えとせとら

こんなにカレーが好きで委員会vol.1【えとせとら】


カレーにダイブして泳いでみたいと思うほどカレーが好きで、いろんなお店のカレーやまかないカレーが一度に食べ比べできたらどんなに幸せか、と考えていたところで思いついたこの企画。一皿に4店舗のカレーがのっかったワンプレートカレーランチ会を開催いたします。カレー好きの友たちよ、華麗なるカレー友になろうではありませんか。
というお誘い文句でFacebook上で広報したら、世の中カレー好きって本当に多いんですねぇ。この日は全国的に運動会と結婚式日和で、予定ありで行けないけど次回があったらぜひ誘って!という残念メッセージがどれだけ届いたことか。とにかく疲れたし、運動会日和だったので集客も苦労したし、これは遊びなので私の利益はまったくないし、手間ばっかりかかって本当に大変だったけど。とにかく楽しい一日になりました。アイデアから実践まで全部やるのは大変だけど面白かったです。お越しくださった方々、本当にありがとうございました。


というわけで、一日店主となったわたくしは、
インドサリー風の格好とヘアメイクでお出迎え。
全部自前です笑


4店舗のシェフとサービスやごはん盛りを手伝ってくれたスタッフ君たち。どうしてもX型にごはんを盛りたいの!という私の唐突な相談にアイデアをくださったあゆみちゃん。そして型を探してくださった東急ハンズの売り場の方。どうもありがとうございました。


今日のランチは【えとせとら】

病院の食堂が満席で、知らないおじいちゃまと相席に。
おじいちゃまの前にタマゴサンドがやってくると、
卵料理じゃない!ご飯がない!と怒り出す。
店員さんは、だっておじいちゃんタマゴサンドを指さしたよ!と困った顔。
わしはご飯が食べたかったんや、卵料理がいいんや!
と言って泣き出してしまった。
ちょうどその時、わたしがオーダーしたオムライスがテーブルに。
おじいちゃまの視線がつきささる。確かに卵料理のご飯だよねえ、、、。
というわけで、
今日のわたしのランチは、急遽タマゴサンドに変更になりました。
めでたしめでたし。


BCBGから洒落者へ【えとせとら】


人生は旅であり、旅とは人生である、とは中田英寿さんの引退時の名文句だったけど、本当にその通りであると思う。ただし私の場合は、人生というほど大げさなことではなく「生活」と言った方が正しいかもしれない。出張、取材、撮影、個人的な旅を含めて、とにかく移動が多い生活だから、一週間に最低でも一度はキャリーバッグをごろごろ引きずってあちこちに移動の旅をしているからだ。だから我が家には大きさの違うキャリーバッグが5つある。その中でももっとも小さなキャリーバッグは、2000年に購入したものなので、なんともう15年も使い続けていることになる。思い出せば、沖縄ロケから帰ってきた日のうちに、その足で金沢へ行かなければならない強行軍だったため、飛行機に持ち込めるサイズの小さなバッグを探したのだった。そして、その15年選手を、今回、とうとう買い替えることにした。


ところで、私が服や物を選ぶ時の基本色というのがある。コピーライターは常に裏方の仕事なので、仕事の場面で目立った色やデザインの洋服を着るわけにはいかない。だから生意気なようだけど、いつもBCBGを心掛けている。BCBGとは、ボンシック・ボンジャンルのフランス語の略で、良い趣味で良い階級という意味。フランスの上流階級の子息たちは小さい時からBCBGを意識させられ、基本の5色の中から服を選ばれ、オシャレ術を身につけていく。ベーシックな色だけで構成することで、品の良さと清潔感を表現しているのだ。基本の5色とは、黒、茶、紺、白、グレイ。だから裏方の私もBCBGのルールにのっとり、なるべくこの5色から物を選ぶようにしている。2000年に購入した小さなキャリーバッグはサムソナイトの茶色を選んだ。造りがしっかりしているので、15年使ってもどこも傷んでおらず、今でもしっかり現役だ。でもね、オンナノコですもの。本心をいえば、そろそろBCBGのベーシックラインとは違った綺麗な色のバッグを持ちたくなってきたというのが、今回のバッグ買い替えのいちばんの理由なのだ。


