LARMES Column

なす・ナス・茄子!【おうちごはん】


もう2週間も前のことになるが、麗しき女性3人の野菜ソムリエ集団・ラヴェリアンのお野菜勉強会に参加してきた。今回のテーマはナスで、その勉強会ではナスの種類や特徴などを学びつつ、ナスづくしのお料理をいただくという内容。会場は私のセカンドタウンである円頓寺商店街近くのフランス料理店「ペルージュ」だった。↑の写真は、左から。短なす、水なす、賀茂なす。


3種類のナスを、生と焼いた物で味比べ。
生ならどれが美味しい(好み)か。
焼いた物なら、一番はどれか。
私の好みは、生→水なす。焼いた物→賀茂なすでございました。


珍しい白なす

珍しい白なす

これまた珍しい天狗なす

これまた珍しい天狗なす

手モデは、
この勉強会に誘ってくださった
お隣の由美さん〜♬




と、そんなわけで、ナスには驚く程たくさんの在来品種があるということ、油と相性の良いナスの油吸収率を下げるためには塩水で洗うといいということなど、すぐにでも役立つ豆知識が満載の楽しい会であった。ラヴェリアンの麗しき女性、えこさん・くみこさん・みきさん、ありがとうございました。さて、オベンキョーすると、これみよがしに実践したくなるのが私の癖である。


でもって、来週末のユカタ会の最終打ち合わせのために、我が家で戦略会議(結局ただのご飯会になっちゃったけど)幹事3人が集まった時のこと。スタイリストの原結美さんと、ヘアメイクの村上由見子さんとで、あーだこーだとガールズトーク炸裂しつつも、しっかりナスをいただいたのである。水なすを生のままカットし、塩水で洗い、水をきったら、塩・バルサミコ・オリーブオイルをかけて簡単サラダ。それと最後に白なすで作った麻婆ナス。白なすは、加熱すると皮が緑色になった。やわらかい食感と淡白な味わいが、麻婆にはぴったりでございました。せっかく作ったのに、写真を撮り忘れてしまったので、メニュー写真は由見子さんのOh!Tiaraブログをご覧ください。


そういえば、春に宇宙旅行へと出掛けてしまった重兵衛さんでは、毎年この季節になると水なすのぬか漬けを出してくださった。それがさくさくしてとびきり美味しかったなぁ〜と今は亡き大将を思い出していたら、またまた涙が出ちゃって仕方ない。ふ〜、いつまでひきずるんでしょうね(泣)。


そして、我が家の食材が豊かなタイミングで
なぜか必ず現れるこのオトコ。
甥っこノゾムと共に、
水なすのサラダをお酒のアテに。


そして今年お初の松茸、いただきもの♬
お醤油を刷毛で塗って、さっと炙って、
お酒のアテアテアテ。
「香り松茸」を十分に楽しんだ。


スーパーの店頭では、春でも冬でも夏野菜のはずのナスが並んでいる。ハウス栽培のおかげではあるが、やっぱりナスが美味しくなるのは夏本番の今であって、春や冬ではない。ナスの種類ごとに調理法を変えて楽しめるのも今の季節だけなのだ。現に、大阪で生産される水なすは今しか流通していない。野菜に季節がなくなってしまったと嘆く向きも多いようだけど、そんな大流通経路に対抗するかのように、在来品種を頑張って生産してくださる農家の方がたくさんいらっしゃるのだ。嬉しい限り。そんな農家の方たちを応援する意味でも、今年もたくさんいろ〜んな種類のナスを食べ尽くしまする。店頭に珍しいナスを見かけたら、皆さんも是非お試しになってください!


ペンより大切、シューズの力。【徒然なるお仕事】


以前このコラムでも書いたことだけど、職業は何かと聞かれてコピーライターと答えると、かなりの確率で「原価がかからず、ペンだけあればいい仕事っていいね」と言われることがある。ところが実際に私たちがお仕事をするのに必要なのは、ペン(考える頭)よりも先にシューズ(過酷な取材や執筆に耐えうる体力)ではないか?といつも感じている。真夏の太陽や厳冬の夜露の下で取材をするには、体力が必要最低条件なのだ。普段の生活で、地下鉄3駅分くらいなら歩いちゃうし、結構な距離を自転車で暴走したりしているので、体力はある方だと信じ込んでいた私が、今回のロケでは完璧に体力不足を思い知らされることとなった。まさにタイトル通り、ペンよりもシューズの力が大切な取材だったのだ。お邪魔したのは、上田市に五百有余年に渡って伝承されているお祭りだった。詳細はまた広報物が出来上がるタイミングでご紹介させていただくこととして、このコラムでは過酷なロケの内容をメモ代わりに記すことにする。


