LARMES Column

そうめんな日々【徒然なるお仕事】


今日は11月29日、いい肉の日、じゃありませんか。それなのに私は相変わらずそうめんの日々なんです・・・。というのも実は現在、とある製麺メーカーさんのお仕事で、そうめんを使う新しい料理レシピの開発に携わっているのだ。なんでコピーライターが料理レシピ???とお思いですよね。そうなんです、なぜかコピーライターとしての近藤マリコではなく、普段から食の実験が好きで、人を呼んでは実験料理を作って食べて喜ぶという私の個人的な趣味を、とある人が評価してくださり、コピーライターとしてではなく、食の実験家としてお仕事を依頼されたのだ。今迄にも、何か一つの食材をテーマにして、その効能や賢い使い方やその食材で作るチョ〜簡単レシピを書いてよ、と主婦の知恵的な内容でコピーを書いたことは何度もあり、とあるwebでは私の身勝手な実験料理コーナーが定番となったこともあったんだけど。それは、あくまでもコピーライターである私にいただいたお仕事の依頼だったし、本業はコピー、でもついでに料理のレシピも書いちゃって、みたいなノリの内容だった。でも今回は違う。コピーらしき仕事は料理のネーミングぐらいのもので、あとは純粋に料理レシピ、なのである。


私なんかでいいのかしら。と迷っているうちに、そうめんの箱が2箱もどど〜んと宅配便で届いた。早速、そうめんを開けてみると・・・上記の写真のように、手打ちの立派な麺がこよりで結ばれ、入っているではありませんか。むむむ、なんだか美味しそう。というわけで速攻で季節はずれのそうめんをいただいてみると、お、美味しい。手打ち麺ならではのコシ、加熱しても変わらないモチモチ感。これはイケル。そう思った瞬間、このお仕事を受けることを決めていた。半生麺であること、コシの強さはそうめんの域ではないこと、好きな分だけハサミでカットして食べる麺であること、これらの特徴を活かしたレシピがいくらでも出て来そうだ。そうめんイコール夏、というイメージが定着しすぎて、秋から冬は売れゆきががくんと落ちる。それを打破するためには、真冬でも美味しいそうめんの食べ方をメーカー側が伝授する必要があるのだ。そういう意味では、ものがなしい晩秋の寒い日に、このレシピ開発ができたのは私にとってもラッキーだったと思う。


そんなこんなで約3週間。大好きな食の実験を繰り返し、洋風、和風、中華風、スイーツと、思いついたメニューを限りなく試し、その実験も終盤に近づいてホッと安心しているところである。それにしても、約3週間はおうちごはんでそうめんばっか、というのも、なかなか辛いもんですね。


段ボールで2箱も届いたそうめんは、まだまだたくさん残っているので、近々我が家にいらっしゃるご予定の皆様、メニューに一品は間違いなくそうめんが入ることになりそうです。どうぞご勘弁を。
ちなみにこのそうめんレシピ、やがて完成してブックになったら、このコラムでもご紹介するので、是非その商品をご購入くださいまし。料理レシピブックも一緒についてくるはずですので。


千家十職と洛中洛外図【伝統工芸の職人たち】


昔から私の悪い癖のひとつが、美術館の展覧ぎりぎりにすべり込みセーフして、時間制限がある中を慌てて観覧することである。またまた今回もそうだった。先日お邪魔したのが、愛知県碧南市にある「藤井達吉現代美術館」でおこなわれている[千家十職×みんぱく]という特別展だった。この美術館、名前は何度か聞いたことがあって、なかなか通好みの展覧をすることで知られつつあるらしい。千家十職と言えば、家庭画法をご覧になっている読者の方々はご存知だと思うが(連載されていたので)、茶事のあらゆる道具を作り伝える京都の十の家(職人)のこと。そして、みんぱくと言えば、日本が誇る研究機関でもあり博物館でもある国立民俗学博物館を略した言葉。この展覧会は、みんぱくが研究しコレクションしている何十万点にも及ぶ工芸品から、千家十職の当代がインスピレーションを受けてコラボレーションした作品を生み出し、展覧しているものである。千家十職という職人の家柄を大切に守り伝える当代の心意気を、作品を通して感じることのできる稀有な企画展だった。職人好き、工芸品好きの私にとって、千家十職は憧憬の的ということもあり、JRの車内で展覧の中吊りを見て以来、「ちょっと遠いけど、絶対に行くぞ〜」と心に決めていたものだった。