買い替えるなら、グローブ・トロッターと決めていた。イギリスでハンドメイドされるトラベルケースである。旅好きなら誰しも憧れる。ところが、悩んだのは色だ。ベーシックな紺、白、茶の他に、水色や紫がある。オレンジも鮮やかだ。いざ色を前にすると、どうしてもベーシックな色を習慣的に選びそうになってしまうのだ。それで某女史にもご意見を求めて、どうしたものかとさんざ悩んだ結果、選んだのが写真の色。綺麗なサックスブルー。


BCBGから卒業してはじめて選んだサックスブルーは、購入した翌々日に早速東京出張に用いた。今までと同じように、階段やエレベーターにぼこぼこと当てまくって、小さな小さなキズをつけてしまったに違いない。雨も降っていたから、綺麗なレザーがすっかり濡れてしまった。でもこれでいいんです。トラベルケースは、新品ピカピカよりも使い込んだ物の方がずっとずっと素敵でカッコいいものだから。


実はこの考え方は、ヨーロッパで父子相伝で育まれた感性でもある。グローブ・トロッターを使いこなしてきた先人たちも、時が経たトラベルケースを、親から子へと継いでいったに違いない。聞いた話によると、イギリスの貴族は、執事を選ぶ際の幾つかの条件の中に、主人と同じ体格を持つことが挙げられるという。なぜかというと、新品ピカピカのスーツやコートを貴族の主人が着ることはなによりも野暮とされており、いかにも長い時代を経て愛された服や物を大切に愛でて使うことこそ貴族の証とされていたから、服を新調した時はまず執事が何度か着ならして、ほどよく馴染んでから主人がはじめて袖を通したのだそうだ。現在NHKで放映されている「ダウントン・アビー」でも、グランサム伯爵と執事のカーソンの体型はほぼ同じ。そこまで計算して役者が選ばれていると私は勝手に思い込んでいる。また、日本でもその感性は昔からあって、新しく仕立てた着物は、まず雨ざらしにしたり(その場合は木綿着物だと思うけど)、外に干したりして、少し使いこんだ風合いをわざと作ったのだそうだ。オシャレの「洒落」の語源は、雨ざらし風さらしの「さらし」だとも言われているから、本来のオシャレさんとは、物を大切に愛でて使う人のことだったのかとも思う。


まぁそういうわけで、すっかり言い訳が長くなってしまったのだけど、私もそこそこいい年齢になったので、これからはBCBGだけじゃなく、ヨーロッパの淑女を見習って、ひとつのアイテムを長く愛する洒落者をも目指していきたいと思っている。どうぞ皆様ご指導くださいませ。


蓄音機に酔いしれる夜【えとせとら】


「蓄音機で聴く音がすごくいいんだよ。涙がでちゃうくらい。聴きにおいでよ」
そう誘ってくださったのは友人のSドクター夫妻。素敵な日曜日の夜は、友人宅の蓄音機を楽しむ会にお邪魔した。みんなで飲み物と食べる物を持参し、蓄音機でシャンソンやクラシックを聴きながら、飲んで食べてうっとりするという贅沢なひととき。実は蓄音機で音楽を聴いたのははじめてのことだった。なんとも言えない臨場感、そして空気の振動と体に伝わってくる響き。歌手や演奏者の緊張感と迫力が時代を超えてすぐ間近に迫ってくる。目を閉じれば、すぐそこで、エディット・ピアフやフレールが歌い、クライスラーがヴァイオリンを奏でているかのようである。


これはSドクターが作ってくれた、今宵の音楽メニュー。アミューズブーシュからはじまり、アントレ、スープ、魚、グラニテ、肉、付け合わせ、チーズ、デザートとフランス料理のコース仕立てになっているではありませんか!なんという心憎い演出!


料理はみんなで持ち寄り。いつもはSドクター自慢の手料理をいただくのだけど、蓄音機は一曲ずつ針を替えたり、ぜんまいを手回しする手間がかかるため、「我が家には執事がいないから僕がやらなきゃいけなくて料理作ってる暇ないから持ってきてね」


で、みんなが持ち寄ったらこんな豪華なバイキングテーブルが出来上がった。事前に持ち寄るものをエントリーしていたので、メニューが重なることなく、しかも一部レストランのプロフェッショナルもいたので、まぁ豪華で美味しくて優しい味ばかりになりました。


バイキングを何度も取りに行って美味しいと言いながら飲んで食べての繰り返し。いつもと違うのは、音楽を聴くことを目的にしているのでみんなが静か!だったことである笑。このカトラリーは、かつてコンコルドで使用されていたものだとか。さすがお道具好き!