●過酷その1。取材の集合時間は、午前3時30分であった。三大欲である食欲・○欲・睡眠欲の中で、一番プライオリティが高いのは睡眠欲だと公言してはばからない私にとって、午前3時30分集合という数字がすでにプレッシャーだった。おかげで前夜は10時に床に入ったものの緊張して眠れず、ほとんど徹夜状態で3時30分を迎えた。
●過酷その2。そのお祭りは山頂で神事をおこなうため、夜明け前に1000kmを超える山に登らなければならなかった。途中までは軽トラに乗せてもらって険しいでこぼこ道を行き、途中からは前夜までの梅雨でぬかるんだ急斜面の山道を登るのである。
●過酷その3。山登りなどしたことがない私は、動きやすい靴ならいいと思い込み、あろうことかスタンスミス(テニスなんかしないくせに)で行ってしまったのである。朝、私の足元を見てディレクターのS氏は「絶対に滑るよ、その靴。トレッキングじゃないと!」と断言した。え〜事前に教えておいてよ〜!と心の中で叫びつつ、登山に臨んだが、S氏の予言通りに滑る滑る。こりゃ過酷だ。
●過酷その4。山頂について神事が終わると、地元の皆さんは御神酒を飲み始めた。下りの山道のことを考えるだけでぞっとしていた私は、さすがにお酒は控えた方がよいと判断し、丁重にお断りすると「なに言ってんだ、御神酒をいただかなきゃ神事は終わらないよ。下山する時はちゃんと俺たちがついていてやるから、飲め飲め飲め飲め飲め」と勧められ、そこまで言われたら・・・と御神酒をちびちび。お酒が好きな私でも、さすがにこれは過酷でございました。


●過酷その5。さて帰り道。登りの途中まで軽トラだったけど、下山は最後まで自分の足、である。地元の皆さんは幟(のぼり)を持っての下山なので、私よりもずっと過酷だったはずだけど、なぜだかスルスル〜っと降りて行く。その方たちの靴を見せてもらうと、慣れた人は地下足袋。若い人はトレッキング、そうじゃない人はシューズにフックのような金具をつけていた。滑る靴でのぞんだ私は再び悲鳴をあげながら、転び、滑り、子供に追い越され、周りに迷惑をかけながらも第一ポイントまでなんとかたどり着く。全身に草と土をつけて降りてきた私の悲惨な状況を見て、ディレクターのS氏が「軽トラ乗せてもらいなよ」と優しい言葉をかけてくれたので、迷うことなくおじちゃんが運転する軽トラへ。他の人々に申し訳なさを感じつつも、軽トラででこぼこ道を下山した。
●過酷その6。まだまだお祭りは終わらない。下山すると、お囃子、獅子舞や少女の踊りと共に、街中を練り歩く。梅雨明けしたばかりの酷暑の中、足腰はふらふらだし、膝は笑うし、おまけに取材はしなくちゃいけないしで、遠のく意識と闘いながら、酷暑の中をひたすら歩く、歩く、歩く。

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十何年にも渡って(苦笑)取材を続けているルマン24時間レース。あの取材は、スポンサーブースではお酒や食事がいただけ、タイミング良ければうたた寝くらいはできるし「レースを楽しむ」要素も十分に含まれているが、基本的には36時間くらい起きっぱなしでサーキットを巡りっぱなしなので、まさに体力勝負の取材である。はじめてルマンを訪れた時、最後の打ち上げパーティーで、重鎮のカージャーナリストの人と話していて、私が「こんなキツい取材ははじめてでした。来年は、ない、かな」と本音を漏らすと、その重鎮氏はこう言った。「はじめての人はそう言うんだよね。でもね、来年の4月くらい(ルマンは6月)になると今年のルマンはどんなんだろう〜って、心のどこかがうずくと思うよ。ま、キミがルマンに魅せられていたら、の話だけどね」そして翌年、本当に重鎮氏の言う通りになったのである。春先3月、今年はスポンサーからまだオファーが来ないけど、やっぱり行けないのかな。仕事で行けないなら思い切って自費で行っちゃおうかなぁ・・・と考えていたのである。
取材魂をゆさぶられるって、こういうことを言うんでしょうね、きっと。というわけで、今回のこのお祭り取材も、本当にキツくてキツくて大変だったけど、終わってみれば印象はとっても楽しかった。まさか、ルマンのように、来年の5月ころになるとあの山登り取材がしたいなぁ、なんて思うんでしょうか?・・・・・・・まさか、ね???


そうそう、冒頭のこの写真は、今回のロケに必要だった取材の道具たち。ビニール軍手は、山道を登る時に使ったもの。熱さまシートは、酷暑のロケでいつもモデルちゃんたちが首や腋に貼っているのを思い出してコンビニで買って用意したもの。軍手の方は、転んだり滑ったり木の幹にしがみついたりした時に怪我から守ってくれたし、首に貼った熱さまシートは体温の上昇を適度に留めてくれた。ね、取材にもいろいろ原価がかかるわけなんです。ペンだけでは出来ない仕事でしょ?わかっていただけました?


ハーモニカ電車【徒然なるお仕事】


信州は別所温泉へとロケハンに出掛けてきた。早朝から既にむしむしの名古屋を後にして、中央高速の移りゆく景色を楽しみながら、ディレクターS氏・カメラマンM氏と共に名古屋から車で約4時間のドライブ。信州の鎌倉と呼ばれる別所にたどり着いたのはお昼前だった。取材協力先である観光協会の方に信州弁で迎えられると、一瞬で和やかな気持ちになる。方言というのはホントに良いものだなぁと改めて実感した。
今回は本番のためのロケハンで主な目的は撮影の下見であり、インタビューはなかった。そんなわけで私担当の仕事はほぼお昼過ぎに終了。S氏・M氏とは別所温泉駅でわかれて、私一人で電車に乗った。夕方から名古屋で所用があるためだった。「車窓の風景、ロケハンしてきてね」とディレクターS氏からのミッションを受け、カメラ片手に電車の中でスタンバっていると・・・。


