一杯の幸せ

南アフリカのワインとお寿司【一杯の幸せ】


ワインは、味わいや料理との相性だけでなく、
そのワインが生まれた国のことを思いながら
想像を巡らし、おしゃべりするのも楽しみのひとつであると思う。
かつて訪れた国の風景を思い出しながら
歴史や地理、その地域の食べ物や人々の暮らしぶりまで
いろいろなことを考えながら、五感を総動員させて味わう。
だから今までいただいてきたのは、
フランスを中心としたヨーロッパのワインばかり。
たまに新世界ワインを飲み、最近は日本のワインに頭を垂れている。
それが今までのわたしのワインの守備範囲だった。
はっきり言って、かなり狭い。
友人のりりんpresents
「南アフリカの自然派ワインと初夏のおすしを楽しむ会」では
わたしが旅したことのない
南アフリカのワインと日本のお寿司の組み合せに驚きっぱなしだった。
気候も人種も食べ物もまったく違う国のワインと食事が
こんなに面白く融合するなんて!
だってお寿司ですよ、生ものですよ。
あの故マンデラ大統領の南アフリカですよ!←このくらいしか知識がない(恥)
90年にマンデラ氏が釈放された時、私はフランス・ディジョンにいて、
フランス中の新聞の一面がマンデラ氏の写真で埋め尽くされていたので
その時はじめてマンデラ氏のことを知ったくらい遠い国だった。
聞けば、南アフリカでは1600年代からワインが作られているのだとか。
改めて自分の無知を思い知った。
これから先の人生で、南アフリカを訪ねるかどうか
その可能性はとても低いと思う。
風景は想像の域を出ないし、歴史も地理も詳しくない。
人物像といえばマンデラ氏しか思い浮かばないかもしれないけど苦笑
南アフリカワインが和食全般と面白い化学反応をおこすことだけは
よく理解できたのではないかと思っている。
あ、和食と、ではなく、わたしとの化学反応だったのかな。
のりりん、きめ細やかにご準備くださってありがとうございました。
楽しいひととき、ご一緒くださった皆様に感謝申し上げます。


川根茶の美味しさを伝える人【一杯の幸せ】


お茶のペットボトルの購入頻度、どれくらいですか?もしかして毎日ですか?
ご自宅でお茶を煎れる頻度、どれくらいですか?毎日煎れていますか?
私は無類の日本茶好きで、むしろコーヒーが苦手なので、煎茶とほうじ茶はほぼ毎日愛飲している。だから、川根茶の産地に取材に行くと聞いた時から、その日を心待ちにしていたのである。川根茶といえば、静岡県の銘茶ブランドとして有名で、我が家でも縁戚が静岡にいるので川根茶を何年も前から飲む機会が多かった。


そんなわけで慣れ親しんだ川根茶のつもりだったのだけど、自分がまったく見当違いをしていたことが取材をしていて分かった。静岡茶は全般に深蒸しと言われている、というか、そう思い込んでいたのだ。京都の宇治茶は蒸しが浅いのに対し、静岡茶は深く蒸すことで有名になり、煎れたお茶の色は緑で味わいも深く濃くなる。宇治茶の方はほんのり山吹色になるのが特徴で、味わいもすっきり上品に仕上がっている。私は川根茶は静岡茶だから深蒸しだと思い込み、だから長めの時間で煎れて飲んでいたのである。つまり私の川根茶の煎れ方が間違っていたのだ。取材先の「つちや農園」の土屋裕子さんにその話をすると、のっけから「川根茶は深蒸しじゃないんですよ」と。そして、そのセオリーとなる川根の環境について丁寧に教えてくださった。詳しくは中部電力の広報誌KORYUに書いてあるので、ぜひお読みください。


