LARMES Column

ゆく人、くる人。【えとせとら】

あけましておめでとうございます。とは申しましても、私の中では2010年はまだ終わっていなくて(苦笑)、「お正月のお休み明けまで」という〆切原稿を抱えたまま、とうとうお正月に突入しちゃったという状況です。なんせ年賀状さえ制作できずに終わってしまったのですから・・・こんなことはじめてだぁ〜〜〜泣。思えば12月は1日もお休みがなかった。実家の引越作業に追われる時も、夜は両親が寝静まるのを待ってPCを開いていたし。というわけで、ホントは〆切を抱えたままのお正月ではあったけど、元旦だけは仕事から離れようとPCの電源を入れずにひたすら寝正月を決め込んだ。そこで、ぼんやりと2010年を振り返ってみたら、2010年は多くの方を亡くし、多くの方と出逢えた一年だった。
友人のご主人、大学時代の友人、そして多くのことを教えてくださった和食の料理人のじゅうべえさんを亡くした。これは特に辛かった。今でも、大好きなじゅうべえさんのお料理やお人柄を思い出して、時に涙にくれることがある。この他にも、12月に喪中を知らせるハガキが、例年よりも多かったような気がするのは、私の年齢のせいだろうか。
年末も押し迫ったころ、心に小さな傷を作った。ネット上でのコミュニケーションのあまりの簡単さに危惧を抱いていたのだが、くしくもその簡単なコミュニケーション上で、誤解とすれ違いが怒りを生んでしまったのである。仕事上、仕組みを知らなければと思って始めたツイッター。なかなか面白さが理解できないままに、フォローする数も増えなくて、当然フォロワーも大した数ではなかったのだけど。とある人のツイートに戯れたツイートを返信したところ、それが相手の怒りを買ってしまったのである。文字で書かれた文章では自分の真の気持ちを伝えきれないことから、こういうすれ違いはよくあることだ。今迄もメールに何気なく書いた言葉で相手を傷つけたり傷つけられたりして、その後に顔を見て話せば誤解はとけたという経験が私にも何度かある。そのケースもそうだと思っていた。ところが、なんと相手は私のフォローを解除したのである。ビックリした。ショックだった。相手が有名人でもない限り、フォローを解除するって「もうこの人との関係を絶つ」ってことだと思っちゃうんだな、昭和世代としては。思えば、クリックひとつで友人になっちゃったり(ツイッターに限らずね)、匿名で人の悪口を好き放題に書いたり袋だたきにしたり。なんだか自分勝手な世の中になっちゃったんだなぁと悲観していたのだけど、まさか自分がそんな目に遭うとは思いもよらない出来事だった。
これとは真反対のエピソードで、ネット上の簡単な行き来により新しく出逢った方達もいた。東急ハンズでお買い物をしていた時のこと。ステーショナリーを熱心に見ていた私に、20代後半くらいの可愛らしい女性が声をかけてくださったのである。「ラルムの涙さん、ですよね?」と。これまたビックリした。その女性とは名刺交換した覚えはないからである。どうやら「伝統工芸 名古屋」と検索したら我がwebに行き着いたようで、その偶然の検索以来、このコラムを欠かさず読んでくださっているそうだ。感謝感謝。奥三河の花祭に出掛けた時もそうだった。私が書いた花祭のコラムを読んでくださっていた方から「あんたに会いたかったんだよ!」といきなりお酒をつがれたのである。嬉しいような恥ずかしいような気分だった。そして同じような嬉しい驚きが年末のワインパーティーでもあったのだ。岐阜市にあるワインショップの男性が、やはり声をかけてくださった。これは知り合いのwebからのリンクで訪問してくださったようで「いつもコラムを拝見しています、楽しみにしていますよ」とおっしゃっていただいた。嬉しかったな〜。ネットがなければ知り合うこともなかった方たち。これも「簡単なワンクリック」のおかげだと思うと、なんだかな〜と複雑な気持ちになった。ま、そんなわけで、2010年はゆく人もたくさんいて哀しかったけど、くる人とも知り合えて、にぎやかな一年でした。2011年は実家の片付けと掃除、そして原稿〆切に追われる三が日で始まっちゃったけど、どうか今年も良い一年でありますように。そして懲りずにこのコラムを読んでくださっている皆様、今年もワタクシのボヤキと妄想に、よろしくおつきあいくださいまし♥


音楽の効能【えとせとら】


この一年ほどをかけて行った実家の建替&引越プロジェクトが、この忙しい師走のまっただ中である先々週にやっと終わった。両親が新しい家でなるべく早く日常生活をおくれるように、私たちは膨大な荷物の整理に追われた。週末、姉夫婦や甥っこノゾムが手伝いにやってきてくれた。相変わらず、母の片付け下手や物が捨てられない状況に、またまたイライラが募る私。夏の仮住まいへの引越の時もそうで、その時はイライラしている私をオルゴールが癒してくれたことを、このコラムでも書いた。さて、今回のイライラを癒してくれたのは、なんとノーテンキな甥っこが奏でるギターだったのだ。母と一緒にクローゼットの中を整理していた時だった。何も音源がないはずの新築の家で、エリッククラプトンが聴こえてくるじゃあありませんか。あれれ?と思ってのぞくと、そこには流しのギター弾きのごとく、歩きながらギターを弾くノゾムがいたのである。もちろん彼にとっては、そこにギターがあったから弾いただけなんだろうけど、以前のトラウマがある私には「イライラしないで〜気を休めながらいこ〜」と聴こえてきたのである。