車内にハーモニカの音色と歌声が聴こえるではありませんか!
それは上田電鉄のハーモニカ電車だったのだ。上田駅長さんが自らハーモニカを吹き、童謡などの歌詞が書かれた紙が配られ、車内のお客さんがハーモニカに合わせて合唱する、という電車。


その光景をビックリして見ていた私に、
駅長さんはハーモニカを吹きながら、この紙を手渡してくれた。
一緒に歌いましょう!と。
S氏のミッションは果たさなければいけないし、歌も気になるし。


ということで、景色を撮影しながらも心は車内のハーモニカ合唱。おじいちゃんとおばあちゃんの団体が、とても気持ち良さそうに歌っていて、その光景は出来過ぎなほど周りの風景と馴染んでいた。なんかいいな〜こういう旅。と思っていたら、ハーモニカ合唱は「シャボン玉」になった。
♬シャボン玉飛んだ〜屋根まで飛んだ〜屋根まで飛んで〜こわれて消えた〜
 シャボン玉消えた〜飛ばずに消えた〜生まれてすぐに〜こわれて消えた〜
 風 風 吹くな、シャボン玉飛ばそう〜♬
ご存知、野口雨情の歌である。これは野口雨情が自分の子を亡くした哀しみを歌にしたものと言われている。子供の頃は、その意味を知らずに歌っていたっけ。そして次のハーモニカ合唱は「ふるさと」。♬うさぎおいしかのやま♬の、ふるさとである。そういえば子供の頃は、「兎追いしかの山」ではなく「兎美味しいかの山」だと思い込んで歌っていたっけ。
おじいちゃんたちの優しい歌声に癒されたのか、雨情の子を亡くした哀しみを思ったのか、それとも故郷へのノスタルジーを刺激されたのか、なぜだか涙が浮かんできた。すると次の合唱は「上を向いて歩こう」。♬上を向いて歩こう、涙がこぼれないように♬はい、これまた出来過ぎなタイミング。歌詞の通りに一人ぼっちの旅だとしても、仕事の不安感があったとしても、おっしゃるように上を向いて歩いていこうじゃありませんか、えぇ。電車はほどなくすると上田駅に到着し、名残惜しいハーモニカ電車に別れを告げた。


ただ者じゃない仲間たち【えとせとら】

バンクーバー旅の日記、その2。←のイラストは旅友の一人が作成してくれた"旅のしおり"に掲載されていたもの。今回の旅の友は私のことをなぜだか「淫獣」と呼んでいる。人間扱いしてくれないのである。うぅぅぅむ、なんでかしら?


"旅のしおり"の他のページには
こんなイラストも!
面白ければ友人の私だってネタにしちゃう、
この描き手の感覚、ただ者じゃないですよね?


今回の旅の目的は、とあるパーティーへの参加だけだったので、何の気兼ねもいらない友人たちとのワイガヤツアーは、とてもラクチンなものだった。私が描かれた数々のイラストは、そんな仲間たちとの笑いを誘ってくれたので、まぁいいんですけどね。


ところが、ただ者じゃない友人は一人だけじゃなかったのである。
パーティーに参加した時の衣装で、誰よりも注目を集め、笑いを誘ったのがこの人。自称キノコロビッチ・アインシュタイン博士だった。普段はとても寡黙で優しく落ち着いたオトナな人なのに、この日ばかりは一変してアインシュタイン博士になりきっていた。


支度を終えてホテルのロビーで集合した時に、アインシュタイン博士を見たみんなは大爆笑。せっかくきれいにメイクしたはずの顔はすぐにくしゃくしゃになってしまった。アインシュタイン博士のパーティーでのご挨拶は、難しい数式を用いた例え話で良くも悪くもちんぷんかんぷんだったし。カメラを向ければ白目をむいて見せてくれる。どこまでサービス精神旺盛なんだろ、この人は。
せっかく華やかな席なので、せっせとスーツケースに着物を入れて運び、着物姿でパーティーに参加した私も、おしとやかどころか、大爆笑する着物オバサンみたくなっちゃって。まぁいっか、楽しいから。一応、書き加えておくと、この日の着物は、単衣の似紫色(紫に似せた色という意味で、かなりダークな紫色のこと)の結城紬、ヘアメイクの服部ちゃんから譲り受けた夏帯、裏葉色(黄味の少ないごく薄い黄緑で、葉の裏側の色合いという意味)の帯揚げに、祖母の形見の琥珀帯締め。シックでオトナな感じに仕上げたつもりだったんですけどね。完全にアインシュタイン博士に持ってかれてしまったという感じでした。


そんな私がカナダで購入したモノたちは、
オーガニックのシリアルや石けん、サーモンジャーキー、
そしてカナダが誇るアイスワイン〜♬
ピノノワールのアイスワインにイチゴがピッタリ合うのだそうで、
来年のイチゴ用にちゃっかり購入いたしました。


そして日本で待っててくれた仲間にも(待ってたってわけじゃないけど・・・苦笑)、やっぱりただ者じゃない友人がいました。その彼は、いつもちゃんと私のコラムを読んでくれて、いろんな知識や情報を与えてくれている。前回のコラムで、カナダのオーガニック事情について詳しい方は教えてください〜と書いたところ、珈琲を軸にして世界の食品事情に詳しい「走る珈琲愛飲者I氏」が以下のメールを送ってくれた。原文そのままコピペするので、ご興味のある方はご一読くださいませ。