さらに、この日のためにSドクターが用意くださったのは、ゲストの名前が冠されたワインたち!左から、NASU、HIDE、MARIKO、KUNIKO。これにはみんなで感激の嵐!こういうおもてなしって本当に最高ですよね。Sドクター、ありがとうございました!


Sドクター、ぜんまいの手回しを巻くの図。蓄音機は電気で動くのではなく、完全なる手回しなので、一曲ずつ回さなければならないのだ。でもこの手間が、音をより貴重なものに仕上げてくれる。「蓄音機はね、電気が介在しないから、不謹慎な話だけど停電の時でも聴けるんだよ」というSドクターの言葉を聞いて、ちょっとドキッとした。蓄音機もそうだが、音源の録音だって、たった一度で歌や演奏をばっちりキメていかなければいけない。今のような編集作業など存在しないから、失敗したらもう終わりだ。蓄音機で聴く音楽に圧倒感があるのは、蓄音機の音の特徴だけでなく、音源そのものに高い緊張感と集中力がこめられているからなのだ。
私の仕事で例えるなら、30年ほど前のコピーライターは、原稿用紙に文章を書いていた。今ならパソコンでコピペもできれば、カットもできるし、もちろん後から文章を組み替え直したり、漢字の使い方を変更することができるが、昔はひと文字ひと文字に思いを込めて、集中して完成させていたはずである。今と昔で文章に力がなくなっているのなら、ここに原因のひとつがあるのかもしれない。


この日の食後酒は、カザルストリオのピアノ三重奏7番「大公」。これは村上春樹が「海辺のカフカ」で"奇跡の演奏"と表現した、あの演奏ですね。かくいう私もハルキストとして笑、海辺のカフカ読了後にCDを買ったのだけど、今日聴いた蓄音機の音とは、似て非なるものだった。それほど心と体に響き渡る音だったのである。
今日の素敵な音がまだ体の一部として残っていて、これをどう昇華したらいいのかちょっと困っている。で、ちょっと考えたのだけれど、Sドクターに出張してもらって、レストランで、蓄音機を楽しむディナー会を催すというのはどうだろうか。音楽に併せて料理とワインをセレクトし、三位一体の陶然を味わうという趣向・・・。ご興味をお持ちの方は、ぜひご一報くださいまし。近々なんとかして実現させたいと思っておりまする。


山本益博さん農事功労賞オフィシエ受勲【えとせとら】


料理評論家の山本益博さんが、フランス共和国より農事功労賞オフィシエを受勲された。2001年に農事功労賞シュバリエをすでに受勲されており、今回はシュバリエからオフィシエへと昇格されたわけである。マスヒロさんといえば、日本ではじめて料理評論家という職業を確立し、料理人の創意と技術を正確に見極めてフランス料理を中心に広く普及されている方。日本でまだフランス料理がさほど知られていない時代から本場に出向いて、本物の味を分かりやすく軽やかな文章でわたしたちに教えてくださったのである。ひと皿に込められた料理人の情熱に真剣に向かい合い、卓を囲む仲間との会話を心から楽しむその姿に、料理界のみならず多くのファンがいる。日本の若手料理人とフランス料理への架け橋となるべく、様々な活動もされている。農事功労賞オフィシエ受勲は、マスヒロさんの活動実績を鑑みたら、当然というより、むしろ遅かったのではないかとさえ思える。


先日、ジョエル・ロブションのレストランで「益博さんの農事功労賞受勲を祝う会」が催された。発起人は林農林水産大臣、すきやばし次郎の小野二郎さん、ジョエル・ロブションさん。
マスヒロさんからお誘いいただいて、すぐさま「絶対に伺います!」とお返事し、私もその会に参加する栄に浴した。この会では、在日フランス大使館からの叙任式を兼ねており、上の写真は在日フランス大使から叙任されている瞬間である。


マスヒロさんをお祝いしたいと駆けつけたおよそ100人の参加者は、ワイン評論で有名な弁護士の先生、作家、音楽家、ファッションデザイナー、アナウンサー、そして食にまつわる様々な職業の方などいわゆる文化人ばかり。マスヒロさんをはじめ参加者の方々の大人なふるまいに、会は落ち着いた空気感のまま進行していく。