両親のリビングを見て「まるで老人ホームみたいだな」と言って、両親をむっとさせていた甥っこ。真実は人を傷つけるということをまだ知らない弱冠20代半ばの若者だけど、時にこういうノーテンキさが切羽詰まった心を救ってくれることもある。高い授業料を相当払っているとみえて、ギターの腕もなかなかのもの。思わず聴き入ってしまった。焦っても仕方がないのだから、イライラしないで、とギターが私に語りかけてくれたよう。


そして再び驚いたのは、←このオルゴールである。先々週に荷物だけの引越をおこない、人間の(つまり両親の)引越はこの前の日曜日におこなった。仮住まいから身の回りの物を車で運ぼうとした時、またまたこのオルゴールが乙女の祈りを奏でてくれたのである。父が一言。「ウチが引越しようとすると、なぜかこのオルゴールが動くんだなぁ。不思議だなぁ」ホントにそうだった。仮住まいのテーブルの片隅に忘れ去られていたはずのオルゴールを、母が思い出して玄関先に置いたところ、チリンチリンとわずか2音だったけど鳴らしたのである。思えば、暮らしは音楽であふれている。テレビやラジオから聴こえてくる音楽はもちろん、人が集まる場所ではストリートミュージシャンが唄っていたり。それを好むかどうかは別にして、隣家のオジサンが湯船に漬かりながら鼻歌を口ずさむのも立派な音楽だし、水道の蛇口からしたたる水の音も、聞きようによっては音楽である。私たちは音楽に寄り添いながら暮らしているんだなぁ。


実は今年はまだ仕事納めができていなくて、多分今年の仕事納めが来年になりそうな気配(苦笑)。思うように仕事がはかどらない今日このごろなのである。そこで、オルゴールの教訓で学んだように、今日の私は音楽をかけながら原稿を書いている。言葉が耳に入ってくると原稿に集中できないため、私が持っているCDのほとんどが器楽曲なのだけど、たまには気分転換も兼ねて歌声を聞きながらのデスクワークだ。うん、たまにはいいなぁ。仕事しながら歌声を聞くのって。というわけで、年末ぎりぎりまで音楽で癒しながら頑張ってお仕事に勤しむことにいたします。皆さん、良いお年をお迎えくださいませ。


続・新幹線のマナーについて【暮らしの発見】


これ↑ワタクシの好きな新幹線の座席。2人席の通路側で、しかもお隣の窓側が空席というのがベストポジションだ。これは飛行機も同じで、座席の指定をする時は必ず「真ん中の列の通路側」とオーダーすることにしている。窓側ではなく通路側を好むのは、立席する際にお隣におうかがいをたてる必要も、お隣の方の股ぐらをよいしょっとばかりにまたぐ必要もないからである。お隣がトイレに行くために自分が立つのはまったく気にならないが、自分のために他人を立たせるというのが、見知らぬ人に対して滅法気の弱い私にはどうも出来ない所作なのである。


JALとANAには私の座席の好みがインプットされているので、飛行機のチケットを取ると自動的に通路側が用意されるのでいいけど、混んでいる時間帯の新幹線はそういうわけにはいかない。上記の写真の時はベストポジションで心地よかったが、一ヶ月前に東京出張した時はもう最悪のコンディションだった。あぁ、思い出すだけでも臭ってきそうなんだけど。以前「新幹線紳士のマナー、光と影」についてコラムを書いたいきがかり上、その続編として新幹線マナー〜匂い編〜について書いてみようと思う。