取材の日、土屋さんは、手づくりのお菓子と、極上の川根茶を用意して待っていてくださった。上の写真がその時のもの。川根茶はいわゆる"かぶせ"ではなくても「旨味」の強い味わいになるのだそう。沸騰したお湯を湯冷ましで冷ましてから、この茶葉を浸すように加え、少し待ってから、直接器に口をつけてすするようにいただく。すると、昆布茶のような旨味が口の中に広がってゆく。玉露やかぶせ茶に通ずる味わいである。二煎目にはもう少し高い温度で、三煎目にはさらに高い温度で煎れて、その味わいの変化を楽しむのである。最後、その茶葉にポン酢をかければお夕飯のおかずにもできると土屋さんは言う。川根の茶葉が柔らかいから可能な食べ方なのだろう。川根の茶葉がなぜ柔らかいかについても、中部電力の広報誌KORYUに書いてあるので、ぜひお読みください。えへ、しつこいですね。


漆器の器に茶葉を入れ、そこに湯冷まししたお湯をそそいですする。すすり茶という名前があるのだそうだ。上等な茶葉が手に入ったら、ぜひ試してみたい飲み方である。


そういうわけで、しっかりPRに励んでしまったのだけど、中部電力の広報誌KORYUをお読みになりたい方は、下記までアクセスしていただき、91号KORYUを希望とご記入の上、お送りくださいまし。ちなみにKORYUのwebの中にも、土屋さんの記事が掲載されていますが、そちらは私の文章ではありませんので念のため。私が書いたのは冊子のKORYUの土屋さんインタビュー記事です。
KORYUの申込フォームはこちらです。


中国茶のマリアージュ【一杯の幸せ】


昨晩すっかり痛飲してしまい、完全なる二日酔い状態でうかがった「ロ・ヴー秋茶会2013」。貴重なお茶席にお酒の匂いぷんぷんさせてしまって、岩崎さん、小池さん、スミマセン・・・(涙)。
ロ・ヴーといえば中国茶専門店として全国的に有名なお店。毎年この季節に、貴重な中国茶とお菓子、そして音楽や器をしつらえて、秋茶会を開催されている。今年のテーマは、唐代双璧の詩人である李白と杜甫の深い友情から生まれた「渭樹江雲」。遠く離れた友への想いを託した言葉なのだそう。そして偉大な二人が同時代に出逢ったのは、陰の月と陽の太陽が一度に現れたかのような奇蹟でもあるため、茶席は「陽」と「月」の2席がしつらえてあった。



こちらが広間でおこなわれた
「陽」のお点前。


お茶/白茶餅老茶(白牡丹)
お菓子/秋の切り株 さつまいものブリュレ
3年熟成の茶葉を直前に焙じてからいれる。柿渋のような味わいが印象的で、岐阜の柿羊羹を思い出してしまった。




「陽」の茶席
床の間のしつらえ。


こちらが立礼席でおこなわれた
「月」のお点前。
音楽は予想通りにドビュッシー「月の光」!


お茶/武夷岩茶(高山奇蘭)
お菓子/マロン風味のリンツァートルテ
香りの高さがとても印象的で、
聞香杯を何度も振ってはその変化を楽しむことができた。


李白と杜甫は、人生でもっとも楽しい時間を共に過ごし、互いを尊敬しあっていたのだとか。別れの時が近づいた時は、何日にも渡って別れを惜しみ、お酒を酌み交わしたのだそう。もし私が、大切な友と別れなければならなくなったら、どんなお酒を飲むのかな、どんな時間を過ごすかな。友と別れる寂しさをしばし空想しながら、秋の茶席を後にした。「李白はお酒と月をこよなく愛し、舟に乗っていた時に酔って水面に映った月を取ろうとして舟から落ちて溺れて亡くなったという伝説がある」とパンフレットに書かれていた。お酒くさい私にとっては、まさに慰めの言葉。今まであまり馴染みのなかった李白さんに、今日からちょっぴり親近感を持つことになった。
こんな二日酔いの私にもかかわらず、「月」でも「陽」でも、正客席をいただいてしまいました。ホントにかたじけない。岩崎さん、小池さん、ロ・ヴーの皆様、今日はありがとうございました。