藤井達吉現代美術館は、昔の豪商街?と思われる一角にあり、
なかなか落ち着いた美術館だった。
一階にあるカフェは、手作りメニューが温かな印象の
アットホームな空間でオススメです。
ここに、やっとこさ行けたというわけ。コラボレーションの中身については見た人だけが感じることのできる世界なので、ここでは言及を避けるが、千家の方々がどんなご苦労を常々抱えて制作活動に携わっているかは作品越しに伝わってきたような気がした。千利休という偉大な先人の思想を受け継ぐわけだから、その家での子息に対する教育は生半可なものではなかったはず。そういうものの見方をする人でなければ生み出せない力強さが、作品群から感じることができた。これはあと少し、12月5日まで開催されているので、ご興味のある方は是非に!


こちらは岐阜市の歴史博物館で火曜日まで開催されていた「洛中洛外図に描かれた世界」。岐阜市の長良川河畔で生まれ育った私は、博物館のある岐阜公園は小さいころの遊び場だった。河畔の古い街並・川原町に祖父母の家があり、同じく川原町にある老舗旅館の十八楼は親しみ深い空間でもある。今回、この展覧会に展示されていた洛中洛外図の一点は、この十八楼が数年前まで個人所有していたもの。数年前に岐阜市に寄贈されたことで、修復計画が持ち上がり、多くの修復師の手を経て、はじめての公開となったのである。十八楼の大女将からご案内をいただいたので、早く行かなくちゃ終わっちゃうよ!と母に言われていたのに、なかなか時間が見つからなくて。まさに最終の火曜日に、母と叔母と女3人でお邪魔したというわけだ。


紅葉はじまった金華山を仰ぎ見て

紅葉はじまった金華山を仰ぎ見て

この時期の定番、菊花展!

この時期の定番、菊花展!

樹木ひとつひとつに思い出がある♥

樹木ひとつひとつに思い出がある♥


十八楼から寄贈された洛中洛外図は、岡山の林原美術館が所有しているものと同じ工房で制作されたことがわかっており、今回は林原美術館の洛中洛外図も展示され、その他にも徳川美術館やら方々の洛中洛外図が大集合。一度にこんなたくさんの洛中洛外図を見たのははじめてのことだったので、その違いを比較しながら楽しむことができた。面白かったのは京都の街のレイアウトである。徳川ルートと思われるものは、家康公が建立した二条城を大きく真ん中にレイアウトしている。一方、遊興好き?なオーナーのものは、祇園の芝居小屋が大きく真ん中に描かれ、道を歩く人もなにげに楽しそうである。「我が親戚一同は、どう考えても二条城派じゃなくて芝居小屋派だよね」と笑いながら見ていたら、そこに十八楼の若女将の知子さんが!旅館の女将業に多忙な毎日を送る知子さんは、ご自分の家が寄贈した作品なのに「今日はじめて見たんです」とおっしゃっていた。ぎりぎりすべり込みセーフを母になじられていた私は俄然気持ちが大きくなる。だって毎日お仕事してるんですもの、そんなものよね〜と大きな鳩胸をほっとなでおろした。


南信州の秋を満喫した取材【徒然なるお仕事】


またまた行ってまいりました、大好きな信州に。今回は飯田市を中心にした南信州エリアで、名古屋からは比較的近い信州なのでなんとなく親近感がある。この日は、市田柿の農家さんや、JAの方にお会いし、長野県の、いや南信州の肥沃な大地の恵みについてお話をうかがった。


大地に踏ん張って土を耕し、額に汗を流す人の言葉は、爽やかなのにとても重いものがあった。農業従事が高齢者に依っていて、この先、農業を継ぐ人がいないこと。地球温暖化は都会に住む私たちよりもおそらくずっと身近に、土や果物や野菜を触っていて感じるという話。日本の農業の未来は決して明るくとは言えないけど、この土地が好きでこの土地で採れた美味しい野菜を食べて生きていくんだという強い意思。中には専業農家を営む30代前半の若いご夫婦がいた。「農地を耕して生きていると、お金なんていらないんですよ。自分たちが食べる分は作っている野菜で賄えるし、洋服なんて作業の格好でいいし。電気代とかガス代くらいですかね、現金が必要なのは。だから野菜を作って売らなきゃいけないんですけど、あはは」と屈託なく笑うのである。


