました!【暮らしの発見】


明けましておめでとうございます。おせち→お酒→おしゃべり→おせちに飽きて他をつまむ→お酒→テレビといういつものお正月三が日スパイラルに思い切りハマっている最中でございます。年末はぎりぎりまでお仕事をし、そうは言っても年賀状は書かなくてはいけないしということで30日のお昼ごろにご近所の郵便局に出しに行ったらば「切手面に年賀って赤字で印刷してないから、そこにあるスタンプを全部におして出し直してください」と言われてしまった。「何百枚もあるからどれだけ時間かかるかわかんない。なんとかしてくださいよ〜」と得意のごり押ししてみたけど、「あ、じゃ普通郵便で出されますか?今出しても元旦にはどうせつきませんから」とあっさり言われ、それに従うことに。なのに、なのに・・・。私の聞き方が間違っていたのか。私の年賀状のはずのハガキは、大晦日の31日に皆様のお手元に届いてしまったのである。twitterとfacebookではお詫びしたのだけど、ここでも改めてお詫びいたします。年末までおっちょこちょいぶりを発揮してしまって、ホント〜にごめんなさい。


いきなり年賀状のフライングしちゃった大晦日は、2011から2012になろうとする23:30くらいから、パジャマ姿でカウントダウン。だって24時まで待てなかったんですもの。シャンパーニュを開けて、24時になった頃にはすでにシャンパーニュはなくなってしまっていた。年賀状だけでなくカウントダウンもフライングで終わってしまったのだ。なんだかなぁ、この年明け。これは今年もおっちょこちょいでフライング気味の一年になるという暗示なんだろうか。


ま、自分勝手に解釈すれば、年末は原稿の〆切をころっと忘れるという大失態をやってしまったので、フライング気味というのは良い傾向なのかも。原稿は早めにアップすれば仕事は増え(激!)、約束にも早めに行けば待ち人来る、かも。というわけで、今年の抱負が決まりました。「何事も早め早めの心持ちで」今年もどうぞよしなにお願い申し上げます。


円頓寺商店街の七夕祭と、映画"WAYA!"【暮らしの発見】


名古屋市西区にある円頓寺商店街の七夕祭が、昨日27水曜日から始まった。毎年おこなわれる七夕祭は、商店街の人々が自作するハリボテのコンクールにはじまり、女子高生のバトンやマーチングバンド、お猿さんの曲芸や和太鼓などなど、いわゆる昔から日本の夏の風物詩である「お祭りの風景」が繰り広げられる。このあたりはもともと名古屋城の御用商人街だったエリアで、今は昔懐かしいアーケード商店街になっている。昭和初期から50年代前半くらいはちょっとエッチな映画館があったり、一杯飲み屋さんが連なっていたり、着物屋さんや履物屋さんなど日常の物はなんでも揃う商店街だったことから、毎日かなりの人出だったらしい。ところが郊外型ショッピングセンターができはじめると商店街は衰退する。円頓寺商店街もその流れのままに、シャッター街になりかけていた。そこに地元の有志の、なんとかしなくちゃという思いが集い、一念発起で蘇った街なのだ。私の親しい友人である高木麻里嬢が商店街の理事長を務めており、地元愛に満ちた活動で頑張っているので、それを応援する意味でも、昭和好きな私はなにかとこの商店街に出掛けることが多い。


姪っこアユミと共にお祭り初日のランチはいつものはね海老で!

姪っこアユミと共にお祭り初日のランチはいつものはね海老で!

これが噂のハリボテ装飾のコンクール。全部手作りです!

これが噂のハリボテ装飾のコンクール。全部手作りです!