熱燗の魅力【一杯の幸せ】


先日のこと。料亭か茂免の若旦那からいただいたカラスミが一本冷蔵庫にとってあったので、それをどう食べるかで思案した。若旦那はパスタにして食べてとおっしゃってたけど、料亭か茂免の自家製カラスミはさすがに深みのある滋味がなんともいえず、パスタにするのは勿体ない。ということで父と一緒にお酒の肴でいただこうと思い立った。実家に帰って「カラスミいただいたよ〜」と父に告げると、いつもなら数独パズルに夢中になって帰宅した私の顔など見向きもしないはずの人が、しっかと奥目を見開きにっこり笑うではないか。我が父ながら口が卑しいので、お酒の肴があると聞けば表情が一変するのである。太めに切って軽くトースターで炙ってお皿に盛ると、すかさず手を出して「うまいうまい」を繰り返す。その様子を見ていたら、私も熱燗が飲みたくなった。


父は真夏の酷暑の時以外、ほとんど毎日のように熱燗をいただく。冬になると熱燗を飲んで体を温めてからビールをチェイサー代わりにする。ちょっと変わった飲み方が癖になっている。一方、私はというと、熱燗でひどい失敗を重ねていることもあり、実家では母に付き合ってビールを飲む程度で、父と日本酒の杯を重ねることは滅多にない。でも、そのカラスミの夜は別だった。カラスミを見ていたら苦手なはずの熱燗が欲しくなったのである。


飲みたくなったのにはちゃんと理由がある。2月初旬に名古屋・栄にオープンした日本酒の立ち飲みバー「八咫」(やた)にて、店主から美味しい熱燗を飲ませていただいたこと、はじめての熱燗お湯割に感動したことが頭の片隅に残っていたからだ。今まであまり語られることのなかった新しい日本酒の楽しみ方を教えてくれるお店、是非お出かけくださいまし。


話がちょっとずれちゃったけど、で、カラスミの夜。私が「今夜は熱燗が飲みたくなっちゃったから、一杯いただこうかなぁ」とつぶやいたその時。父が今まで見たことがないような嬉しそうな顔をして私を眺めたのである。「生意気なことを言うなぁ」とつぶやきながら、盃を持ってきてくれて私に熱燗をついでくれるではないか。父のこんな顔を見たのは本当にはじめてだった。年老いた父親というのは、娘と熱燗を飲み交わすことがそれほど嬉しいものなのか。父には私たち姉妹だけで男の子供がいないので、親子で熱燗を飲み交わすみたいな男同士のつながりが持てていない。義兄がその役目をおってくれてはいるけれど、それも年に数えるほどのイベントごとである。


さしつさされつしながら飲む熱燗は、味覚の刺激以前に人間関係を取りもつ役目もあるのだなぁ。満悦した父の表情を見ていて感じいった。これはワインにも焼酎にもウィスキーにもない感覚だ。熱燗を飲んでいるオヤジの口は臭いだの、なんとなくオッサンくささが漂うだの、いろんな偏見(←これ全部私が言ってたことですけどが)で見られがちな熱燗。いやいや、熱燗飲みながらじゃないと語れないことだってあるんです。熱燗をお酌することで、少しだけ気持を交わすことだってできるんです。熱燗の魅力を、父の笑顔が教えてくれた。
熱燗だけでなく、日本酒の魅力をもっと知りたい、楽しみたいという方は、「もっと地酒の会」にぜひご参加くださいませ。あらら、最後はPRになっちゃった。よろしくお願いいたします。


ワインボトルに妄想する月曜【一杯の幸せ】


ここのところ料理熱に浮かれている。食べることも飲むことも好きで、レストランで食事するのはもちろん大好きだけど、自分で料理をするのはもっと好きなので、時々ポッと料理のアイデアが浮かんだりすると、それを実験したくて仕方がなくなる。当然誰かに食べさせたい。それの犠牲になるのは我が愛すべき友人たちなのだけど、そんなわけで今年に入ってから2週連続、合計4回ほど我が家でごはん会という名の強制食べさせ会を催した。我が家のごはん会のルールは、「料理に合わせてワインを持参いただく」なので、合計4回のごはん会で集まったのは、人数が20名、飲んだワインの数は25本。さてさて、そのワインボトルたちはベランダに放置されたままだったため、瓶の回収日である今週の月曜日にマンションのゴミ集積場へと運んだ。2週溜めちゃった私が悪いのだけど、それにしても25本ですよ。オンナの細腕(一応表現上ね)じゃ運べませんて。なので、台車に段ボール箱を置き、その中にワインボトル25本と日本酒ボトル1本、ビール瓶3本を積み上げ、カチャカチャと音をさせながら一階まで降りていった。まるで酒屋のおばちゃんみたいにね。


