ベルばら茶会、開催しました【えとせとら】
「ベルサイユのばら」を読んだのは、すでに連載が終わってしばらく経ったころで、おそらく小学校の高学年くらいになっていたと思う。オスカルとアンドレの純愛に涙し、革命へと動いていくフランス社会の身分制度に心をいためる少女時代を送った。以降、何百回と読んだため、場面描写や台詞は細かく覚えており、今でも一年に数回は読み直しているので、筋金入りのベルばらファンだと言ってもいいだろう。ベルばらを通じてフランスという国に漠然と憧憬の念を抱き、大学進学でフランス語学科を選んだことに、ベルばらが起因していることは間違いない。そんなわたしが、いつか「ベルばら茶会」を実現したいと考えるようになったのは、一年ほど前だったか。お茶のお稽古でお世話になっている稲垣紹紅先生、通称・紅雲庵あかね先生から、その時々のテーマに沿った茶の湯の道具組を教えていただくたびに、膝を打ちたくなったり、思わず嬌声をあげたり、深くうなづき感嘆していて、時に洋物を道具に組み込まれるセンスに惚れ惚れしているので、ベルばらと茶の湯をくっつけちゃったらきっと面白い!と思い描いてきた。そんな無茶なお願いをあかね先生に相談したところ、ご快諾いただき、去る5月9日(日)に、金鯱がお留守になっている名古屋城にて、ベルばら茶会を開催することができた。道具組をどう考え、組み立てていくか、そこにベルばらの要素をどう取り入れるか、やりすぎはダメだけど分かりやすさも大事。あかね先生と何度も打ち合わせを重ねながら、茶会を作り上げる過程を学ぶことができた。
心配はもちろんコロナ問題だった。対策を万全にしながら、一席の人数を抑え、換気と消毒をしつこく、次客以降は紙製のディスポーザル茶碗、お菓子はパッケージごと、などなど、風情に欠ける点はあったけれど、それでもなんとか開催にこぎつけて、多くの仲間たちに楽しんでいただけて、本当に良かった。
以下、道具組の一部と、お越しいただいた方々のベルばらコスプレ的なご紹介をば。薔薇の帯、着物、半襟、バッグ、バッジにチーフ、リボン、マスク。エッフェル塔やトリコロールを意識してくださった方もいて、みなさんがベルばらというテーマを楽しんでくださったことが伝わり、とても嬉しかったです。
ちなみに私はあやめ色の着物(フランス王家の紋章がアイリスなので→百合と言われているがそれは間違いとのこと)にあやめの帯、鍵の形の根付(ルイ16世が錠前作りが趣味だったので)を帯に挿して。ただし画像はございません苦笑。