友人高木麻里の実家である野田仙の参加作品。野田仙は当代で4代目を数える下駄屋さん。

友人高木麻里の実家である野田仙の参加作品。野田仙は当代で4代目を数える下駄屋さん。


そうそう、そして今年の目玉といえば、この商店街が舞台となった映画がとうとう公開されるということだ!一番上の写真がその映画のポスター。商店街の昔ながらの近所付き合いやおせっかいな人々の人間関係が描かれた作品で、10月に名古屋伏見のミリオン座で公開が決定。七夕祭期間中は、商店街の中にPRブースがオープンしている。前売り券も販売しているので、皆様ぜひご購入ください。高木麻里宅があるので、ちょくちょくお出掛けしているが、この街は本当に人情にあふれている。B級グルメの宝庫で、猫がいっぱいいて、おしゃべりなおじちゃんおばちゃんが道で立ち話をしている。昭和の匂いがぷんぷんしているのだ。昭和生まれの40代には、しっくり馴染む街なんですね〜。ちなみに姪っこアユミも、この商店街は大好き〜と言うので理由を聞いてみると「だって昭和っぽいんだもん」とのこと。ぎりぎり昭和生まれの彼女も心落ち着くのだそうです。七夕祭は31日曜日まで。皆様お出掛けくださいませ。


◆開催期間:2011年7月27日(水)〜31日(日)
◆開催場所:名古屋市西区那古野 円頓寺商店街・円頓寺本町商店街

メイン会場:東側アーケード…圓頓寺前、西側アーケード…喫茶ピジョン横

7/28(木)
◆10:30〜 写生大会
◆18:00〜 起震車体験コーナー(20:00まで)
◆19:00〜 日響和太鼓
7/29(金)
◆16:00〜 啓明学園高等学校茶華道部七夕納涼茶会(20:00まで)
◆18:00〜 パフォーマンスフェスタ(21:00まで)
7/30(土)
◆14:30〜ものづくり文化の館in円頓寺(19:00まで)
◆16:00〜 啓明学園高等学校茶華道部七夕納涼茶会(20:00まで)
◆16:30〜17:00 大正琴「澄音会」演奏会 (東メイン会場のみ)
◆16:30〜 ベリーダンス(西メイン会場16:30〜、東メイン会場17:30〜)
◆19:00〜 太閤連阿波踊り
7/31(日)
◆14:30〜ものづくり文化の館in円頓寺(19:00まで)
◆16:00〜 名古屋市消防音楽隊パレード
◆18:00〜 津軽三味線 山口晃司演奏会
     (東メイン会場18:00〜、西メイン会場18:30〜)
◆18:30〜 えんどうじどまつり

7/27(水)〜7/31(日) 連日イベント
◆おさるさんのパフォーマンス 16:00〜21:00頃 円頓寺本町商店街「二ツ玉」横

◆今秋公開!商店街映画「WAYA!」PRブース出店!
 期間中、 円頓寺界隈が舞台の映画「WAYA!」
(今秋10月下旬公開予定・伏見ミリオン座にて) PRブースがお祭に出店します!(東側アーケード「ふれあい館前」)

 こちらで、ついに前売券の販売を開始です!
 ぜひぜひこの機会にお求めください。

その他の情報
◆期間中、今年も「円頓寺七夕放送局」が東側アーケードにて開局!
◆期間中、各店で七夕まつりセールを開催!
◆名物七夕飾り、必見!
◆アーケードには屋台がたくさん並びます!

※イベントは都合により変更する場合があります。


お内裏様とお雛様の並び方【暮らしの発見】


多忙な一週間でした。移動→取材→移動→宿泊先で原稿書き→取材→移動というローテーションをずっと繰り返した一週間でした。やっと名古屋に戻って、今日は目覚ましをかけずに眠ったら、なんと10時間も眠り続けてしまった。私にとっては睡眠が一番の健康の素なので、いたしかたありませぬ。というわけでコラム更新が遅れた言い訳はここまで。もうすぐ桃の節句なので、今日はお雛様の話題で。
↑この写真は、実家に飾っているお雛様。左隣は姉手作りの吊るし雛。その左は貝を漆にはめこんだ火鉢。お雛様に合わせて貝の火鉢が出してある。私が小さい頃は「桃の節句を過ぎて飾っていたらお嫁にいくのが遅れてしまうから」と3月3日になったら慌ててしまっていたけど「せっかく出したんだし、新暦じゃなくて旧暦で考えて、3月末くらいまで飾っておけばいいんじゃない?」という私の怠惰なそそのかしに母も「そうねぇ、じゃ3月末まで飾っておきましょか」と納得していた。どうやらお嫁にすっかりいきそびれている娘のことは、もう頭にないらしい(苦笑)。