今のマンションが出来たのは99年だったから、ここに住むようになっておよそ13年近く。実は毎週月曜日の朝にゴミの集積場で私が一点集中するスペースがある。そう、きれいに仕分けられている、瓶・缶・ペットボトルのうちの「瓶の箱」だ。この箱の中に、毎週、私をドキドキさせるワインの空瓶が必ず入っているのである。もちろん中身は入っていないが、そのワインの趣味がおそろしく私と似通っているため、ついつい凝視してしまうのだ。好みがきれいに統一されているから、おそらくこれらのワインの飲み手は一人(もしくは一家庭)に違いない。いつからか、私は空瓶の彼(勝手に男性と思っている)に恋するようになった。空瓶の彼は、今週末に何をお飲みになったのだろうか。そんな妄想をしながらゴミ集積場に生ゴミや瓶を運ぶのって、楽しいですよぉ。


空瓶の彼が飲んだワインが気になる一方で、我が家でとびきり美味しいワインを抜いた時は、ちょっと誇らしげな気持でその空瓶を集積場に運ぶ。もしかしたら空瓶の彼は、私が飲んだ空瓶を見て「ふうむ、まだ見ぬ彼女はこれを飲んだのか」なぁんて妄想を膨らませてくれないかなと。


9日に催したのは、今年初の「丹波しし鍋会」。今まで何度かしし鍋会についてはこのコラムに書いているが、長時間加熱することでバターの芳香をまとうしし肉に、熟成したシャルドネが実によく合うので、その日のメンバーにもその味の特徴をお伝えしてワインを持参いただいた。一番上の写真はその日のメンバー持ち込みワインたち。右から2本目はのりりんご持参で、なんと玉村豊男さんのシャルドネ♥そして↑こっちの写真はグラッパ王子がご持参くださったもの。左はジャックセロス。熟成したシャルドネと言ったら、こうキタ。さすが王子。しし鍋とピッタリで新しい発見でした。そして右は黒龍による2012年龍年特別ラベル。空瓶の彼はきっとどのボトルを見ても「ふうむ」と感心してくれるはずだけど、私的に玉村豊男さんボトルと黒龍ボトルは手元に残しておきたかったので、セロスちゃんは残念ながら空瓶箱行きとなった。我がマンションのゴミ集積場で高く積み上げられたボトル箱の一番上に、ラベルが見えるようにジャックセロスの瓶をそっと置いた。空瓶の彼がそれを目に留めてくれることを期待して・・・。


女子会と男子会!【一杯の幸せ】


女子会ってホントにあちこちで聞きますね。女性同士が集まってぺちゃくちゃおしゃべりすると止まらないという習性は、なにも今にはじまったことではなく、古今東西の昔からあることなんだけど。なんとなく女子会って言われちゃうと、踏み入れてはいけない領域のように男性は感じるんだろうか。一方で「女子会に参加してみたい!」という男性もちらほらいることは確かで「今度女子会やる時にオレ呼んでよ」と頼んでくる殿方もいらっしゃるのである。先日、我が家でご飯会をやった時に、松岡ひとみさん・林美保子さん・澤田晴美さんという女性3人に、男性一人だけコピーライター森健氏が加わったことがあった。モリケン氏は「女子会に参加しちゃった」と喜んでいらっしゃり(少なくとも喜んでいるように見えた)、我々女子の勝手気ままで話題がびゅんびゅん飛びまくるトークにちゃんとついてきてくださり、「モリケンさんって男性一人でも気をつかわせない人ね〜」と超人気ぶりだったのである。そう、女子トークの特徴は、話題がころころ変わること→人の話を聞くことは聞くが自分がしゃべることに一生懸命でもあること→ちょっぴり悪口が好き→どこかで必ず恋バナが登場すること。なのである。