ケータイ代が今月は高いな〜とか、12月はパーティーが多いけど洋服どうしよ、とか、そんな悩みを持っている私とは、生活の崇高さが違うのである。若夫婦の奥さんは、化粧っけのない赤ちゃんのような白い肌で、目がとっても綺麗だった。こういう「美しい人」に出逢うと、人間の美しさは生き方に現れるんだなぁということを痛感させられる。一言で言ってしまえば、ピュアなんですね。心も体も生き方もピュア。私みたいにドロドロしてない(多分血液も)。今すぐに農業に従事して田舎暮らしを実行せよ、と言われて、果たして出来るだろうか、と究極な自問自答をしながら、帰路についた私でありました。


早朝の天竜川にかならずかかると言われる川霧!

早朝の天竜川にかならずかかると言われる川霧!

川霧を見た日の午後は、こんなに晴天でびっくり。

川霧を見た日の午後は、こんなに晴天でびっくり。

秘境・下栗の里から見晴らす南信州の大地

秘境・下栗の里から見晴らす南信州の大地

これは宿泊先ホテルのロビーで見つけた奇妙な組み合わせ!
ソフトクリームの横に、電気温風機。
ソフトクリームが食べたいような食べたくないような・・・。
これ、ちなみに朝5時50分の図です。


これが今回取材のおやつ、ではなくて、取材雑費!
疲れた時に甘い物を食べると、とりあえず疲れがとれるので。
この日はキャラメルを購入。
いつもはチョコレートとかね。
ガムは取材前に必ず噛むようにしている。取材する時の一応のエチケットですね。一番下のは、車の中で寝ないように、目ぱっちりにするための居眠り防止ガム!これすべて取材雑費でございます。


これは帰り道、中央高速を走っていて、突如目の前に現れた夕日!
まん丸の太陽が目の前にぽっかり浮かんでいて、それに向かって走っていた私たち。なんともロマンティックでした。
はっと気づいてカメラを構えたら、もう太陽の姿はなく、
こんな残像になってしまったけど、これでも十分美しいでしょう?赤からオレンジ、青とグラデーションしている空は、本当に綺麗でした。これで隣に乗っているのがディレクターとかカメラマンとかじゃなかったらな〜、もっとロマンティックだったんだけど(笑)。


野菜の力とアラン・パッサール!【徒然なるお仕事】


じゃじゃ〜ん。かの三ツ星シェフ、アラン・パッサール氏とツーショット撮影しちゃいました。えへへ。ミーハーですみません。これはとある企業の広報誌制作で、日本に来ていたパッサール氏を取材した時のもの。アラン・パッサールと言えば、パリの三ツ星レストラン「アルページュ」のオーナーシェフとして日本でも知られ、さらに肉の魔術師と言われていたのに突然野菜料理のスペシャリストとして変貌したことでも有名な人だ。私がアルページュで食事したのはかれこれ4年ほど前のことなんだけど、その時はすでにほぼ野菜で構成されたメニューで世界一高価なレストランという評価が一般的になっていた。野菜だけで片手のコース料理なんて、いっくらなんでもあぁ〜た高すぎやしませんか?と思いつつ彼の料理をいただいたんだけど、食べ進むに従って、あ〜ここまで野菜が主役の料理として昇華させているのなら、確かに片手というのもうなづけるなぁと次第にパッサール氏の野菜マジックの虜になっていったのを覚えている。せっかく取材できるのだから、その時に感動したカブの料理のことを話そう!と心に決めていたのに、実際に面と向かうと、そんなことはすっかり忘れてしまっていた。4年前にお店にお邪魔したんです、と話しかけたら「あ、そう。あの時と今日の私は別人。今日はお祭りのようなものだから、パリとは違った楽しみ方をして欲しいんだよ」とさらっとかわされてしまったのだ。予想外のリアクションにどぎまぎしていると、「はい、さぁ、記念撮影ね、ほらあっちを見て笑って〜」とパッサール氏のペースにはまってしまって、↑のようなことになったのだ。うぅ〜不覚〜。