このお雛様は、私の母方の祖父母が松坂屋(名古屋の人は"まっちゃかや"とふざけて言いますが)で選んでくれたもの。梱包の中には飾り方の説明書きが入っているので、このお雛様とお内裏様の並び方は説明書に沿ったものだ。お内裏様とお雛様、どっちが左に飾るかで、地方性が出ることをご存知ですか?京雛と関東雛の違いで、位置が逆になるのだ。松坂屋は名古屋の百貨店だからか、関東式の並びで説明書が添えられていたことになる。
天子南面(天皇が南を向いて立った時に、日の出の方角を上座、日没の方角を下座とする考え方)に基づいて、お内裏様が向かって右側、お雛様は左側だった。ところが、明治の文明開化で日本も西洋式に習い、大正天皇が即位式で左に立ったことから、以来それが皇室の伝統となり現在に至っているのだ。これ、結婚式の新郎新婦の並びもそうなってますよね、確か。この並びが今では一般的になっているのだそう。ただし、現在でも京都では伝統にのっとり、お内裏様が向かって右側に飾られているので、関西の百貨店で販売されているお雛様は、松坂屋のものとは逆なのかもしれない。


これは実家の床の間に飾られている掛け軸。
お内裏様とお雛様の並びは、
上の物(関東雛)とは逆になっているので、
こちらは京雛ということになる。
お花は、桃・ぜんまい・菜の花。ワタクシが生けました。


こちらは我がマンションのリビングテーブルに飾っているミニお雛様。スペースの関係上、この小ささじゃないと飾れないのだけど、こういうポータブルな感じのお雛様は仰々しくなくて可愛いですよね。これも旧暦に合わせて、3月末まで飾っておこうかな。あ、それなら3月3日を過ぎたら、旧暦(つまり明治の文明開化前ってこと)に合わせて、並びを逆にしちゃえばいいのでは?3月3日までは新暦(文明開化後の関東式)の並びにして、3月3日以降は旧暦の並びに変えちゃう。こういう不届きな考え方で、お人形の飾り方を変えてもいいものなんでしょうか。お人形屋さん、お教えくださいまし。


ブラヴォー家紋!【暮らしの発見】


先日、家紋が好きだという20代の若者に会った。お食事を共にしていた時、なんの話から家紋の話題になったのかは覚えていないが、「僕、家紋好きなんです」と言うではないか。かくいう私も家紋は好きで、着物の仕事をしていれば自然に家紋の勉強をすることにもなり、いろいろなことを調べたり学んだりした。知れば知るほど奥が深いもので、日本人はもっと家紋文化を誇りに思ってもいいのではないかな?と思っていたので、冒頭の若者発言はビックリしたのである。わたしたち世代でも、自分の家の紋がどんなものか、その名前や由来が何かを知る人は少ないからだ。ブラヴォー家紋好き!20代の若者が家紋好きなんて、まだまだ日本も捨てたもんじゃありませんね。
家紋の歴史は、900年ほど前にさかのぼる。平安の後期あたりに、お公家さんが牛車の紋として定めたことから、その紋を身のまわりの品などに描くようになり、それが貴族の間に広まって、気に入った紋を調度品や衣裳に用いるようになっていった。
世界で紋章をもつのは、ヨーロッパやアメリカのほんの一部の上流階級と日本だけといわれているが、日本ではすべての家に紋があることがきわめて特徴的である。なんと4590種もあるといわれている日本の紋は、デザイン性がとても高い。また、季節の植物や風景など、情緒を表現した紋というのは他の国では例を見ないのである。
とまぁ、こんな風に家紋の知識について書いていると際限がなくなっちゃうので、このへんでやめておくけれど、そうそう、自分で好き勝手に家紋を作っちゃってもいいということ、ご存知でした?月アイテムが好きな私は、以前から月をモチーフにした家紋を制作して、着物に染め抜いてしまおうと画策している。どなたか良いアイデアがあったら教えてくださいませ。
冒頭の写真は、実家建替えプロジェクトの際に、仮住まいの家に母の桐たんすを置いた時のもの。昔は、このようにタンスにかける「ゆたん」という代物をお嫁入り道具で必ず持ってきたのだそうだ。タンスの塵除けに用いられたものらしく、母は「お嫁に来た時に使って以来だわ〜」と懐かしそうに実家の家紋を見つめていたっけ。お嫁さんは実家の紋を着物や道具に描いて他家へ嫁ぐ。結婚相手の家の紋を染めて持ってきた方が合理的なのに実家の紋で嫁ぐなんて不思議な習慣だなぁと思っていたのだけど、母の懐かしそうな表情を見て、その謎がなんとなく解けた気がした。他家に嫁いだ人が実家を思い出して懐かしい感情に浸る時、或いは旦那さんに違和感を持って実家への郷愁を感じる時、家紋を眺めて想いにふけるため、ではないだろうか。我が母の場合は、残念ながら後者、だと思いますけどね。ふふ。