こちらは先週金曜日、我が家のご飯会メンバー。左から構成作家で住宅ライターの福岡由美さん、FM愛知フレッシュアップアイの川本えこさん、料亭か茂免の船橋さん、某局の中橋かおりん、同じく某局の林さん。ん〜コレ、ご飯が炊きあがった頃だからみんな結構酔っぱらってる時間帯ですね。皆様こんな写真アップで失礼します〜。私を含めて女性4人は時々女子トークを楽しむ仲間であることをご存知だからか、料亭か茂免の船橋さんは「今日は女子会に参加できて嬉しいな〜」とおっしゃるではないか。私としては男性が二人もいるし、女子会のつもりはなかったのだけど、男性の船橋さんにしてみれば、女性宅で女性に囲まれて食事するなんて〜もろ女子会や〜ん!と思われたのだろう。船橋さんの予想通りに、まぁ女性陣がしゃべるわ飲むわ食べるわ(まぁ私以外の3人は皆さんプロのしゃべり手ですから当たり前なんですけど)で、大いに盛り上がった夜だった。


こっちの写真は先週土曜にお邪魔した「男子会」の時のもの。名古屋の伝説でもあるアンコウ鍋のお店にお邪魔した時に、私がご一緒した卓の方々である。目の前にイケメン4人がずらりとお並びになった風景は、伝説のアンコウ鍋以上に私をドキドキさせてくれた。


こちらはイケメン男子会の主宰である吉田つねひこ先生。眼科ドクターであり研究者であり、衆議院議員をお務めになっている。お忙しいお仕事のため、この日は途中退場されて東京に向かわれ、ゆっくりお話できなかったのがひたすら残念。


男性4人に私が一人という状況は、仕事でもよくあることなので私はまったく気にならなかったのだけど、ご一緒してくださった4人の紳士が、それはそれは気を遣ってくださり、あれやこれやと話題をふって面倒をみてくださった。女性の中に男性が一人だったらこうはいかない。男性の存在など忘れたかのように女性同士で盛り上がるか、あるいは男性を血祭りにあげる勢いで迫力ある女子トークを炸裂させるだろう。女性というのはかくも勝手な生き物で、男性というのは哀しいほどに優しい生き物なんですねぇ。男性の皆様、これからは女子会に負けず、男子会を催してくださいませ。そして時々、オヤジ化したという理由で、私もマゼマゼしてくださいませ。


お酒と食事〜色の方程式【一杯の幸せ】


去る7月7日、雨空の七夕の夜、第4回「もっと!地酒の会」が開催された。今回の蔵元さんは、福井県福井市の「越の磯」さん。私ははじめていただく日本酒だった。そして今回初の試みが、なんと日本酒の会のはずなのに、ビールが最初に供されるということだった。確かに〜蒸し暑い名古屋の夏で、最初はきりっと冷えたビールが飲みたいというのは人情ですよね〜。越の磯さんは、香港の日本酒ビール部門で金賞に輝いたという地ビールを作っていらっしゃるということで、今回3種類の地ビールをご提供くださったのだ。天の邪鬼な私は、ビール好きじゃないし、地ビールで美味しいのに出逢ったことないし・・・と実はマイナスな発想でこの会に参加していた。ところが、である。越の磯さんの地ビールは、日本酒で培ったお酒づくりのノウハウが生かされているからか、ビックリするほど美味しかった。ホントは「なぜ日本酒の蔵元がビールを作るようになったのか?」という質問を杜氏である磯見さんにしたはずだったが、その後の気持ちの良い酔いで、すっかり忘れてしまった。ご興味がある方は「越の磯」さんまで遊びに行っちゃってみてください(無責任なおしつけでスミマセン!)。


これが3種類の地ビール。
左から越前福井浪漫麦酒のピルスナー、
真ん中がアンバーエール、右がダークエール。
瓶首の帯色に注目ください。
ピルスナーが緑、アンバーエールが赤、ダークエールが黒である。


