暮らしの発見

干物オンナ実践中です【暮らしの発見】


少し前に綾瀬はるかが演じる「干物オンナ」が話題になった。確か、恋愛を放棄して、何をするにも面倒くさがる女性のことで、まるで干物みたいに干涸びてしまった精神の持ち主、という意味だったと思う。さて、私はと言えば、この干物オンナとはちょっと違った干物生活にどっぷり漬かっているので、今日はそのご紹介。何年か前から始めた野菜の干物づくり、この半年で夢中になっているのだ。野菜が乾燥しやすいようにカットし、天日に数日干せば、旨味が増して味わい深い野菜になる。水分が飛ぶので、密閉式ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存すれば、生の状態よりも何倍も日持ちするので、味と保存効果の一石二鳥だ。上の写真は父が家庭菜園で作った大根を皮ごと天日干しする風景。やわらかい葉っぱは塩揉みして菜飯でいただき、残った茎も干す。夜露にあたらないように夕方になったら家の中に入れ、翌朝から再び太陽と風にあてる。これを数日繰り返せば、ドライ大根が出来上がる。


これが冬の間に何度も作ったドライ大根と鶏肉の煮込み。上はドライ白菜の柚子漬け。ドライ大根は鶏肉と昆布とピリ辛の味付けで煮込むこと30分。形が煮崩れず、味わいは深く、甘みも強い。見た目はイマイチだけど、ご飯のお供にもお酒の肴にもピッタリなのだ。


プチトマトは甘みが強いからドライに向いてるかも〜と実験してみたところ、予想的中でめっちゃ旨♪種の水分が飛びにくいので、カビが生えないようにしっかり風にさらすのがポイント。市販されてるドライトマトは種なしで乾燥させてるけど、種の酸味があった方が私は好きだ。ドライトマトとベーコンと固めに茹でた素麺を少量の塩と醤油とゴマ油で炒めて、最後に溶き卵を入れ、半熟気味で火を止めて、ドライトマトの素麺チャンプルーを作ってみたら、これが我ながら美味しくてマイブームになっちゃった。素麺チャンプルーが食べたくても、ドライトマトの生産が追いつかなかったくらいだ(笑)。ちなみに黄色のプチトマトでも試してみたけど、赤と同じく美味しかった。プチトマトが安売りしている時はたっぷり買いだめして、ドライトマトを作るべきです!市販のイタリア製ドライトマトよりも、ずっとずっと安価で美味しくできまっせ、奥さん。


こちらはある曇りの日の窓際風景。花粉や黄砂が飛ぶ季節はベランダに干せないので、太陽の光が届くリビングにざるを並べている。この日は、右からエリンギの細切り、チンゲンサイの細切り、愛媛の柑橘「はるか」の皮、下に置いてるのは椎茸。いつもこんな感じなので、友人から「近くにいるからお茶飲みに寄っていい?」なんて電話が入ると、慌てて"ざる"を片付けなくちゃならない。親しい友人には気軽に立ち寄って欲しい、でも片付けに大わらわになる現実。それが狭小マンション住民の、干物生活最大の悩みである。突然の来客にも困らないような、インテリア性に優れたオサレな干物ネットの商品企画をどこかのキッチンツールメーカーに持ち込もうかとマジメにアイデアを練っているところである。