続・新幹線のマナーについて【暮らしの発見】


これ↑ワタクシの好きな新幹線の座席。2人席の通路側で、しかもお隣の窓側が空席というのがベストポジションだ。これは飛行機も同じで、座席の指定をする時は必ず「真ん中の列の通路側」とオーダーすることにしている。窓側ではなく通路側を好むのは、立席する際にお隣におうかがいをたてる必要も、お隣の方の股ぐらをよいしょっとばかりにまたぐ必要もないからである。お隣がトイレに行くために自分が立つのはまったく気にならないが、自分のために他人を立たせるというのが、見知らぬ人に対して滅法気の弱い私にはどうも出来ない所作なのである。


JALとANAには私の座席の好みがインプットされているので、飛行機のチケットを取ると自動的に通路側が用意されるのでいいけど、混んでいる時間帯の新幹線はそういうわけにはいかない。上記の写真の時はベストポジションで心地よかったが、一ヶ月前に東京出張した時はもう最悪のコンディションだった。あぁ、思い出すだけでも臭ってきそうなんだけど。以前「新幹線紳士のマナー、光と影」についてコラムを書いたいきがかり上、その続編として新幹線マナー〜匂い編〜について書いてみようと思う。


その日の翌朝に御成門で取材があったため、前日のうちに東京入りする予定で、6時台の新幹線に飛び乗った。ぎりぎりだったので私の好きな座席は取れるはずなく、3人席の真ん中という一番やっかいな席しか空いていなかった。6時台の新幹線って〜、地方出張したビジネスマンでいっぱいなんですよ〜〜〜!!!私が乗った16号車で女性は私ともう2人のみ。あとはすべてダークスーツを来たおじさまたちで埋め尽くされていて、その号車を見渡した瞬間に軽いめまいを感じた(最近すっかり男性が苦手なワタクシでございます)。
はてさて、私が予約した座席の両端はやはりビジネスマンで、窓側の人はノートPCを開いてかちゃかちゃやっている。私は通路側の居眠りしていた男性に一言声を掛けて、荷物を片付け、明日の取材資料を手元に置き、もっくんがCM出演している伊右衛門をテーブルの上に乗せて、静々と座席に落ち着いた。すると、通路側の席の男性が車内販売でビールとするめを買い込み、いきなり飲み始めたのである。まぁ、飲食自由なんだからして、勝手に飲んでいただいていいのだけど、参ったのはその人が定期的に口からはくゲップだった。するめとビールと加齢臭が混ざり合い、なんとも表現しようのない臭い。うげっぷ・・・逃げ出したい・・・。鼻をつまみ臭いに耐えながら取材資料に目を通していると、なんとゲップオヤジはビールを持ったまま寝始めたのである。ビールを持つ右手が私のか細い二の腕にあたるじゃありませんか!仕方ないので、さりげなく軽いヒジテツをくらわしたりして、ビールがこっちにこぼれてくるのを阻止して数十分。ゲップオヤジは目を覚まし、半分ほど残っていたビールを一気に飲み干した。そしてその後、大きな大きなゲップを気持ち良さそうに吐きやがったのである。くっさ〜〜〜〜〜〜い!!!!!
さんざんな目に遭って、東京の姉宅についた途端、疲れがどっと出てしまった。美味しいお夕飯を用意して待っていてくれた姉に、ゲップオヤジの話をすると、姉が笑いながら一言「そういうあなただって臭ってるかもよ」。へ???何が???もしかして加齢臭のこと???と聞くと、「あったりまえじゃん」と姉。確かに40代ともなれば男女関係なく加齢臭は出てくると、どこかの雑誌に書いてあったっけ。翌日新幹線で名古屋に戻る時、洗面室でうがいをし、バラのクリームをほんの少し手首に塗り込み、口臭を抑えるガムを噛んで乗車にのぞんだ私でした。はい、これから私も加齢臭には気をつけます。