これが、その日の晩餐会にて使用された野菜の数々。
企業広報誌の撮影も同時進行したので、
私たちはこの大量の野菜と格闘しながら
撮影に取り組んだ。
野菜って並べると綺麗ですよね〜。


20代のころはぺろっと食べちゃってたフレンチフルコースが、さすがに最近はもたれるのだけどね。この夜の晩餐会のパッサールメニューは、おなかいっぱいにはなったものの、もたれる感覚はまったくなかった(Kさん、私だけ悠々といただいちゃってすみませんでした!)。野菜ひとつひとつの味を大切にして、それが最も引き立つ料理を考え、火入れに細心の技術を用い、ストレートに野菜の旨味を味わうメニューだからだ。驚いたのは翌日のこと。季節はずれの台風が来ていたので、予定よりも早い新幹線に乗り込んだ私は、車窓から景色を楽しんでいた。窓に映る自分の顔を見てビックリしたのである。顔の生気が昨日までの自分と全然違うのだ。先日のコラムでも書いたけど、夏以来、肌の調子がずっとおかしかったので、肌の生気には敏感になっていた私。大地の栄養をたっぷり摂ったからか、いつもよりも肌がしっとりとしていた。野菜の力ってすごい!豚肉とか鶏肉でコラーゲンを摂るのとはワケが違いますよね。
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以下、妄想→ってことは、毎日アラン・パッサール氏の料理を食べていれば、肌はきれいになるってこと???アラブの大富豪に見初められたらそれも可能かもしれないけどね〜。パッサール氏を専属料理人にするのは無理にしても、スーシェフあたりだったら専属になってくれるかもな〜。あ、そういやパリのアラブ人にナンパされたことあったっけな〜。サンミッシェルのホテルの持ち主だけど、某リッツとは桁違い・・・。まだあのホテルあるかな〜。
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ここのところ事情あって素麺ばかり食べている私はお肌の調子も良くないので、そろそろ無尽蔵にふくらむ妄想は打ち切って今夜は眠ることにする。妄想オチでパッサールさん申し訳ない!ではおやすみなさい。


最後に、まったく野菜話とは関係ないけどがっ。この取材のために何十年かぶりに乗った踊り子号!学生時代、ゼミ教授の別荘が伊豆下田にあったため、夏のゼミ合宿は毎年下田でおこなわれていた。踊り子号はその時の思い出に直結する。なつかし〜!


天ぷら はやし 日本橋【200字で綴る美味の想い出】

江戸前の天ぷらと言えば、ゴマ油を使って黒く香ばしくあがったものだと思っていた。日本橋のはやしに行くまでは。はやしの天ぷらは、ヒマワリ油を使っている。決して黒くもなく必要以上に香ばしくもない。上品そのものだ。素材ごとに衣の厚さと火加減を替え、丁寧に仕上げる技から、これこそ上町の江戸前なのだと教えられた。綺麗に磨かれた白木のカウンターと掃除の行き届いたお鍋まわりは、ご亭主の仕事の丁寧さを物語っている。

※いわゆるグルメブログは、多くのブロガーの方々にお任せするとして。ここでは、愛してやまないお店、あるいはたった一夜の素晴らしい記憶について200字の文章で綴りたいと思います。お店や写真のデータは記載いたしませんので来訪希望の方は申し訳ありませんがご自身でお調べください。