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>カナダ政府が認めるオーガニックの基準は、
>日本や諸外国と比較して厳しいのか、それとももしかして緩いのだろうか。

これは難しい課題です。厳しいともいえ、緩いともいえる。前提としてドイツを始めとするヨーロッパ各国に比べて、オーガニックに対するカナダの国家的規格制定の動きは歴史的には遅く、ほぼ今世紀に入ってから。未だに「カナダ政府が認める」基準は整備しきれていません。もともとカナダは「国が決めても州がいうこときかない体質」があるため、カナダ政府は「まぁ、アメリカの基準に準拠すりゃいいんじゃないの?」程度の姿勢。この点、何につけても「親方日の丸体質」の日本は、いざオーガニックを規定すると有機JASを設けはするが、国家的管理団体JA=農協の「慣行農法にジャマな有機農法は酔狂モンのやることだ」という反オーガニック圧力が本音で、ちっともオーガニックが市場に浸透しない現状…カナダと社会的体質が違いますね。
つまり日本では、大手団体が「オーガニックは嫌」、対して専門家が「大手にオーガニックを市場化させて骨抜きにさせるな」っていう喧嘩が繰り返されて、結果としてちっともオーガニック市場が拡大しないわけです。
で、カナダのオーガニック市場はというと、政府云々より前にアメリカ企業がオーガニック付加価値市場の草刈場としてバンバン参入し、これに対抗するべくカナダ地元企業もジャンジャンとオーガニック商品を投入してきたので、結果、この内外競争がもっとも激しいBC州などは、世界一のオーガニック天国になっちゃったワケです。
ちなみに、アメリカ型規格は「生産方法が有機なら作物が遺伝子組み換えでもオーガニック!」という考え方をするため、このままカナダ市場に持ち込まれるとかなり緩いオーガニック市場になってしまいますが、政府に頼らずカナダ国家規格より厳しい独自基準を設けている州と認定団体が多いので、つまり「厳しいともいえ、緩いともいえる」ワケです。

以上のように、カナダのオーガニック市場は、
1:国家統制的な統一性がない(日本やEUと違う)
2:資本主義市場化に乗って普及している(日本と違う)
3:政府に頼らず独自基準は厳しい(日本やアメリカと違う)
という特徴をもっています。

あ、それでも最近は国家単位で統一化を進めているカナダですが、他ごとと同様にケベック州だけは足並みを揃えていません。
ケベックのオーガニック基準の根本は(誇張した表現ですが)、
1:理屈もクソもなく他州の基準とは違うものにする
2:健康より美容に関わる基準がやたら厳しい
という、ヤッパリな姿勢ですw


バンクーバーって何でできてる?【今日の地球】

6月の終わりに所用があってカナダ・バンクーバーへと出掛けて来た。カナダに入国するのははじめてで、北米大陸に渡るのはなんと20年ぶり。←の写真はカナダの国旗にもなっているメープルの葉っぱで、道ばたできれいにナチュラルプレスされていたのを見つけたもの。私たちが旅した頃はちょうどトロントでサミットが開催されていたからか入国審査がとても厳しく、何分にも渡っていろんな質問をされた。ヨーロッパは島国であるイギリスを除き、ほとんどの国の審査が緩いので、そんな感覚に慣れた身にとって「なぜ2ヶ月も前に飛行機チケットを購入したか」な〜んていう質問をする審査官は摩訶不思議な人種に見えてくる。以前、バルセロナからパリ・オルリー空港へと入った時に、フツウならパスポートさえ見ることなくスルーパスできるはずのフランスの入国審査で(まだその頃はEU連合はなかった)、珍しく審査官が声をかけてきたのでビックリしたことがある。ホテルはどこか?と聞かれたので素直に答えると「今夜ヒマなら食事でもどう?」と堂々ナンパされたのである。さすがフランス人、ですね。


すっかり話がそれてしまったけれど、そんな厳しい入国審査を終えて無事入国し、はじめてのバンクーバーへと繰り出した私たち。一緒に旅した友人たちは旅行慣れした人ばかりだったので、勝手気ままにお買い物したりカフェに入ったり、道ではぐれてもオトナだから大丈夫っしょ、とあきらめてくれるので、とても気楽にノビノビと行動することができた。旅の友はこうでなくっちゃね。私はと言えば、カナダのブランド物には興味がないので、ひたすら地元のスーパーやマーケットを巡った。スーパーで食材を見ていてビックリしたのは、やたらオーガニックの野菜や商品が多いことであった。カナダでは、環境を意識し健康的な食生活を志向する人が諸外国と比較すると多いのだそうだ。オーシャンワイズ(捕獲方法や捕獲による自然・生物への影響などをクリアしたシーフードを食べましょうという考え方)や100マイルダイエット(半径100マイル、約160km以内で生産されたものを食べましょうという試み)といった活動が普及しつつある。食品だけでなく、石けんやタオル、ハンドクリームなどもオーガニック物が販売されていたのはビックリ。そしてさらに驚いたのは、それらの商品が決して高価ではないということだった。


これはオーガニックのシリアル!

これはオーガニックのシリアル!