そしてこれが、地ビールで合わせたお料理たち。今回も「和蕎楽」の美味しい八寸は彩り豊かで季節感たっぷりだ。この八寸の前の先付けとして、蕎麦豆腐の完熟トマトソースが出された。


食の実験が大好きな私は、早速この地ビールの色と、食材の色合わせを試してみた。地ビール3種類は瓶首の帯の色のまま、ピルスナーは緑っぽさのある黄色、アンバーエールはロゼ色、ダークエールは茶色である。そこでピルスナーには卵焼きと枝豆を。アンバーエールのロゼ色には同じく赤系のトマトソースを。ダークエールには地鶏の胡椒焼と金時草おひたしを。まぁこれが見事に合うのである。特に驚いたのはアンバーエールのロゼ色と先付けのトマトソースの相性だった。トマトの酸味がアクセントになってビールがすすんじゃう〜。色が似ている物同士を合わせると良い、というワインと食事の色の方程式がそのまま役立ったのだ。それとこれらが美味しかった理由その2について。和食には日本酒の蔵元さんが作る地ビールがよく合う、という理由を蔵元さんのお話から見つけ出したはずだったんだけどな〜。う〜ん、忘れちゃった。越の磯さん、また名古屋にいらっしゃったら教えてくださいまし。


地ビールでさんざん盛り上がった後、日本酒が4種類提供された。地ビールが美味しいということは、日本酒の作りも秀逸ということなんだろうか。これまた日本酒の方も極めて美酒であったのだ。一番上の写真は原酒のイメージとは違っていて、とても飲みやすく人気があったもの。


こちらは最後に供された10年熟成の古酒。
人間もお酒も工芸品も「より古い」方が好きな私は、
これが一番お気に入りになりました。
シェリーのような香りとコクが忘れられない。
紹興酒みたいとおっしゃっていたご仁もいましたね。


もっと!地酒の会も今回で4回目。日本酒の初心者だった私たちも、何度か回を重ねて日本酒をたしなむようになると、日本酒ってやっぱり和食にはピッタリね、という感覚や、日本酒の味わい方みたいなものがなんとな〜くわかってきたような気がする。今回の越の磯さんの丁寧に作られた日本酒は、お酒を味わう舌がちょっぴりオトナになった私たちに、日本酒の面白さを改めて教えてくださった。次回からは酔っぱらっても質問した内容くらいは記憶を留めているよう、気をつけなくっちゃ。ちなみに越の磯さんは来年2月、名古屋の百貨店にて特別販売されるご予定がある。その機会は逃さず、お出掛けくださいまし。


もっと!地酒の会【一杯の幸せ】


「逸品もっとよくなるプロジェクト」のメンバーではじめた「もっと!地酒の会」の定例会第3回が去る5月19日におこなわれたというのに、なんと第4会の定例会が明後日7月7日に迫っているではありませんか!関係者の皆様、申し訳ございません。議事録代わりのコラムアップがすっかり遅れてしまいました。そんなわけで、第3回の報告をしつつも、第4回のお知らせまでしちゃうという一挙両得のコラムとさせていただきまする。↑上の写真は第3回の時のもの。この時のゲスト酒蔵は、愛知県江南市の「勲碧酒造」さん。そうです、4月に酒蔵開放にお邪魔し、さんざん呑んで酔っぱらってしまったあの酒蔵さんでございます。この地酒の会は、日本酒の知識をつけようとか蘊蓄を語ろうとか、そういう難しいお勉強の会ではない。どちらかというと初心者向けに、日本酒って美味しいんだ!お料理と一緒にいただくと楽しみが広がるんだ!ということをお互いにわかちあう会なのである。なんせ主催者である私たちが日本酒の初心者なのだから、蘊蓄など語れるはずがないのですけれどね。そこで毎回、最初に酒蔵メーカーさんの方に、その酒蔵について、歴史や文化的背景や、商品の特徴などをお話いただくことにしている。上の写真はその時のもの。ワタクシ、思い切り鏡に映りこんでますね。地酒の会には時間が許す限りはお着物でお出掛けしております。この日は、祖母から譲り受けた結城紬の単衣でした。