メインディッシュのお肉が終わったころだった。司会の有働アナウンサーからの「マスヒロさんが世界でもっとも大切にしている人からのサプライズがあります」という紹介と共に、会場にスクリーンがあらわれた。


マスヒロさんのお嬢さんのピアノ演奏の様子だった。マスヒロさんのお嬢さんはピアニストを目指し、現在ハンガリーの音楽大学に留学中で、この時は夏休みで帰国されていたのだった。演奏の映像は、ニューヨークでの演奏会とのこと。有働アナウンサーから「音楽の世界の美しさも厳しさも知っているマスヒロさんがお嬢さんを音楽の道に歩ませていらっしゃいますが、どんなことをお嬢さんにお話になっているんですか?」と質問されると、マスヒロさんは「なるべく体を動かさず、感情を顔に出さずに演奏しなさい。体を動かしたり感情を露にするとそれだけ演奏に集中できなくなるから、と言っています」とお答えに。いやいや、娘を心配する親からの助言というよりもそれってプロのアドバイスですよね。そう思っていたら、すかさず有働アナウンサーも「えーと、そういう文化的なことではなく、親から子への言葉ってもう少し違うのでは・・・」と愉快な言葉を添えて会場にも優しい笑い声が起こる。そうなんです。マスヒロさんの魅力でもありすごいところは、ものごとを見つめる視線が常に冷静で安定感があり的確で、さらに深い愛情が注がれていること。料理評論というお仕事で今までに5,000食を食べてきたそうだが「未だに初めて行くレストランではドキドキする」のだそうだ。使い古された言葉だけれど、少年のように純な心と、大人の真摯な眼差しを持った方というところが、私がマスヒロさんのファンであるいちばんの理由だと思う。


さらにこの後、服飾専門家の奥様もご登壇になってご挨拶。「一年に数度ほどしか自宅で食事をしない主人が、なぜ農事功労賞オフィシエをいただいたのか、先ほどの大使からのお言葉と皆様のお話で、今日初めてよくわかりました」会場からは温かい拍手が寄せられた。本当は奥様はマスヒロさんがどんな活動をされているか熟知されているはずである。それでもこうして言葉を選び、マスヒロさんを奥様の立場で支えていらっしゃるというのは、本当に素敵なご夫婦なんですね。そして最後のマスヒロさんの言葉で思わず私も涙した。「私には妻と娘という2人の宝物がいます。この宝物のおかげで、外で自由に好きなことをさせてもらえているんです。心から感謝します」なんて素敵なご家庭でしょう。お互いの仕事に敬意を持ちながら支え合う。良い家庭は良い仕事を作るというお手本みたいだ。なんと、お嬢さんは一度も反抗期を迎えることなく、20歳になられたのだそうだ。


いただいた記念品は、作り手がマスヒロさんのご友人でもある「ボルドー・プピーユ2009」と「FOODIE TOP 100 RESTAURANTS」。ワインは飲む温度についても丁寧な説明書がつけられており、一本のワインにきちんと愛情を注ぐマスヒロさんの姿勢が伝わってくるよう。実はこの記念品選びにもマスヒロ流が見てとれた。というのはマスヒロさんがご挨拶の時に付け加えた説明が「記念品といっても形に残る物ではいけませんので、皆さんが楽しく飲んでなくなってしまう物と思って、友人が作っているワインを選びました」とのこと。そういわれてみると、お祝い会の記念品って、その方のお名前が入っていたり、好みじゃない物をいただいたりすることもあって、形に残る物は場合によって印象に残らないことがある。自らのお祝いの記念品に"これみよがし"な物ではない「消えもの」を選ぶとは、なんという潔さ。不調法な私は、マスヒロさんから本当にたくさんのことを学ばせていただいている。


マスヒロさん、本当におめでとうございます。
マスヒロ教の信者として(これは林真理子さんの言葉である)
これからもついてゆきます!(笑)
この日、再会が叶った北野さんとマスヒロさんと記念写真!