    禅心で飲む緑茶?と、      オーガニックチャイ

    禅心で飲む緑茶?と、      オーガニックチャイ

オーガニック野菜コーナー

オーガニック野菜コーナー


きちんと調べていないので、もしお詳しい人がいらっしゃったらお教えいただきたいのだけど、カナダ政府が認めるオーガニックの基準は、日本や諸外国と比較して厳しいのか、それとももしかして緩いのだろうか。オーガニック商品をある程度安定した価格で提供するには、生産者だけでなく、卸業者も販売者も、そして消費者も、かなりの努力を必要とするはずだ。そのへんの事情をぜひとも知りたいものである。


こちらはサーモンの専門ショップのウィンドウ。これなんだ?っていうシロモノがずらりと並ぶ。サーモンジャーキーらしきものもあるけど、内蔵を加工したと思われる珍味がいっぱい。日本には持ち帰れないので残念ながら諦めた。


数日過ごしただけのバンクーバーだったけど、総じて感想を言えば、いろんな要素が混じり合った街、とでも表現したらいいだろうか。先住民族が住む大地に別の人種がやって来て住み始めたという歴史を持つカナダ。今では、イギリス系、アメリカ系、アジア系の文化や経済、食生活がミックスして都市が成り立っている感じがする。たとえば「お勘定」は、米語ならcheckだけど英語はbill。バンクーバーは英語のbillだった。でも発音はQueen's Englishの英語ではなく、米語に近いcanadian English。地名にはイギリス統治の痕跡が色濃く残っているけど、経済は完全にアメリカがベースになっている。アジア系の移民がかなり多いらしく、1ブロックごとにアジア系のレストランがあるのには本当に驚いたし、中華街はとてもスケールが大きかった。どの要素を切り取ってみても、複雑に混じり合っているのが判る。そんな勝手気ままな比較文化論を妄想しつつ、今のバンクーバーが何でできているか?と考えていて「イギリスとアメリカとアジアを足して5で割った感じじゃない?」と旅の友に話したら「3で割るなら判るけど、5で割ったら1にならないじゃん」とあっさり否定されてしまった。う〜ん、それぞれの要素が強く主張せず薄まって混じり合った雰囲気を表現したかったんだけどなぁ。そんなわけで旅先ではコピーライター失格の烙印を押されてしまったのでした。さて、バンクーバーで出席したとあるパーティーのオモシロイ様子は、次回のコラムにてご紹介いたしまする。お楽しみに。


梅雨の楽しみ【今日の地球】

いやはや、それにしても、あ・づ・い・ですね・・・・・。40年以上生きてきて最近やっと解ったことが、私は喉元過ぎれば熱さを忘れるタイプだということ。毎年名古屋の暑さを5月ごろまではすっかり忘れていて、梅雨に入った途端に「こんなに暑かったっけ???」と首をかしげながら汗をぬぐうこの季節。しかもクーラーなしエコ生活を実践しているので、体中がしょっぱくなっている。外から帰ってきてはシャワーを浴び、服を着替え、体がねっとりしてきたと言ってはまたシャワーを浴びる。洗濯回数も当然増えているが、これってホントにエコになっているのかしらん?シャワーと洗濯で、電気と水道をいつもよりも多く使っていたら、エコでもなんでもないよね?と自問して答が見つからなくなっている今日この頃、電力会社と水道局の方、教えていただけないでしょうか。


そんな暑〜い名古屋の夏にだって、イイことはある。
ひとつは、夕方になって家中に風が吹き抜ける時、
暮れゆく空を眺めながら
気持ちの良い風を全身の肌で感じること。



そしてもうひとつは、これ。
大好きな、くちなしの花の香りをかぐことである。
くちなしの花の甘美な香りには、本当にうっとりしちゃう。


ベランダで育てているので、風が吹くたびに部屋中がくちなしの香りでいっぱいになる。くちなしは街路樹にもなっていて、マンションの真ん前の植え込みにもあるし、東へ向かう道筋にも咲いている。なにより嬉しいのは、雨がたくさん降ってやんだ瞬間にくちなしの花の近くを通ることだ。雨の湿気が手伝って充満している香りがさらに強くなっているのだ。先日もこんなことがあった。とある街を歩いていたところ、激しい雨が止んで傘を閉じた。その瞬間、あまりに強烈な香りに驚き、鼻をくんくんさせながらくちなしを探していたら、人家の庭先に行き着いた。なんと傘を閉じた地点から1ブロックも先にくちなしが咲いていたのである(おかげでアポイントに5分ほど遅れてしまったのだけれど)。


くちなしの実は、黄色の染料として昔から用いられていて、お漬け物のたくあんや栗菓子の鮮やかな黄色はくちなしの黄色に依っている。食料だけではなく繊維を染める時にも使われ、さらに発酵させると青色の染料にもなる。くちなしという花の名前がなぜつけられたかと言うと、この実は固くて開かないことから、口が開かない→くちなし、と名付けられた説が有力なのだ。ちなみに、碁盤の足がくちなしの花型になっているのは、神経を集中させる勝負事に周りの人が口を出さないように→くちなしの花を模したらしい。


で、花の名前の由来。私の勝手な説は、こうだ。くちなしは、あまりに甘美でとろけるような香りを持つため、鑑賞する人間は思わず言葉を失ってしまう→口なし、という説。さて、いかがでござんしょ?