この会から、ほんの少し、バージョンアップして。
当日のお料理の内容に合わせて、
日本酒を飲む順番を酒蔵さんに選んでいただいた。
お品書きと共に皆さんのお手元に配られる。


これがいただいたお酒たち。
全体の印象としては、毎日お母さんが作ってくれる晩ご飯に
お父さんが何も考えずに晩酌するのにピッタリなお酒、という感じ。おばんざい系によく合うんじゃないかな。


左は「逸品もっとよくなるプロジェクト」の主宰であり、
「もっと!地酒の会」の主宰でもある、
我らが岡田新吾氏。
右が勲碧酒造の村瀬専務でございます。


さて、そして明後日7月7日は第4回が開催される。今回は福井県の「越の磯」さん。まだ若干名のお席はなんとかなりそうですので、もし参加ご希望の方がいらっしゃったら、「もっと!地酒の会」の申込フォームよりメールをお送りくださいまし。私にご連絡くださってもOKです。
今回は偶然にも七夕の開催。彦星さまと織姫さまが一年に一度出逢えるかどうかはお天気次第なのであるが、美味しい日本酒と夏限定の地ビールのラインナップ、そして「和蕎楽」の美味しいお料理とは確実に出逢うことができる。しかも季節感たっぷりで、なんと鮎の塩焼きも出るというじゃありませんか。小さい頃から長良川の鮎を食べて育っているので、鮎には目のない私。もう今から楽しみなんでございます。蛇足な話なのだけど、実は先週末は立て続けに実家でゲストをお迎えし、岐阜市内で昼→夜→昼と外食が続いた。今の岐阜では季節柄どのお店でも鮎が出される。見事に3軒とも鮎の塩焼きが出たので(もっともそのうちの2軒は鮎専門店だったのだけど)、たった2日で合計12匹もの鮎をいただいてすっかり鮎腹になってしまった。ところが明後日も鮎が出ると聞いてもまったく違和感なく楽しみにできるのは、本当に鮎が好きなんですね、私。さぁて、明後日は、どんなお酒と鮎を組み合わせていただけるのか、想像をめいっぱいふくらませて、地酒の会にのぞもうと思っている。


世界に誇る国士無双とは!?【一杯の幸せ】


クリエイター仲間で始めた「もっと!地酒の会」の第2回定例会が木曜の夜に開催された。もっと!地酒の会のメンバーの中で唯一の女性が私ということで(てへっ)、万年会計部長を命じられ、参加者の顔を見るとすぐに「会費をお願いします」と請求しているので、これじゃあN○Kとかの集金係だなぁと思いつつも無事任務を終えたら、呑む体制をしっかり準備。なんてったって今回は北海道・旭川から国士無双の蔵元さんがいらっしゃっているのだ。お話を聞きながら日本酒が楽しめるなんて興味津々モードですよね。以前のコラムでも書いたけど、国士無双というお酒は日本酒好きな方ならよく知っているお酒らしい。その言葉の意味は、二人としていない英雄のことで、麻雀だと役満の名前(っていう表現で正しいのか???)にもなってますよね。いかにも強そうなネーミングの通り、確かにどれも力強くて、頼りがいのあるお酒だった。


今回、蔵元さんがご用意くださったのは6種類の日本酒。中にはネット販売も通信販売もされていない地域限定販売商品もあったりして、これまたそういうレアものがダントツで評判が良かった。レアものは美味しいという「品薄感」によるブランディングは一つのPR方程式とも言えるが、この蔵元さんの商品づくりと販売戦略はぴったりとその方程式に当てはまっていた。男らしくすっきりした味わいのレアもの(あえて商品名は書きませぬので、ご興味がおありの方は旭川までひとっ飛びしちゃってください)は、男性だけでなく女性陣にも人気が高く、最後のプレゼントタイムでも一番人気を誇っていた。


