えとせとら

ただ者じゃない仲間たち【えとせとら】

バンクーバー旅の日記、その2。←のイラストは旅友の一人が作成してくれた"旅のしおり"に掲載されていたもの。今回の旅の友は私のことをなぜだか「淫獣」と呼んでいる。人間扱いしてくれないのである。うぅぅぅむ、なんでかしら?


"旅のしおり"の他のページには
こんなイラストも!
面白ければ友人の私だってネタにしちゃう、
この描き手の感覚、ただ者じゃないですよね?


今回の旅の目的は、とあるパーティーへの参加だけだったので、何の気兼ねもいらない友人たちとのワイガヤツアーは、とてもラクチンなものだった。私が描かれた数々のイラストは、そんな仲間たちとの笑いを誘ってくれたので、まぁいいんですけどね。


ところが、ただ者じゃない友人は一人だけじゃなかったのである。
パーティーに参加した時の衣装で、誰よりも注目を集め、笑いを誘ったのがこの人。自称キノコロビッチ・アインシュタイン博士だった。普段はとても寡黙で優しく落ち着いたオトナな人なのに、この日ばかりは一変してアインシュタイン博士になりきっていた。


支度を終えてホテルのロビーで集合した時に、アインシュタイン博士を見たみんなは大爆笑。せっかくきれいにメイクしたはずの顔はすぐにくしゃくしゃになってしまった。アインシュタイン博士のパーティーでのご挨拶は、難しい数式を用いた例え話で良くも悪くもちんぷんかんぷんだったし。カメラを向ければ白目をむいて見せてくれる。どこまでサービス精神旺盛なんだろ、この人は。
せっかく華やかな席なので、せっせとスーツケースに着物を入れて運び、着物姿でパーティーに参加した私も、おしとやかどころか、大爆笑する着物オバサンみたくなっちゃって。まぁいっか、楽しいから。一応、書き加えておくと、この日の着物は、単衣の似紫色(紫に似せた色という意味で、かなりダークな紫色のこと)の結城紬、ヘアメイクの服部ちゃんから譲り受けた夏帯、裏葉色(黄味の少ないごく薄い黄緑で、葉の裏側の色合いという意味)の帯揚げに、祖母の形見の琥珀帯締め。シックでオトナな感じに仕上げたつもりだったんですけどね。完全にアインシュタイン博士に持ってかれてしまったという感じでした。


そんな私がカナダで購入したモノたちは、
オーガニックのシリアルや石けん、サーモンジャーキー、
そしてカナダが誇るアイスワイン〜♬
ピノノワールのアイスワインにイチゴがピッタリ合うのだそうで、
来年のイチゴ用にちゃっかり購入いたしました。


そして日本で待っててくれた仲間にも(待ってたってわけじゃないけど・・・苦笑)、やっぱりただ者じゃない友人がいました。その彼は、いつもちゃんと私のコラムを読んでくれて、いろんな知識や情報を与えてくれている。前回のコラムで、カナダのオーガニック事情について詳しい方は教えてください〜と書いたところ、珈琲を軸にして世界の食品事情に詳しい「走る珈琲愛飲者I氏」が以下のメールを送ってくれた。原文そのままコピペするので、ご興味のある方はご一読くださいませ。


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>カナダ政府が認めるオーガニックの基準は、
>日本や諸外国と比較して厳しいのか、それとももしかして緩いのだろうか。

これは難しい課題です。厳しいともいえ、緩いともいえる。前提としてドイツを始めとするヨーロッパ各国に比べて、オーガニックに対するカナダの国家的規格制定の動きは歴史的には遅く、ほぼ今世紀に入ってから。未だに「カナダ政府が認める」基準は整備しきれていません。もともとカナダは「国が決めても州がいうこときかない体質」があるため、カナダ政府は「まぁ、アメリカの基準に準拠すりゃいいんじゃないの?」程度の姿勢。この点、何につけても「親方日の丸体質」の日本は、いざオーガニックを規定すると有機JASを設けはするが、国家的管理団体JA=農協の「慣行農法にジャマな有機農法は酔狂モンのやることだ」という反オーガニック圧力が本音で、ちっともオーガニックが市場に浸透しない現状…カナダと社会的体質が違いますね。
つまり日本では、大手団体が「オーガニックは嫌」、対して専門家が「大手にオーガニックを市場化させて骨抜きにさせるな」っていう喧嘩が繰り返されて、結果としてちっともオーガニック市場が拡大しないわけです。
で、カナダのオーガニック市場はというと、政府云々より前にアメリカ企業がオーガニック付加価値市場の草刈場としてバンバン参入し、これに対抗するべくカナダ地元企業もジャンジャンとオーガニック商品を投入してきたので、結果、この内外競争がもっとも激しいBC州などは、世界一のオーガニック天国になっちゃったワケです。
ちなみに、アメリカ型規格は「生産方法が有機なら作物が遺伝子組み換えでもオーガニック!」という考え方をするため、このままカナダ市場に持ち込まれるとかなり緩いオーガニック市場になってしまいますが、政府に頼らずカナダ国家規格より厳しい独自基準を設けている州と認定団体が多いので、つまり「厳しいともいえ、緩いともいえる」ワケです。

以上のように、カナダのオーガニック市場は、
1:国家統制的な統一性がない(日本やEUと違う)
2:資本主義市場化に乗って普及している(日本と違う)
3:政府に頼らず独自基準は厳しい(日本やアメリカと違う)
という特徴をもっています。

あ、それでも最近は国家単位で統一化を進めているカナダですが、他ごとと同様にケベック州だけは足並みを揃えていません。
ケベックのオーガニック基準の根本は(誇張した表現ですが)、
1:理屈もクソもなく他州の基準とは違うものにする
2:健康より美容に関わる基準がやたら厳しい
という、ヤッパリな姿勢ですw