姪っこからのバンコク便り【えとせとら】

今年の春から名古屋で大学院生となった姪っこアユミは、毎日遅くまで研究だか勉強だかをしていたらしく、せっかく近くにいるのになかなか会うチャンスがなかった(ご飯をご馳走してあげると誘っても、アユミは行きたいけど行けないと泣きながら悔しがっていた。大学院っつうのはホントにたくさん勉強するところなんですねぇ、当たり前だけど)。大学院でどんなことを学ぶのかしら?ということを周囲が理解する間もなく大学院を休学し、彼女が目指す国際開発分野の世界でインターンとなってバンコクへと旅立ったのが、およそ一ヶ月前。国際開発ってどんなことやるの?と何度か聞いたような気もするが、私はいまだにはっきりとわかっていない。
彼女が今インターンを務めているのは、国連の関連であるIOM(国際移住機関、移民の受け入れと社会統合に取り組む国際機関)である。今日、IOMのオフィスの様子や、住んでいるマンションの写真などが送られてきて、バンコクでのアユミの生活風景をかいま見ることが出来た。なんともまぁ楽しそうな顔をして写真に映っているところを見ると、すでにオフィスに馴染んでいるのだな、とホッとした。子供の時から親の仕事の都合でいろんな国を行ったり来たり。せっかく日本に帰ってきたと思ったら、大学で下宿したり、留学したり、春からは名古屋にやって来たりと、ひとつの土地に根を下ろすという感覚を持たないままオトナになってしまったのである。そんなアユミが、移民に関わる国際機関でインターンとはいえ働くことになるとは、なんだか運命って不思議なものだなぁと思う。



上の写真は、アユミがバンコクに旅立つ前夜に、誕生日祝いを兼ねて壮行会をした時のもの。彼女が世界で一番好きなお寿司を一緒に食べに行った。食べている時が最も幸せそうな顔になるので、見ている方も思わず笑ってしまう。


これはその翌日の中部国際空港。
空港についた頃から、喉が痛くなった、寒い、風邪かもと言いつつ、ゲートへと向かうアユミ。
この後、アユミの身にとんでもないことが連続しておきたのだった。


トラブルその1→なんとロストバゲージになってしまいスーツケースがないまま入国へ。(翌々日に遅れてスーツケースだけが到着したそう)
トラブルその2→バンコクについてから高熱が出て寝込んでしまい、顔は腫れ、心配になって病院に行く。
トラブルその3→診断の結果、病名は急性耳腺炎。つまりおたふく風邪である。片方の頬がパンパンに腫れてしまったらしい。
トラブルその4→数日後の初出勤の日は、まだ少し腫れが残っていたそうで、それは気落ちしたんじゃないかと私も勝手に心配してしまった。


そんなわけで、踏んだり蹴ったりのスタートだったバンコク生活も、今は随分慣れた様子で生き生きと仕事をしているみたいだ。あの日、アユミを空港に見送ってから、私はその足で、ある方のご尊父様のご葬儀に参列した。ちょうど私の親世代の方のご葬儀だったこともあり、ついつい自分の身と重ねてしまって、哀しく複雑な思いでお見送りさせていただいた。これから社会に出て行こうとしているアユミの姿に眩しさを覚え、一方でこの世から旅立つ人もいるという現実。あぁ、私もアユミの年齢の頃は何も心配事などなく、前途洋々と未来だけを見つめていたのだわ。今のアユミがそうなように、私も怖いもの知らずだったし、両親も元気で病気などしていなかった。本当に時間って残酷なものですね。半年間のインターンを終えてアユミが帰国した時、ひとまわり成長している彼女から、私はどんな刺激を受けるんだろう。


酷暑がもたらしたもの【今日の地球】

一気に寒くなったり、小春日和が続いたり。なんともよくわからない気候でございます。寒いのがめっきり苦手な私は、今の季節が過ごしやすいあまりに夏の猛暑を忘れてしまっていたのだけど。今年の夏の暑さは、今頃になっていろいろな影響となって表面に出てきている。松茸などのキノコ類が異常に多く採れるとか、紅葉する樹木が赤くなる前に枯れてしまっているとか、木の実が成らないから熊が町に餌を探して降りてくるとか。自然界に間違いなく負荷がかかっているのは明らかで、地球温暖化がこのまま進んだら私たちの暮らしはどうなってしまうのだろうかと大きな鳩胸をいためて心配している。


