伝統工芸の職人たち

KOUGEI EXPO IN AICHI 工芸茶会【伝統工芸の職人たち】

KOUGEI EXPO IN AICHI(第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会)が、11月27日から29日まで、愛知県常滑市の愛知県国際会議場(Sky Expo)にて開催された。わたしはプランナーとして、約1年前から工芸にまつわるプランニングに携わらせていただいた。わたしの名刺にはコピーライターとプランナーの2つの肩書が入っているが、その2つが一緒になる仕事は少ない。KOUGEI EXPO IN AICHIにはプランナーとして入っていたので当初はコピーを書く予定はなかったものの、企画会議では「そういえばコピーライターだったよね」という感じで、はずみでキャッチコピーを書いたので、珍しくも2つの肩書が同時並行することとなった。このポスターの「百年の恋、千年の愛」というテーマが、わたし作。良い工芸品は親子孫の3代に渡って使われ、やがて朽ちることがあってもそれはいずれ自然に戻る。その自然の中からまた次の工芸品が作られてゆく、という時間軸を意味するもの。そして、使い手が工芸品に恋をする百年、作り手が工芸品に愛を注いできた千年に想いを馳せる、という概念を表現しているのだけど、ポスターや映像だけでなく、会場のあちこちでこのテーマを目にすると、知らぬ間にわたし自身が工芸品に魅了された人生を送ってきたのだなぁと自らをふりかえることになった。


そしてプランニングの中でもっとも時間と手間をかけて心をこめて準備してきたのが「工芸見立て茶会」だ。経済産業省から認定を受けた愛知県内15の伝統的工芸品の産地をめぐり、工芸士の方々から作品を見せていただき、話し合い、茶の湯の道具として”見立てる”というチャレンジをして、2つの茶席の道具組を完成させ、3日間に渡って茶会を開催したのである。監修は紅雲庵の稲垣紹紅先生にお願いした。産地を訪ねる旅が始まったのは、6月くらいだったか。職人さんの工房でお話を聞きながら、その工芸品のもっとも特徴的なポイントはなにか、茶の湯に使うとしたらどんなものがあるのか。そして小さなものへの眼差しを持ち続けて、工芸品と茶の湯を結び付けてくださった。愛知県の15の伝統的工芸品のうちの3つが三河仏壇・名古屋仏壇・尾張仏具の仏壇系、そして別の3つが常滑焼・赤津焼・瀬戸染付の陶器系、さらに3つは名古屋友禅・有松鳴海絞・名古屋黒紋付の生地系と、極端に偏った工芸品グループだったため、いずれをも平均的に道具に取り入れるというのは本当に難しい課題だったのだ。しかしそこは”百年の恋 千年の愛”のテーマのごとく、稲垣先生が愛情をこめて道具組をつくりあげてくださったおかげで、2つの茶席は素晴らしい仕上がりとなった。稲垣先生、長い期間に渡り、ありがとうございました。参加された方からは「本当に面白かった」「お茶を楽しいと思ったのははじめて!」「よくぞここまで見立ての茶会を仕立てられましたね!」などと声をかけていただいた。愛知県の工芸の魅力を茶の湯という形で多くの方にお伝えすることができたと思う。
無事に茶会もそしてKOUGEI EXPOも終了し、片付けが終わって搬出を待っている間、この2つの茶室は、あっという間にあっけなく解体されていき、気がつけば茶室はどこにもなかった。さびしいなぁという思いと同時に、なぜだか頭の中はドリフの「8時だよ!全員集合」でセットが撤収される時に曲がリフレイン!
https://www.youtube.com/watch?v=2ur1bx12NTk

そうか!わたしはKOUGEI EXPOを通じて、茶の湯キャラバン・工芸キャラバンをしていたのか!と気がついた。また次なる企画で、お茶と工芸を楽しむお席をつくっていけばいいのだ、と自分に言い聞かし、常滑の海風にさらされながら会場を後にしたのだった。