ダサい昭和で食事会【えとせとら】


ボケボケの写真にて大変失礼します。今宵は某所にて、網獲り鴨・網獲り小鴨・鹿・猪を食べる楽しい仲間の会でした。このお店、実に昭和っぽい界隈で、いわゆるキタナシュランなお店なので(今年行ったらいきなりリフォームされててキタナシュランではなかったので驚いてしまったけど)、こういうお店で食事会するならテーマは昭和でしょう!と盛り上がり、今宵のドレスコードは【ダサい昭和】ということになった。メンバーのほとんどが私と同年代ということもあり、我が青春の昭和と言えば思い浮かぶアイテムはほぼ一緒。ボートハウスとか、マディソンスクエアガーデンとか、ハイソックスにポロシャツにトレーナーとか、あのあたりのラインのことです。そういうわけで、ダサい昭和な格好の大人8人は某駅改札に集合した。


麻婆豆腐

麻婆豆腐

これは小鴨。トレビアンな美味しさ。

これは小鴨。トレビアンな美味しさ。

小鴨のもも肉たち。

小鴨のもも肉たち。

同率一位ということで優勝した3人。左からKちゃん/ミッキーマウスのパーカーに昭和のトレンドアイテムであるオーバーオールにポニーテール。ダサくならず妙に可愛くなっちゃうのは年齢のせいかも。真ん中/S先生。右/わたくしのテーマは3年B組金八先生!


私の格好は、とっくりのセーターに、アディダスのジャージ。
胸には「3年B組 近藤」の名札!
靴はスタンスミスのテニスシューズ。腰にセーターを巻きつけて
髪にはバンダナ代わりの手ぬぐい巻き!


ジャージはいたまま地下鉄に乗ったので、
周りの人からは思い切り白い目。
でも、ジャージってあったかいのね。
これ、ハマるかも。


私個人的にはグランプリを差し上げたかったのが
S先生のいでたち。
シャツをジーンズにイン。KISSのキャップに背中にはナップザック!
昭和の浪人生あるいはカメラ小僧
の香りがぷんぷんしませんか?




ほーら、カメラ小僧でしょ!


しかも靴下は、電車に乗る前に高島屋で仕入れたという「ブラック&ホワイト」の靴下!白い靴下って、なかなか売っていないそうで探すのに苦労したのだそうです。


ワイン好きの仲間なので、みんなでワインを持込みし、美味しいね、楽しいねと言いながら食べ進んだら、ものすごい量を食べてしまった。ワインを語ることもなく、ただ美味しいねとにっこり笑って飲むワインの美味しいことといったら!もちろん、プロのソムリエが食事に合うワインをちゃんと持ってきてくれたからこその至福だったのだけど、美味しい食事には楽しいということが第一の条件になるのなだぁと改めて実感した食事会になった。どうせやるなら徹底的に楽しむ大人の仲間たちよ、今宵は素敵な時間をありがとうございました。また夏には第2回ダサい昭和で食事会を開催しましょう。今から策を練っておきますわ。楽しい日曜日に感謝。明日からお仕事がんばろうっと。


中年女子の妄想劇場【えとせとら】


暑くて暑くてたまんない!と思っていた夏もあっという間にどこかへと去り、夏を名残惜しむヒマもなく秋がやって来た。今年の夏の思い出といえば、やっぱりいちばんに思い浮かぶのが、友人の別荘がある蓼科に避暑に出掛けたこと。今回はじめて旅を共にするメンバーだったので、スッピンをさらしたのはちょっぴり恥ずかしかったけど、食材とワインをどっさり買い込んで飲んで食べて語ることを繰り返すという意味で、とても愉しい旅になった。
さて、別荘で過ごすということは、掃除や炊事は自分たちでやらなければならない。人間には得手不得手があるが、この旅のメンバーは見事に、得手不得手の凸凹がお互いに重ならず得意分野を担当しあったので、なんのストレスもなく、というか逆に、お互いの不得手な部分を補ってもらえて快適な生活ができたので、とても居心地が良かった。私と友人Aはご飯担当。友人Aと友人Bはお掃除担当。友人Bは洗濯とお掃除片付け担当。私はお洗濯物をたたむお手伝いをした程度で、ラクチンさせてもらっちゃった。親しい友人の下着をたたんで、はいっ!と手渡したりしてると、なんだか友人の域を超えて、親戚とか姉妹になっちゃった気分である。


1日目の夜は、麻婆豆腐やチヂミやナムルなどアジアンな感じで

1日目の夜は、麻婆豆腐やチヂミやナムルなどアジアンな感じで

朝寝坊したので朝食はカフェオレ。友人の珈琲屋さんがいれてくれた絶品氷だし珈琲。

朝寝坊したので朝食はカフェオレ。友人の珈琲屋さんがいれてくれた絶品氷だし珈琲。

2日目の夜は、1日目に食べきれなかったおかずを二次利用して、キャビアとシャンパンも!

