徒然なるお仕事

伊藤まさこさんが伊賀焼を訪ねる【徒然なるお仕事】


センスの良い暮らしぶりが、女性誌などで絶大人気のスタイリスト・伊藤まさこさん。長野県松本市在住の伊藤さんが、中部地区のものづくりを訪ねる旅を、ある企業の広報誌にて取材させていただくようになって一年になる。その第4回目の旅は、三重県伊賀市。日本六古窯のひとつに数えられている伊賀焼の里である。料理や生活まわりのスタイリストとして多くの実績を持つ伊藤さんにとって、伊賀市は遠くて近い場所なのだそう。距離的には遠いが、知り合いの作家さんやギャラリーがあるので感覚的には近い存在。今回は、伊藤さんが「こんなのあったら素敵だな!」という土鍋を、ある作家さんに特別オーダーするところから旅が始まる。パエリアも炊きたいし、鯛飯も炊きたいから平たくて大きい土鍋がいい、とか。ごはんを少量炊いても美味しく仕上がる土鍋が欲しい、とか。炒め物もできる土鍋がいいな、とか。伊藤さんの暮らしの中から生まれた素朴な欲求に、陶芸作家がどう応えるか。取材しながら、内心どきどきハラハラと期待心がないまぜになって、土鍋が焼き上がるまでは私も緊張がとけなかった。
いろんな人のドキドキをはらんで出来上がる伊賀焼ストーリーの他、伊賀市丸柱にあるとっても素敵なギャラリーを訪ねたり、同じ伊賀市でも青山高原の方にある酒蔵にお邪魔してお酒をいっぱい買い込んだり。伊藤さんが楽しんで旅をする様子が、ここのwebでご覧いただけるので、ぜひクリックしてご訪問くださいませ(宣伝です)。
いつもは日帰り旅だったのだけど、この時は、連載がスタートしてはじめて宿泊を含んでいたので、スタッフや伊藤さんと共にお酒や地元の食事を楽しみ、温泉に入るという"女子旅"を満喫した取材でもあった。なんと、この取材クルーはクライアントを含め、オール女子なのだ。こういう現場はさすがに珍しい。何度か仕事をしたことのある女性同士だと、無言でお互いに分かり合えるところがあり、余計な気づかいがいらない。この時も、それぞれが勝手にほどよく行動し、仕事時間にはきちんと集合して、淡々とスケジュールをこなしていた。女子同士の仕事っていいもんですよ。
そして、上の写真は、この取材旅行から帰ってきた時の私の手荷物。白いバッグはスケッチブックやら鏡やストールなどのロケグッズ。茶色のバッグはMacと取材資料がたんまりと。赤いバッグはお泊まりセット。そして周りの数々は、日本酒の一升瓶やら酒粕やらお菓子やら、お豆腐のおからやら。全部でおおよそ10キロくらいはあったんじゃないかしらん。家路につく時の重たかったことと言ったら!お買い物に夢中になるのが女子旅ですからね。ホント、愉しい取材でございました。