クレーマークレーマー!?【えとせとら】

企業の消費者相談室に寄せられるクレームの内容が、このところ複雑化と悪質化の一途をたどっている、と、どこかの雑誌で読んだ覚えがある。純粋なクレームには真摯に対応するべきだが、悪質な嫌がらせや言いがかり的なクレームには、モンスターペアレント問題同様、専門家によるチームが結成されたりしていて、企業側もかなりご苦労されているようだ。


何を隠そう、実はこのたび、私もそのクレーマーになってしまったのである。もちろん決して言いがかり的なクレーマーではなく、純粋に調査して欲しいと思ったので電話をかけただけ。でも、もしかすると先方の担当者にとっては、タチの悪いクレーマーと映ったかもしれない。その実情をここで吐露してみよう。


私がクレームを入れたP社は、洗剤、化粧品、ヘアケア商品など幅広い商品群で有名な大企業である。誰もが一度は手にしたことのある商品ばかり。その中で、私のお気に入りはポテトチップスだ。おやつに、時にお酒のおつまみに、そのポテトチップスのサワークリーム&オニオン味を好んで買うようになってもう何年もたつ。他社の商品と比較して味が良いのはもちろん、添加物を使用していないので舌が荒れないということもお気に入りの理由だった。
約一ヶ月前のある日、いつものようにサワークリーム&オニオンを買って、おやつに食べてみると、驚くほどしょっぱいのである。ポテトチップスと言えば、これしか食べない私には、一口食べてすぐに判った。こんなにしょっぱい味じゃなかったはず、と15枚ほど食べていくと、あっという間に舌の先が荒れてしまったのである。これは明らかにおかしい。数日経って、迷ったあげく、P社の消費者相談センターに電話をして状況を説明してみた。


すると先方の担当者は開口一番「それでは代わりの商品をお送りさせていただきますので・・・」と言うではないか。いやいや、私は代わりの商品が欲しいわけでも、文句をつけているわけでもなく、長年に渡って食べている大好きな商品に何か問題が起きているのではないかと心配になって電話しているのであって、目的は原因を調べてもらうことである。なのに、担当者の女性は代替品を送ることで話を終わらせているかのように聞こえた。仕方なく、私は冷ややかに(おそらく先方には冷ややかに聞こえたことだと思う)ロジカルに話を付け加えた。「何年も同じ商品を食べていますが、舌の先が荒れたのははじめてなんです。代わりの商品は送っていただかなくてもいいので、原因を調べてください。健康被害というほどのことではありませんが、他に同じ症状を訴えている方はいませんか?」と。すると、相手の女性は慌てて「申し訳ありません。それではその商品をすぐにお送りください。こちらで調べさせていただきます」と言ってきたのである。最初っからそー言うべきなんじゃないの〜?と思いつつ、こういう電話は録音されているはずなので、平常心を装って「では、よろしくお願いします」と答えて電話を切る。
数日後、着払いの宅配便伝票が送られてきたので、残ったチップスが割れないようにクッションをはさんでパッキングし送り直した。それから約1週間後にP社より電話が入った。今度はクレーム対応してくださった方とは別の女性である。「このたびはお客様に健康被害をもたらしてしまうことになり・・・」長々とお詫びの言葉から始まった。せっかちな私は先方のお詫びの言葉を最後まで待てずに「で、どうだったんですか?調査結果は出ましたか?」とせかすように聞いてしまった。
彼女が丁寧に説明してくれた経緯は、こうだ。[そのポテトチップスは、油で揚げてから調味料をふりかけるが、調味料をふりかける工程でなんらかの原因で少し多めの調味料がかかってしまった。はっきりとした原因は今となってはわからない。その結果、たまたま私が購入した商品の味が濃くなってしまい、しょっぱいと感じたのではないか。ただ、余分にふりかかった調味料は微量で、体に害のあるものではないので安心して良いだろう]
私の予想は、こうだ。[工場の調味料を入れているボックスがなくなってしまい、調味料の新しい袋を社員の方が上から追加しているちょうどその時、たまたま調味料が余分にかかってしまったほんの数秒の工程のポテトチップスがパッキングされ、これがたまたま偶然に私の手元にやってきてしまった]


というわけで、無事、私のクレームは納得する形で報告してもらえ、お詫びと称したP社の商品が2つ宅配便で届き(一応タチの悪いクレーマーだと思われたくなかったので、お詫びの品を受け取ることは固く拒否したのだけど、なんとなく先方のだめ押し営業にあい、受け取ることになってしまった)、一件落着。
プチクレーマー事件を振り返ってみて改めて思う。クレームこそ、企業のイメージアップのチャンスである、と。一番最初に対応してくれた女性の、代替商品の郵送で話を終わらせようとする態度には、正直むっとした私だが、その後のきめ細かな対応にはさすがP社と納得できたのである。悪質と言われているクレームだって、企業側の対応の悪さが原因で発展することだってあるはずだ。そして、これは私の仕事にも十分通じること。クレームを言われた時こそチャンス、と20代のころ先輩に教えてもらった格言を思い出しながら、大好きなサワークリーム&オニオンに手を伸ばした。


山椒婦人のお見合い話【今日の地球】


きれ〜いな緑色。線香花火みたい。あるいは小さなカボスみたい。これ、何だかお解りですか?