2日目の夜は、1日目に食べきれなかったおかずを二次利用して、キャビアとシャンパンも!


というわけで、ここからがワタクシの妄想劇場の始まりである。いつの日かひとりぽっちになってしまった時、友人と共同生活できたら、さぞかし愉しいだろうと昔から妄想するクセがあったのだ。さかのぼれば学生時代の悪友たちと「友達ペンション計画」をたてていたこともあったほど。かつて独身だった友人たちは着々と結婚し、子供をもうけて年数がたったが、最近再び独身に戻った人もいれば、「ダンナとは一緒に暮らしてないと思うから一緒に暮らそっか」なんて言ってくれる奇特な友人もいる。「じゃあマリコはご飯担当ね」「じゃ○○子は掃除かな」などと妄想しながら女子同士で楽しんでいるのだ。


先日の蓼科への旅は、まさに妄想劇場をそのまま実現したような生活になった。ご飯担当の私は、買い出しやら仕込みやらであっという間に午後が終わってしまった。でもストレスが溜まらない。なぜなら好きなことだけやっていればいいから。家庭の主婦は好きじゃないこともやらなきゃいけないからストレスが溜まっていくんですよね。2日目の夕方は、私がちょっと疲れて眠っている間に、友人Bがきれいにお掃除して片付けしててくれたので、ビックリしたのと有り難かったのですっかりハイテンションになっちゃった。得手不得手の凹凸がぴったり合うって、なんて素敵なんでしょう。


そんなわけで、気分転換も兼ねて、妄想劇場を図面化してみたのが一番上の写真。仮に4人の友達とシェアハウスを建てるなら、こんな感じがいいな。各居室はちゃんと独立していて専用トイレがあるが、お風呂とリビングとキッチンは共有スペース。この妄想劇場設計図、究極のミニマムであり、極上のマキシマム、だと思うのだけど、いかがでしょう?(あくまでも妄想ですが、土地と建築費用を持っている人がいたらどしどし応募してください!)


ま、こんな妄想メモを書いてるヒマがあったら、さっさとベッドに入りなさいよ、というところで、今日はおしまい。この続きは旅に出た先にて。


お魚料理だけのレストラン【えとせとら】


メニューを見ると、前菜もメインも魚料理しかない。そんなレストランがパリにオープンしたと聞いて、先月の出張の際に出掛けてきた。「パリで魚?」と思うなかれ。実はパリは魚天国である。冷凍したり養殖してまで魚を食べようと思わないからか、店頭に並んでいる魚はほぼ生の天然もの。日本人が大好きなマグロだって生の物がいくらでも食べられる。魚の質そのものは日本の物とはまったく異なるのだけど、フランスでしか食べられない魚も数多くあって、魚好きは退屈しない街なのだ。でもフランス料理といえばメインはやっぱりお肉だよね、と思っている人が多いし、圧倒的に肉料理を食べたい人がほとんどなので、パリのレストランで魚専門というのはほんのほんのひと握りである。ましてこのお店は日本人のオーナーシェフというのだから、世界一の美食の街で、料理人として勝負をかけているのがよくわかる。


前菜に選んだルージェのカリカリ焼き(フランス語ではcroustillant de rougets aux pointes d'asperges et tapnade d'olive noire)にあまりに感動したので、今日はそのお話ね。ルージェこそ、フランスでしか食べられない大好きなお魚。メニューにルージェがあったら必ずオーダーすることにしている。ルージェの美味しさを語ると長くなっちゃうので割愛して、ここでは私が頭を必死に巡らせながら食べたソースのことを書こうと思う。


ハーブを効かせたごくごく軽いクリームソース。最初はソースをつけずにルージェだけを食べ、その後ルージェと共にいただくと、魚の味わいに一歩遅めに付いてやって来る感じでほんのりハーブが香る。2口目、3口目と食べ進んでいくと、ソースのやわらかさが魚全体を包み込んでゆく。魚を食べ終わった後、パンでぬぐうとパンの塩味と一緒になって強い存在感を示し、さらに食べ終わった後にはスッキリと爽やかな印象だけを残して、舌をニュートラルな状態に戻してくれるのだ。次の料理へと舌を準備させるために。なんというソース!BRAVO!