日本酒に関して知識も経験もない私がいただいていて一番安心感のあったのは、「国士無双の純米酒」。昨今流行のただ辛いだけの日本酒とも、女性好みに迎合したフルーティー吟醸系でもなく、「昭和のオトーサン」が一人飲むのに似合いそうな、そんな素朴な味わいのあるお酒だった。一口が美味しい!と感じるお酒、お料理と合わせて美味しいお酒、ず〜っと呑み続けられそうなお酒と、美味しいお酒にもいろいろ種類があるけれど、私が安心だったのは呑み続けられそうなオトーサンのお酒だったわけで、正真正銘のオヤジを再認識。このお酒は旦那と呑んで、こっちは愛人で、これは・・・と下らない妄想で盛り上がっていたオヤジなクリエイターばっかりでしたけど、高砂酒造の廣野さん、よくお相手してくださり、ありがとうございました〜。


開催日は桃の節句だったので、会場である和蕎楽さんには事前に「春らしくお雛様を感じる彩りと料理を」と図々しいオーダーをしてしまいました。大将はそれにしっかり応えてくれて、こんなきれいな八寸が登場。女性陣からは歓声があがっておりました。


そうそう、万年会計部長をさせていただき、今回とても嬉しい発見があった。会費を徴収する時、参加された女性の中で数人の方が、会費をぽち袋に入れて事前にご用意し手渡ししてくださったことだった。もちろんお釣りが不要なキッチリ会費で。お食事前にお金に触るという行為や、人前で現金を裸で手渡しするということがなんとなく気になるお年頃になった私にとり、そのスマートなぽち袋マナーに感心したのである。オトナの女性の気配りって本当に素敵ですよね〜。中には真っ赤な「大入り袋」に入れて笑いながら渡してくださった方もいた。こういうセンス、見習わなければ。私も一応はお財布の中に数種類のぽち袋を用意して、いつでもお渡しできるようにしてあるんだけど、今度から笑いがとれる絵柄物も加えようと思う。国士無双という名前に負けない「世界に誇る日本の美しいマナー」に出逢った夜だった。
北海道の高砂酒造さんは、3月8日火曜日まで、名古屋の松坂屋本店「北海道展」に出店されています。皆様是非お運びくださいまし。


もっと地酒の会〜第2回定例会【一杯の幸せ】

昨年クリエイター仲間ではじめた「もっと!地酒の会」。日本文化の源でもある日本酒をもっと知りたい。日本酒離れをくいとめたい。オヤジが飲むお酒は日本酒がやっぱり似合うじゃないか。そんな思いをそれぞれ語り合ううちに自然発生的に発足した会だった。その第2回定例会が、来月、おひな祭りの夜に開催される。

今回の蔵元は、北海道の高砂酒造さん。
高砂酒造さんは、前身である小檜山酒造店時代から一世紀の長きにわたり、旭川で地酒を生産し続けていらっしゃる。淡麗辛口の「国士無双」と言えば、日本酒好きな方はピン!とくるのだそうだ(お恥ずかしながら私は無知でございました)。国士無双、なんて名前からしていかにもオヤジっぽくていいじゃないですか。オヤジが何もしゃべらず、黙って飲むのに似合いそう。かく言う私も、実はピチピチの若いお嬢さんだった頃、日本酒を飲んで息が臭くなるオヤジが大嫌いだった。それは日本酒が嫌いだったわけではなく、日本酒を飲んで愚痴っぽくなったり説教くさくなるオヤジが嫌いだったんだと思う。だから、やっぱりワインよね〜などとしゃらくさいことを言っていたわけだ。だけど、今となっては、日本酒を飲んで愚痴りたくなる気持ちも、説教したくなる気持ちもよぉくわかるお年頃になってきた。それに、日本料理にはなんといっても日本酒が一番よく合うということも、数多くの体験から(失敗も含む)学んだのである。日本酒は、人生をちょっとわかってきた頃に飲むと似合うのかもしれませんね〜。飲む方も熟成が必要なのかもしれない。というわけで、こんな話もしつつ、盃を傾けようではありませんか。今回から地酒の会専用のおちょこやグラスも用意しているので、乞うご期待!

日時/3月3日(木) 午後7時30分〜9時30分頃
場所/手打ちそば・小料理「和蕎楽」(わそら)
※詳細・申込はホームページよりご覧ください。(あるいは私に御申し込みいただいてもOKです)