そんな鳩胸の私に酷暑がもたらしたものは、熊並みに大きな心配事だった。というのも、顔のあちこちに湿疹のようなものができ、顔が赤らんでしまったからである。特にビックリしたのは左の写真の時のこと。約2ヶ月前のドスッピンの顔でございます。スッピンを公開するなんて犯罪と同じ・・・とは分かっちゃいるのだが、今回ばかりはご勘弁くだされ。この写真は皮膚科のドクターに見せるために撮影したものなのだ。鼻梁の横にピンク色で痣のようなものができているでしょ?これ、前日の夕方くらいからなんとなく鼻の横がむずがゆくなり、翌朝起きたら、こんなにくっきりと痣になっていたのだ。ほっぺたも赤くなっていて、ビックリするのを通り越して、ショックで外に出掛けられないほどだった。


友人に皮膚科を紹介してもらい、ご近所のドクターのところに駆け込んだところ、もしかすると膠原病かもしれませんから血液検査しましょうと言われ、再びショックを受ける。検査の結果は膠原病ではなかったのでホッとしたんだけど、結局原因は分からずじまい。薬をもらってつけていたら痣は自然に治っていった。この痣の形、よぉく見ると♥マークに思えてきて、なかなか愛おしい気持ちになったりもしたが、場所が場所だけに目立っていけませんでした。


こちらは、私が痣で悩んでいる頃、
我が家に遊びにやって来た姪っこアイの目元写真。
私の半分以下の年齢、
やっぱりハタチの肌ってピッチピチできれいだよね〜。


皮膚科のドクターの見立てによると、私の痣と肌の赤みは、外的な要因で日焼けによるものではないかと言われた。確かに仕事先へ出向くのに自転車を乗り回したし、実家の引っ越し作業に伴って、真っ昼間に日焼け止めも塗らずにしょっちゅう車を運転したので腕が真っ黒になってしまった。いつもの倍以上の紫外線を浴びたのは間違いないので、ホントにもしかしたら酷暑がもたらした痣なのかもしれないのだ。


人間の手で温暖化を止めること、どこまで出来るのかわからないけど、私たち女性の肌を守るためにも、電気はこまめに消し、エコな暮らしに心掛けなくては、と改めて誓った私でございました。


あなたにとってMerryとは?【今日の地球】



神無月も終わりましたね〜。↑の写真は、COP10と名古屋開府400年を記念しておこなわれたMerryProject。MerryProjectとは、名古屋出身のアートディレクター水谷孝次氏が提唱しているもので「笑顔は世界共通のコミュニケーション」をテーマにMerryの輪を広げていくコミュニケーションアートである。水谷さんは資金を自費で賄って(実際は賄いきれずに大赤字なのだそうだが)地球を想い、国境を超えて活動している。戦争や災害にあった国に水谷さんがおもむき、悲しい状況の中でも未来を見つめて笑う子供たちを水谷さんが撮影し、それを傘に仕立てる。MerryProjectはいろんな人が集まった所で、笑顔の傘を広げてコミュニケーションアート作品として仕上げるもの。今回はCOP10の会場である名古屋・白鳥の国際会議場で行われ、それに私も参加してきたというワケだ。このMerryProjectでは「あなたにとってMerryとは何ですか?」と問いかける。そこで、私にとってのMerryって何だろう?と自問自答してみた。ひとつのテーマをもとに自分を見直すという行為は、割と好きな作業なのだ。私がMerryだわ♥と感じる時はほとんどの場合カメラに収めているので、最近の写真を眺めてみると・・・・。


このプロジェクトに誘ってくださったのは、
コピーライターの大御所モリケンさんと奥方のスッちゃま。
アルファルファみたいで気持ち良さそうな腕毛を
さわさわしてMerryコミュニケートさせてもらいました。


ニンジンパンに、ハイジの白パン。フランス土産にいただいた大好きなマロンペースト。いただきものコミュニケーションでMerryに!

ニンジンパンに、ハイジの白パン。フランス土産にいただいた大好きなマロンペースト。いただきものコミュニケーションでMerryに!

いただきものの「秋映えリンゴ」にいただきものの「りんご酢」で作ったドレッシングを合わせたら絶品リンゴサラダになった!

いただきものの「秋映えリンゴ」にいただきものの「りんご酢」で作ったドレッシングを合わせたら絶品リンゴサラダになった!