あのソースは、日本料理でいう「お吸い物」にあたるということを、先日お邪魔した京都吉兆で気づかせてもらった。お吸い物にもまったく同じストーリーが描かれる。最初に吸い地をいただき、口元をすっきりさせ、椀ダネをいただく時は吸い地の存在を忘れてしまうが、食べている間に椀ダネの味わいが吸い地にしみだしていくので、最後に飲み干すと凝縮感を味わうことができる。パリのお店のソースはまさにお吸い物と同じ物語りだった。


ルージェの旨味がだんだんソースになじんでいき、味わいが濃くなっていって、最後にスッキリさせるというのは、おそらくお吸い物と同じ原理なのだろうと思う。なんと密やかな、でも確かな技術に裏打ちされたひと皿でしょう。あんまり美味しかったので、シェフが真っ赤になって恥ずかしがるまで褒めてしまった。遠い国で奮闘する我が同胞を誇りに思った夜だった。


近々パリに行くご予定の方がいらっしゃったら、ぜひ来訪してみてください。予約は電話のみで、電話に出るのは冷ややかなフランス人女性。予約をとるのに多少の不便はあるけれど、お魚好きなら行く価値のあるお店だと思う。電話番号など詳細については個人的にお問い合わせくださいまし。


世界3大料理の2つがコラボ!【えとせとら】


世界3大料理と一般に言われているのは、フランス料理、中国料理、トルコ料理である。え?トルコ料理なんて食べたことないよ!という方のためにちょっと調べてみたら、トルコ料理がランクインしているのは、19世紀後半のヨーロッパでトルコ料理が流行し、珈琲を飲む習慣をヨーロッパの食文化に与えたと言われているからなのだそう。現代ではむしろイタリア料理や日本料理の方が取沙汰されているし、実際に影響を与え合っているような気もするのだけど。まぁいいか。
ということで、その世界3大料理の残りのふたつ、フランス料理と中国料理についてほとんどの人がその特徴をご存知だと思うので、ここでは割愛するけれど、少なくともまったく特徴が異なる両極端の料理として一般に認識されているはずである。その2つの料理が一度に楽しめるコラボイベントがあると聞けば興味津々、行かない手はありませぬ。


去る5月29、30日と、ローズルーム名古屋でおこなわれた[フレンチと中国料理の響宴]に美女チームと共にお邪魔してきた。↑上の写真は仏中が混じり合った前菜の盛り合わせ↑
行くまでは、フランス料理と中国料理のコラボってどんなんでしょ?と美女たちと話していたのだけれど、女子同士の会話は料理からすっかり乖離して、あらゆる話題へと飛びまくっていた。ホントはいろいろ考えながら食べるつもりだったのだけど、気がついたらほとんどの料理をなんの違和感もなく、するすると食べ進んでいたのだった。つまり、フレンチのシェフと中華の料理人がお互いに歩み寄り、譲り合って溶け合う、そんな完成されたコース料理だったから、違和感なく食べてしまったのだと思う。


この日の中国料理の料理長を務められたのは、村川光則シェフ。村川さんはあの陳さんの愛弟子でもあり、陳式四川料理の継承者である。本来なら辛く痺れて旨味ののった料理がお得意のはずなのだけど、この日はそのあたりをうまーく調整されて、旨味の利かせ方はあくまでも中国式に、素材の持ち味に寄り添うようなスパイスの使い方で、極めて上品な中国料理を仕上げてくださった。一方フレンチの菅野雄大シェフは、ローズルーム名古屋を任されている。菅野シェフのお料理をいただくのははじめてなのだけど、今回はさぞ試行錯誤されたのだろうなと思う。「フカヒレの姿煮込み黒トリュフのソース」などは、素材は中国料理なのだけど、ロワイヤル仕立てだったので、なんとなくフレンチを食べているような気持ちになった。でも中国料理にも茶碗蒸しというのはあるわけなので、こうなるとどこからどこまでがフレンチで中華なのかが段々わからなくなってくる。