答えはこちら、実山椒でございます。
一ヶ月ほど前から店頭に並びはじめた実山椒。
強烈な香りが特徴の香辛料で、この実の部分はじゃこに入っているし、粉末はうなぎにふりかける。
葉っぱの部分はお魚の臭み消しや煮物の香りづけになる。


実と茎を手でちぎって分ける作業が、先が細かいこともあってなかなか大変。取材の資料として手渡されたDVDを観ながら手元は山椒の実と茎を分ける作業に没頭すること、およそ2時間。
夕暮れ時にはじめたものの、


ご覧の通り、終わったら夜になってしまっていた。
左が実、右が茎。
茎のとげとげした感じが、バラの茎に似ていなくもない。


ところで、この実山椒をお店でカゴに入れ、レジを終えてお買い物袋に詰めている最中、とある上品なご婦人から声をかけられた。「すみません、この実山椒って何に使われるんですか?」と。私が食料品を買っている丸栄百貨店は、お野菜や魚の質が良い割にお値打ちなので、周辺の飲食店の方もよく利用していらっしゃる。そのご婦人は、一人暮らしとは思えない量を買い込んでいる私のカゴを見て、飲食店の人間だと思ったのかもしれない。以下、そのご婦人と私の会話。
ー実を取って、佃煮みたいにして煮るんです。
ーどうやって作るんですか?
ーアク取りのため、一旦煮立たせて、そのお湯を捨てて、お醤油とお酒とみりんで煮付けます。冷蔵庫で保存すれば3年以上持ちますよ。
ーそれ、どうやって食べるんですか?
ーご飯の上にのっけてもいいですし、家では麻婆豆腐に使います。お肉と煮ても美味しいですよ。
ーまぁ、なんて賢い奥様ですこと!
(ここで、そのまま聞き流してスルーすればいいのに)
ーあ、いえ、奥様なんかじゃなくて、独身なんです。
ーあら、じゃあお店でもやっていらっしゃるのかしら?
ーあ、いえ、ただの趣味で・・・。
ーまぁ、そんなお料理ができるのに独身なんてもったいないわ〜。失礼ですけど、おいくつ?
ーえ、あ、40代、ですけど・・・。
ーまぁ、そんなにいってらっしゃるの?(爆!)見えないわね〜。ご結婚されるおつもりはあるの?きっと理想が高くていらっしゃるのね。でも、あなたのような女性には是非素敵なご結婚をなさって欲しいわ。もしよろしかったら紳士をご紹介したいけど、連絡先を教えてくださる?良いお話になると思うわよ〜。お名刺か何かお持ちですか?
ーあ、すみません。名刺を持ち合わせていないものですから、またどこかでお目にかかった時にでも・・・すみません・・・(と言いつつさりげなくフェイドアウト)

急激な展開に戸惑った私は、とっさの嘘をついてしまった。だって、はじめて会った見知らぬ人にいきなり連絡先を教えるなんて、よっぽどじゃなきゃしませんよね?


でも、よく思い返してみると、私は時々こういうことに遭遇しているのだ。この出来事から遡ること半月前、スタイリストの原結美さんととある料亭で打ち合わせを兼ねたランチを楽しんでいた時、隣の席のこれまた60代と思われるご婦人から声をかけられたのだ。どこから来たのか?このお店ははじめてか?どんな仕事をしているのか?結婚しているのか?などなど。そして最後にその人も山椒婦人と同じことを私に言ったのだ。「どなたかご紹介してさしあげたいわ」と。


よっぽど男性に縁がなさそうな哀れなオンナに見えるのか?それともただ単に、世の中には紹介したい症候群のご婦人が多いのか?いつも複雑な思いにかられながら、そういうお申し出をかわすことが上手くなってしまった。


そんなわけで、実山椒をくつくつと煮ながら、今迄出逢った山椒婦人系のおば樣方のことを思い返してみた。数々の親切なお申し出の中には、白馬に乗った王子様がいたかもしれないし、ジャガーに乗った紳士がいたかもしれない。そう思うと、勿体ないことしたのかもな〜。


というわけで、いろんな思いと共に煮上がった今年の実山椒佃煮。
煮沸消毒したガラス瓶に3つ出来ました。
我が家の麻婆豆腐は、この山椒をみじん切りにしてイッパイ入れる。
豆豉もいれて真っ黒な仕上がりになり、
陳さん風の山椒辛い本格麻婆味が楽しめるのだ。皆さん、食べに来てね。


長良川鵜飼【徒然なるお仕事】


いよいよ東海地区独特の蒸し暑い夏が佳境となってきましたねぇ。冷房を持たない昔の人がこの季節をどうやって乗り切っていたのかというと、涼を川辺に求めて船遊びをしたり、住まいの中に風の通り道を作ったりして、工夫して生活していた。私もそれに倣って、今年も暑い名古屋のコンクリート生活を冷房なしで暮らそうと実践している。
さて、時を遡って5月。毎年5月11日から始まる長良川鵜飼の取材にお邪魔してきた。鵜飼は一千有余年の歴史を持つ伝統漁法であり、同時に涼を求めた人々の川遊びの場でもあった。今回取材したのは、長良川といっても岐阜市ではなく、その上流の関市小瀬の鵜飼である。小瀬の鵜飼にはじめてうかがった私は、地元である岐阜市の鵜飼と比較しながらも、鵜匠さんや船頭さんのお話を聞いていたら、一瞬にして半世紀くらいのタイムスリップ気分を味わった。


小瀬の鵜飼はすべて手こぎ。
船頭さんの人力によって船が動き、観客たちが運ばれて行く。
護岸工事も最小限に留められており、
周りに高い建物がほとんどないので、
この風景は何十年もおそらく変わっていない。


この風景を見ていてふと思い出したのが、こちらのお椀。
先のコラムで紹介した実家納戸の荷物で、
なななんと50年以上前の母のお嫁入り道具である。
母が祖母から受け継いだお椀で、祖母はさらに祖母の母から受け継いだ物らしい。つまりこれまた百年くらいは経っている。


これが蓋の内側。
表の蓋は、船頭さんが船を引っ張っている様子。
蓋の内側は、その船に鳥が乗っている川辺の様子。
なんとも粋な図柄である。夏のお椀ってことですかね?
使っていないということもあるけど、傷みがまったくないのにも驚き!