そしてある夜は、伝説のアンコウ鍋のお店で。
眼科ドクターであり、衆議院議員をお務めになっている吉田つねひこ先生と久々にご一緒させていただいた。アンコウ鍋の美味しさはもとより、つねひこ先生との再会が、とてもMerryな夜だった。


もう今年は咲かないかとあきらめていたほととぎすが、寒空のもと咲いたのは嬉しかった〜。

もう今年は咲かないかとあきらめていたほととぎすが、寒空のもと咲いたのは嬉しかった〜。

これまた頂き物のサンタンドレにジャンボンブランを合わせて前菜に♥めっちゃ良い組み合わせでした。

これまた頂き物のサンタンドレにジャンボンブランを合わせて前菜に♥めっちゃ良い組み合わせでした。

はじめて作ったトマト鍋。この作り方でいいんだかどうだか。でも美味しかったです。

はじめて作ったトマト鍋。この作り方でいいんだかどうだか。でも美味しかったです。


皆さんすでにお気づきだとは思うのだけど、結局、美味しいものを食べて、お裾分けをいただける日常というのが私にとって一番Merryなことなのだわ。そりゃ誰だってそうだよ、とつっこまれそうだけど、意外にそうでもないと思うのでありマス。きらびやかな宝石や美しいドレスに身を包むことこそMerryと感じる女性の方が一般的には多いのだ。食欲旺盛な私は、モリケンさんの腕毛でさえアルファルファに見えちゃうわけで、人間の三大欲を追求していればご機嫌が良いという原始的な精神構造をしている。おそらく水谷さんにMerryな撮影をしていただくとするなら、炊きたてご飯と海苔とお茶を眼前にしてにっこり微笑んでいる、という図が私にはふさわしいんじゃないかな。
さぁて、あなたにとってMerryとは何ですか?ちょっと考えてみてくださいまし。


お蕎麦屋にて地酒の会【えとせとら】


妙齢(!)のクリエイター5人で始めた逸品もっとよくなるプロジェクト。その活動の一貫として、今月スタートを切ったのが「もっと!地酒の会」である。第一回定例会は、手打ち蕎麦・小料理「和蕎楽」(わそら)を会場に、11名の日本酒好きが集って開催された。「もっと!地酒の会」では、毎回ひとつの蔵元からおすすめの日本酒を何種類かご提供いただく。蔵元の風土や、どんな環境でお酒が作られているかを、飲み比べしながら舌上で実感していくのである。飲み手の感想は蔵元へとフィードバックされるので「もっと!地酒の会」が、作り手と飲み手の媒介となるのだ。


今回ご提供いただいたのは、岐阜県各務原市の小町酒造さん。上の写真と左の写真の計5種類で、それぞれにまったく異なった個性を持つお酒だったので、飲み手の好みがはっきりと分かれた。私の印象では「しぼったまま純米」がベスト。少し冷やしていただいた←にごり発泡も爽やかでミルキーな口当たりがなかなかの出来。とまぁこんな風に、参加者それぞれが自分勝手に感想を言い合い、このネーミングはわかりにくいよね、とか、ラベルデザインは女性向けだよね、とか、広告業界特有の会話で盛り上がった(予想以上にほとんどが広告業界のクリエイターやディレクターだったため)。酔いがいい感じでまわってくると、日本酒に対する熱き想いを語る人もいれば、女性と一緒に恋バナに夢中になってるオジサンがいたりで、これもまた良き日本酒の風景なのである。


会場の「和蕎楽」(わそら)さんでは、地酒の会だからとお気遣いくださったようで、日本酒のアテがたっぷりのっかった八寸をご用意してくださった。おなかも心も満たされる料理の数々には感謝でございます。そして最後の〆はもちろん、秋の4たてを楽しむ「お蕎麦」。地酒を飲む会にお蕎麦屋さんはふさわしい場所ですよね。香気ただよう秋の蕎麦を手繰って、第一回定例会は幕を閉じたのである。蕎麦屋で長っ尻をしては江戸っ子から怒られちゃいそうだけど、日本酒文化のひとつ「お酒と共に会話も楽しむ」のが目的でもあるので、そこんところ、江戸っ子の粋人にはこれからも目をつぶっていただこうと思う。次回の蔵元は現在鋭意選定中。「もっと!地酒の会」にご興味のある方はお気軽にお問い合わせくださいまし。