どこからどこまでが・・・???この日のテーブルで一番話題になったのが最後のデザート「杏仁パンナコッタ メロンスープ」である。杏仁風味のパンナコッタの上に生メロンとメロンスープが浮かんでいるというもの。杏仁豆腐は中華料理。パンナコッタはイタリアン。よく似たものにフレンチのブランマンジェというのもある。「パンナコッタと杏仁豆腐とブランマンジェってどう違うんでしょうね?」と女子同士で話していたが皆知識不足でよくわからない。後日調べてみたら(ホントはとある料理人に聞いただけなんだけど)、以下のようなことらしい。


●パンナコッタ/牛乳と生クリームを固める
●杏仁豆腐/アーモンドパウダーと牛乳を固める
●ブランマンジェ/アーモンドパウダーと生クリームを固める
※エバミルクを使うかどうか、アーモンドエッセンスにするかどうか、生クリームと牛乳のバランスなど詳細については製菓職人によって違うとのこと。


「フランスと中国って、よく考えたら大陸つながってるもんね!」とこの日の女子の発言。確かにそうだ。玉村豊男さんが、ラーメンからパスタになる分岐点がどこにあるのかということをエッセイに書いていらしたけど、フランス料理と中国料理の間にもいろいろなつながりがあって然るべきなのだ。そんな愉しい食巡りを空想できたのも、このコラボディナーのおかげ。村川さん、菅野さん、どうもありがとうございました!



ご一緒した美女たちと、村川シェフ、菅野シェフと記念写真。
※福岡由美さんから画像を(勝手に)頂戴しました。


私のちんたら備忘録よりも、美女たちのブログにきれいな写真とメニューがきちんと掲載されているので、ぜひこちらも併せてご覧くださいまし。
福岡由美さんのブログ
川本えこさんのブログ
※今回のコラボディナーは、リゾートトラスト創業40周年を記念したもの。今年一年は40周年記念のイベントがエクシブをはじめとしたあらゆる施設で開催されるらしいので、webなどでチェックしてみてくださいね!


ケイコ・リーに秒殺された夜【えとせとら】


ケイコ・リーさんのライブに出掛けた。ケイコさんの地元である名古屋でのライブのセカンドステージは、ケイコさんのお友達や知り合いでほぼ埋まっているからか、会場はあたたかな親近感で充ち満ちていた。こういうの、いいな。ほどなくしてケイコ・リーとジェラルド・アルストンが登場。そして馴染みの名曲「ルート66」が静かに始まる。「ライブが始まったらすぐ秒殺したるでね!」と名古屋弁バリバリでケイコさんが言っていたけど、このことだったのか。♪We will Rock U♪が2曲目。はい、確かに数秒でrock onされました!


今回のケイコさんのパートナーであるジェラルド・アルストンは、マンハッタンズのヴォーカル。昨年発売された「KEIKO LEE sings super standards 2」の中に「You make me feel brand new」が収録されている。ソロで歌っていても、この声を聴いてしまうとマンハッタンズになっちゃうくらい印象的な歌声の持ち主。そのジェラルド・アルストンとケイコ・リーのセッションは、なんと穏やかな愁い、なんと艶やかな妖気。ヴェルヴェットのように柔らかでしなやかなケイコさんの歌声に、ジェラルドのねっとりした深いヴォーカルが見事に溶け合っていく。もし空気に色がついているとするなら、この時の会場は、それは美しい紫色だったんじゃないだろうかと思う。少なくとも私には、紫色のフィルターがかかったステージに見えた。


アーティストというのは人生をそのまま抱えて自分の作品に投影している。この夜のケイコ・リーは、まさに自分の人生をまっすぐに歌い上げていた。それが観客に伝わって来るから、透明なはずの空気が紫色に見えちゃうんじゃないかな。人の心をこんなに満たすことができるなんて、音楽って素晴らしいですね。
かけがえのない時間というのは、いつも短くはかないもの。この日もあっという間に終わりの時がやってきた。数曲あったアンコールのうちの一曲は「卒業写真」。感極まるというのはこういう時に使うんだな、と思ったのだけど、人生を歌い上げたケイコ・リーの「卒業写真」には泣けた、泣けましたー。もうこれは理屈じゃない。私の涙腺は強い力で刺激され、音をたてたかのように涙がぽろぽろと流れていった。


この日ご一緒した方々。澤田晴美さん、サンタマリアノヴェッラの徳田さん、同じくサンタマリアノヴェッラのマーケティングマネージャー野嶋さん、中村千代さん。写真を撮ってて映ってないけど、美人広報こと林美保子さん。どうもありがとうございました。