お手紙を書きましょう!【暮らしの発見】


古いものだと狼煙(のろし)や手旗信号、トーキングドラムといった通信手段は、その後、緊急や用件を伝えるだけではなく、季節のご挨拶やお礼の気持ちを伝える手紙へと進化した。その手紙の運搬方法は、飛脚→伝書鳩→郵便→メールと変貌を遂げた。今や、仕事の大半の用事はメールで済ませてしまうし、逆に電話で言った言わないという問題を回避するためにもメールは必需である。お礼を伝える文章も、やはりメールのやりとりが最も多い。でも、でも、やっぱり手書きのお手紙をいただくというのは、心が和むものだと思いませんか?キーボードを叩いて書かれた文章よりも、肉筆の文章の方が、本当にその方が話しかけてくれている気持ちになれるし、切手を貼って投函するという行為を挟んでいる分、お礼の気持ちも濃くなるような気がする。


私は字がうまくないくせに手紙を書く事は大好きで、まだポケベルとファックスの時代から(古っ!)、なにかしらお世話になった方にはお手紙でお礼の気持ちを伝えることにしてきた。ただこの10年くらいは、メールの方がすぐ届くとか、お手紙だと会社の他の方に見られちゃうとか、いろいろな理由でほとんどの礼状はメールにシフトしてしまった。そんなメーラーの私に、久しぶりに手紙欲をもたらしてくれたのが、最近届いた2つのお手紙だった。


ひとつめは、こちら。ご近所のスペイン料理ラフエンテ&スペインバルのラバノから、季節のご挨拶を兼ねたこのお手紙。私が昨シーズン絶賛したモルシージャ(フランスでいうブーダンノワールのこと)が、今年もうまくできたのでお越しください、というお便りである。匍匐前進でも帰れるくらいの距離なのに、わざわざ切手を貼って投函してくださったなんて。しかもモルシージャが美味しく出来てるなんて、行かない手はないですよね。それで早速行ってきた時の写真が冒頭のもの。山内シェフが言う通り、今年は去年より上品な仕上がりになっていて、スペインバルというよりもレストランで出てくるような繊細な仕上がりになっていた。


もうひとつが、こちら。円頓寺商店街近くにある4代続くお寿司屋さんの「まねき寿司」さん。姪っこアユミの送別会以来お邪魔していないのだけど、こんな女将の一言コメントが書かれていたら「あ、まねきに行かなくちゃ」って思いますよね?私は思っちゃう。だから、とある方々との会合の場所に選んで行ってきました。いっぱいおつまみを食べていっぱい日本酒をいただいて、美味しいお寿司を堪能してきましたよ。


こんな風に、印刷されたお手紙やDMに一言、私のためだけのコメントが書いてあると、心がぐぐっと引き寄せられちゃうのだ。これ、年賀状でもそうですよね。たとえ、ずっと会っていない相手でも、たった一言が添えられているかどうかで、その賀状の印象が大きく違ってくるんじゃないかな。
実はワタクシ、これでも「手紙の書き方教室」なるものの講師をさせていただいた経験もあるのでございますよ。拝啓&敬具のルールや季節文の書き方といった常識編から、ハガキや一筆箋にすらすら〜っと書く手紙、お礼の気持ちを伝える書き方などなど。印象に残る手紙のポイントは「その人と自分だけが共有する思い出や情報」を手紙の要素として盛り込むことなんですね。そういう意味で、上記2つのお手紙は完全にそれをクリアーしているというわけ。たった一言、けれど印象に残る一言。多分、素敵な手紙の書き手はイコール優秀なコピーライターということなのかもしれません。皆さん、手軽でスピーディなメールもいいけど、大切な方にはお手紙をしたためてみてはいかがですか?