以下、工芸見立て茶会とKOUGEI EXPOの様子を写真で紹介させていただく。


立礼席の床。

掛け軸箪笥のコーナー

立礼席の点前座をお客様側から見た図

立礼席の点前座を内側から見た図

プレゼンテーションの茶席は、表千家の松風楼を写したもの

点前座

茶会では稲垣先生から見立ての説明トークをしていただいた

初日に水屋の皆様の記念撮影。稲垣先生は、どこも絞っていない有松の竹田嘉兵衛商店のお着物に絞りがポイントになった帯で。

最終日の稲垣先生のお着物姿。2日目は痛恨の撮り忘れ。

1日目のお点前は松尾流の三宅宗完先生。別名・沈黙の貴公子。

2日目のお点前は表千家・志津直行さん。普段はメスを持っておられますが、この日は茶杓を。

3日目は表千家・高橋雅俊さん。袴がよくお似合いでご立派なお点前姿でした。

松風楼写のお席の会記

立礼席の会記

掛軸箪笥コーナー

エントランスすぐの工芸品を現代生活にとけこませた展示

エントランス近くの工芸プレゼンテーションコーナー


KOUGEI EXPO IN AICHI 工芸茶会

KOUGEI EXPO IN AICHI(第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会)が、11月27日から29日まで、愛知県常滑市の愛知県国際会議場(Sky Expo)にて開催された。わたしはプランナーとして、約1年前から工芸にまつわるプランニングに携わらせていただいた。わたしの名刺にはコピーライターとプランナーの2つの肩書が入っているが、その2つが一緒になる仕事は少ない。KOUGEI EXPO IN AICHIにはプランナーとして入っていたので当初はコピーを書く予定はなかったものの、企画会議では「そういえばコピーライターだったよね」という感じで、はずみでキャッチコピーを書いたので、珍しくも2つの肩書が同時並行することとなった。このポスターの「百年の恋、千年の愛」というテーマが、わたし作。良い工芸品は親子孫の3代に渡って使われ、やがて朽ちることがあってもそれはいずれ自然に戻る。その自然の中からまた次の工芸品が作られてゆく、という時間軸を意味するもの。そして、使い手が工芸品に恋をする百年、作り手が工芸品に愛を注いできた千年に想いを馳せる、という概念を表現しているのだけど、ポスターや映像だけでなく、会場のあちこちでこのテーマを目にすると、知らぬ間にわたし自身が工芸品に魅了された人生を送ってきたのだなぁと自らをふりかえることになった。


そしてプランニングの中でもっとも時間と手間をかけて心をこめて準備してきたのが「工芸見立て茶会」だ。経済産業省から認定を受けた愛知県内15の伝統的工芸品の産地をめぐり、工芸士の方々から作品を見せていただき、話し合い、茶の湯の道具として”見立てる”というチャレンジをして、2つの茶席の道具組を完成させ、3日間に渡って茶会を開催したのである。監修は紅雲庵の稲垣紹紅先生にお願いした。産地を訪ねる旅が始まったのは、6月くらいだったか。職人さんの工房でお話を聞きながら、その工芸品のもっとも特徴的なポイントはなにか、茶の湯に使うとしたらどんなものがあるのか。そして小さなものへの眼差しを持ち続けて、工芸品と茶の湯を結び付けてくださった。愛知県の15の伝統的工芸品のうちの3つが三河仏壇・名古屋仏壇・尾張仏具の仏壇系、そして別の3つが常滑焼・赤津焼・瀬戸染付の陶器系、さらに3つは名古屋友禅・有松鳴海絞・名古屋黒紋付の生地系と、極端に偏った工芸品グループだったため、いずれをも平均的に道具に取り入れるというのは本当に難しい課題だったのだ。しかしそこは”百年の恋 千年の愛”のテーマのごとく、稲垣先生が愛情をこめて道具組をつくりあげてくださったおかげで、2つの茶席は素晴らしい仕上がりとなった。稲垣先生、長い期間に渡り、ありがとうございました。参加された方からは「本当に面白かった」「お茶を楽しいと思ったのははじめて!」「よくぞここまで見立ての茶会を仕立てられましたね!」などと声をかけていただいた。愛知県の工芸の魅力を茶の湯という形で多くの方にお伝えすることができたと思う。
無事に茶会もそしてKOUGEI EXPOも終了し、片付けが終わって搬出を待っている間、この2つの茶室は、あっという間にあっけなく解体されていき、気がつけば茶室はどこにもなかった。さびしいなぁという思いと同時に、なぜだか頭の中はドリフの「8時だよ!全員集合」でセットが撤収される時に曲がリフレイン!
https://www.youtube.com/watch?v=2ur1bx12NTk

そうか!わたしはKOUGEI EXPOを通じて、茶の湯キャラバン・工芸キャラバンをしていたのか!と気がついた。また次なる企画で、お茶と工芸を楽しむお席をつくっていけばいいのだ、と自分に言い聞かし、常滑の海風にさらされながら会場を後にしたのだった。

以下、工芸見立て茶会とKOUGEI EXPOの様子を写真で紹介させていただく。


立礼席の床。

掛け軸箪笥のコーナー

立礼席の点前座をお客様側から見た図

立礼席の点前座を内側から見た図

プレゼンテーションの茶席は、表千家の松風楼を写したもの

点前座

茶会では稲垣先生から見立ての説明トークをしていただいた

初日に水屋の皆様の記念撮影。稲垣先生は、どこも絞っていない有松の竹田嘉兵衛商店のお着物に絞りがポイントになった帯で。

最終日の稲垣先生のお着物姿。2日目は痛恨の撮り忘れ。

1日目のお点前は松尾流の三宅宗完先生。別名・沈黙の貴公子。

2日目のお点前は表千家・志津直行さん。普段はメスを持っておられますが、この日は茶杓を。

3日目は表千家・高橋雅俊さん。袴がよくお似合いでご立派なお点前姿でした。

松風楼写のお席の会記

立礼席の会記

掛軸箪笥コーナー

エントランスすぐの工芸品を現代生活にとけこませた展示

エントランス近くの工芸プレゼンテーションコーナー