私は岐阜市の出身なので、鵜飼イコール岐阜と思い込んでいたけど、長良川にはこんなに風情たっぷりの小瀬鵜飼があったんですねぇ。そしてさらに、小瀬の風情を見てから、実家の納戸にある陶器や漆器類には、小瀬と同じく長良川河畔の街ならではの図柄がたくさん残されていることを、思い起こさせてくれた。


たとえば、コレ。
鮎の塩焼きをのせるためだけの専用鮎皿。
昔から我が家では、鮎を食べる時には必ずこのお皿を使ってきた。
鵜籠が描かれている織部皿。これも母のお嫁入り道具だ。


この日は、平目の押し寿司をのっけて、ちょっと前菜風に仕上げてみました。お皿にどかんとのっていると食べる気が失せてしまう父母も、こうしてちょこんとのっていれば、美味しいね〜と食べてくれる。これこそお皿マジック!


川の恵みと共に暮らしを営んできた私たちのご先祖さま、その生活を彩るために美しい工芸品を生み出した地元の職人さんたち。今よりも随分不便ではあったはずだけど、日々を大切にするそんな暮らしぶりっていいなぁ〜。そんな昔日に思いを馳せながら、この日は鮎話を酒の肴に父母と杯を重ねた。そう、もちろん母の果てしない思い出話と共に。


※小瀬鵜飼を取材した文章は、とあるクライアントの広報誌にてお読みいただけます。
写真がとても素晴らしいのでぜひご覧ください。ご希望の方は下記アドレスにメール送信してください。
Sassi-ko-ryu.Koe@chuden.co.jp
1.郵便番号・住所、2.氏名(ふりがなを添えて)、3.なぜ欲しいと思ったか、を記入の上、お申込くださいませ。


大口限定フルーツサラダ【おうちごはん】


先日、ラジオのパーソナリティーであり、ベジタブル&フルーツコミュニケーターとしても活躍中の川本えこさんから、お隣の由美さん経由で冷凍いちじくをいただいた。えこさんは由美さんのご紹介で最近知り合った知性あふれる女性で、野菜や果物のスペシャリストということもあり、すぐに意気投合し(私の方が一方的にえこさんにラヴラヴになった♥)、再来週にはえこさんが講師を務めるお野菜イベントにもお邪魔することになっている。つまり、現在私の注目度ナンバーワンの素敵な女性、というわけ。そんなえこさんからいただいたのは、かくも珍しい冷凍いちじく。いちじくは私のフルーツベスト5にランクインするくらい大好きな果物である。無農薬の安心栽培だと、皮ごといただけるので、なるべく無農薬のいちじくをさがしては皮ごともぐもぐと食べるのが、この季節の私のささやかな贅沢となっている。


←こちらが冷凍いちじく。
かる〜くゆる〜く真空パックされて、
皮ごとパッキングされている。
ってことはもちろん皮も食べられる安心材料ということですな。


実のところ、この冷凍いちじくをいただいてから、これをどうやって食べようかと思案していた。生ハムといちじくという黄金コンビは美味しいのだけど、食の実験家を自称する身としてはいささか役不足のメニューだし〜。いちじくのゴマだれがけも、フレッシュないちじくに合う味わいだしネ。
いろいろ考えた結果、毎朝のフレッシュジュースづくりにアイデアを見つけ出したのだ。このコラムでも何度か紹介した「朝の野菜と果物のフレッシュジュース」、これは怠け癖のある私が珍しく一年に渡って続けているジュースづくりのことである。季節ごとに旬の野菜と果物を何種類かブレンドし、その相性を実験して楽しんでいるのだが、昨年の今頃に発見した美味しいブレンドが、トマト・オレンジ・いちじくだったのだ。


ジュースで飲んで美味しいなら、食べても美味しいハズ!と思い、上段の写真のサラダを数日前のホームパーティーで披露したというわけだ。結果はトレビアン。我が家の客人(特に女性)も大喜びだった。作り方は簡単なので、是非みなさまお試しくださいませ。


オレンジ→皮を剥き、房ごとに切り分ける。
トマト→オレンジと同じ大きさに切り、種をとる。
いちじく→大きさを揃えて切る。
お皿に盛って、上から、塩・白コショウ・オリーブオイルを適宜かけて、完成!


今回えこさんからいただいた冷凍いちじくは、味が濃厚だったのでこのサラダにはピッタリだったけど、多分フレッシュないちじくなら完熟タイプを選べば同じ味わいになると思う。いちじくは、皮ごといただける無農薬の物を買ってみてください。トマトの皮が気になる方は皮をとっちゃってもいいかもしれない。それと、いただく時は、3種類を一度に口の中に入れて味わってみてください。あ、ってことは、大口開けて食べられる人じゃないと味わえないってことかしら?私は3種類が余裕で入っちゃう大口サイズなので大丈夫だけどネ。大口の人限定のサラダレシピになっちゃいました。