地酒の会だから〜キモノでお出掛け。
縦縞のキモノに緑の帯、緑の半襟、黄緑の帯掛け。
COP10をテーマに緑オンパレードにしてみたんデス。
テレビ塔も緑になってることですし。
帯留は仕事仲間のイラストレーター遠山画伯のダイレクトペインティングのブローチ。坂本龍一氏が提唱する環境活動MoreTreesに参画している遠山画伯が、無垢の檜に直接描いたカエルと虫の絵。森の中の生物を描くというテーマだったんだそうだ。ブローチだけど帯留めにしても可愛いでしょ?誰も気づいてくれなかったけどね(苦笑)。


ドンペリニョン×ウォーホル【一杯の幸せ】


はたと気づけばもう10月も終わり。秋を一気に飛び越えて冬がやって来ちゃった今日このごろ、いかがお過ごしですか?そんなわけで、すっかり冬に先を越されてしまった感のある秋。この季節は、芸能や美食に恵まれる季節でもある。秋深まればなんとやら・・・で、何かとかこつけて●●の秋とか銘打って、イベントごとが開催されるからだ。先週お邪魔してきたのは、美食ならぬ美飲の秋ということで、日本ではシャンパンの代名詞にもなっちゃったドンペリニョンのパーティーだった。ウォーホルが作品で用いたポップな6色をドンペリニョン2002のエチケットのベースカラーにしちゃうという、ウォーホル好きな日本人にはたまらない企画ものであった。↑ワインクーラーもこんな感じでポップな色が変化する。


ほらほら、グリーンとピンク。
少したつと、ブルーやオレンジに変わってゆく。
ウォーホルバージョンの限定品なんでしょうね〜。


会場には、かの有名なマリリンモンローや、キャンベルスープのポスターなどが映像と共に展示され、それを鑑賞しながらドンペリニョン2002をいただくという贅沢な催し。


グラスもウォーホル仕様。
よぉく見ると、ドンペリニョンのエチケットがプリントされていて、
その色がウォーホルカラーになっていた。
脚元にはチャームがついていて、
来場者にプレゼントされる携帯ストラップ。


このパーティー、ドレスコードが「カラフル」で、それはウォーホルカラーの6色をイメージさせる言葉だったのだが、残念ながら来場者のほとんどはダークカラーのスーツ族ばかりだったので、会場となったレストランの真っ黒なソファやテーブルにすっかり馴染んでしまい、あまりカラフルないでたちではなかったのだけれど。受付を済ませると、一人ずつ写真を撮影していただく。その写真は帰る時にプレゼントしますよ、と係の方がおっしゃったので「イマドキ写真のプレゼントなんて・・・」と少々訝しんでいたのだけど。その実ビックリするプレゼントとして渡されたのである。


こちらがそのプレゼントされた写真。
ドンペリニョンのロゴマークがくっきりとぉ〜!
なによ、これみよがしに・・・と思ったのも束の間。


中身はコレだったんであります。
思い切り、ウォーホルの作品に私の顔がっっっっ!
Macでちょちょいのちょいっと仕事すれば簡単なこととはいえ、
これが実際に手渡しされると感動するもんであります。
撮影してくださったカメラマンの後ろで難しい顔してMacを触っていた方達はこれを作ってくださっていたのか〜。ね、ね、ね、すごいでしょぉ〜!?さすがドンペリニョン。さすがウォーホル。
それにしても我ながら感じたことは「なんか白っぽい画面多くね!?」そうなんです、顔の凹凸がないあまりに、肉肉しい感じが強調されてますよね???ご一緒してくださった紳士の方々に聞いてみたところ「確かに〜白っぽいよね」「肉肉しいでしょ?」「ふむ、ほっぺたのあたりが肉肉しい」「なんか肉まんみたいじゃね?」「・・・・・」
というわけで、私がウォーホルとコラボすると、こんな風に肉肉しい肉まんみたいになっちゃうらしいです。そんなことを教えてくれたドンペリニョンはやっぱり素晴らしいメゾンなのかも。ドンペリニョン×ウォーホルの2002は、今秋からいろんなレストランでいただけるそうです。ドンペリニョン2002に出逢った方は、是非、ワタクシの肉肉しい顔を思い浮かべて美酒をあおってくださいまし!