その日の翌朝に御成門で取材があったため、前日のうちに東京入りする予定で、6時台の新幹線に飛び乗った。ぎりぎりだったので私の好きな座席は取れるはずなく、3人席の真ん中という一番やっかいな席しか空いていなかった。6時台の新幹線って〜、地方出張したビジネスマンでいっぱいなんですよ〜〜〜!!!私が乗った16号車で女性は私ともう2人のみ。あとはすべてダークスーツを来たおじさまたちで埋め尽くされていて、その号車を見渡した瞬間に軽いめまいを感じた(最近すっかり男性が苦手なワタクシでございます)。
はてさて、私が予約した座席の両端はやはりビジネスマンで、窓側の人はノートPCを開いてかちゃかちゃやっている。私は通路側の居眠りしていた男性に一言声を掛けて、荷物を片付け、明日の取材資料を手元に置き、もっくんがCM出演している伊右衛門をテーブルの上に乗せて、静々と座席に落ち着いた。すると、通路側の席の男性が車内販売でビールとするめを買い込み、いきなり飲み始めたのである。まぁ、飲食自由なんだからして、勝手に飲んでいただいていいのだけど、参ったのはその人が定期的に口からはくゲップだった。するめとビールと加齢臭が混ざり合い、なんとも表現しようのない臭い。うげっぷ・・・逃げ出したい・・・。鼻をつまみ臭いに耐えながら取材資料に目を通していると、なんとゲップオヤジはビールを持ったまま寝始めたのである。ビールを持つ右手が私のか細い二の腕にあたるじゃありませんか!仕方ないので、さりげなく軽いヒジテツをくらわしたりして、ビールがこっちにこぼれてくるのを阻止して数十分。ゲップオヤジは目を覚まし、半分ほど残っていたビールを一気に飲み干した。そしてその後、大きな大きなゲップを気持ち良さそうに吐きやがったのである。くっさ〜〜〜〜〜〜い!!!!!
さんざんな目に遭って、東京の姉宅についた途端、疲れがどっと出てしまった。美味しいお夕飯を用意して待っていてくれた姉に、ゲップオヤジの話をすると、姉が笑いながら一言「そういうあなただって臭ってるかもよ」。へ???何が???もしかして加齢臭のこと???と聞くと、「あったりまえじゃん」と姉。確かに40代ともなれば男女関係なく加齢臭は出てくると、どこかの雑誌に書いてあったっけ。翌日新幹線で名古屋に戻る時、洗面室でうがいをし、バラのクリームをほんの少し手首に塗り込み、口臭を抑えるガムを噛んで乗車にのぞんだ私でした。はい、これから私も加齢臭には気をつけます。


年末進行最後の一週間!【えとせとら】


いよいよやってきました。我々広告業界及び出版業界及び〆切を抱えるすべての書き手にとって、この一週間は一年の中でもとりわけ気ぜわしい日々となる。夏休みやゴールデンウィークを休まないで営業する会社はあっても、お正月に休まない一般企業はほとんどないので、なにかと年内の打ち合わせとか年内の草案アップという話が先週あたりから舞い込んできている。おまけに印刷会社が長期休暇に入るということは、年内に印刷物を納品するための最後の入稿日が明日あたりに集中するのである!なので先週あたりから、夜のお誘いには一切乗らずに、ぐっと我慢しながら、ひたすらにPCとノートとスケッチブックに向かっている。


でもね〜、やっぱりね〜、デスクにかじりついてばかりなんてつまんな〜い!美味しいもの食べたいし飲みたいし。みんなとお話した〜い。今夜だって、取引先の忘年会が3つも重なってて、すべて丁重にお断りしたわけだけど、なんでこの時期に忘年会に出席できるのかしら?と不思議なくらいに私は気ぜわしい。みんなは気ぜわしくないのかしら?・・・・・ここでいつもの私の妄想が始まった。この2ヶ月くらいに集中したパーティーの数々を思い出しては余韻にひたり、デジカメに残されていた画像を見ては、この時のあの人とはこんなお話したんだわ、と思い出して、この気ぜわしい一週間を乗り切ろうと目論んでいるのである。冒頭の写真は、私の第2のパパママであるM宅にて。最後のご飯がこんなに美しかったので、隣に座っていたなぎさカメラマンに撮影してもらったもの(私のデジカメなのに、私が撮るのとは大違いの美しい絵ですね〜さすが巨匠)。以下、先月と今月に参加したパーティーの一部の写真を眺めて(デジカメ持参時しか画像がないのがくやしいっっ)、しばし妄想の世界に浸ろうと思う。


秋田屋さん主催の巨大なワインパーティー!好きなだけワインが飲めるすごいパーティーでした。

秋田屋さん主催の巨大なワインパーティー!好きなだけワインが飲めるすごいパーティーでした。

ミッドランドスクエアのクリスマスパーティーにて。T島屋広報のナイトハンターななちゃんと、同じくT島屋広報の昌子ちゃん。

ミッドランドスクエアのクリスマスパーティーにて。T島屋広報のナイトハンターななちゃんと、同じくT島屋広報の昌子ちゃん。

相変わらずカッコいいななちゃんは、この日のドレスコード「ブリリアント」をこんな風に取り入れて、かっちょえ〜!

相変わらずカッコいいななちゃんは、この日のドレスコード「ブリリアント」をこんな風に取り入れて、かっちょえ〜!

これは我が家で開催した「フランスと日本のキノコを食す会」。友人のキノコ博士と共に秋のキノコを堪能しました。前夜から鶏ガラスープを仕込み、キノコ鍋をやって、最後は真黒になったスープにラーメン。バターをおとしたら激ウマラーメンになりました。


これは友人のお誕生日会のめで鯛!

これは友人のお誕生日会のめで鯛!

フランスチーズの騎士叙任式に参加した時のもの。飯田橋にあるエドモンドホテルにて。

フランスチーズの騎士叙任式に参加した時のもの。飯田橋にあるエドモンドホテルにて。

珍しいチーズが好きなだけいただける、チーズ好きにはたまらない晩餐会でございました。

珍しいチーズが好きなだけいただける、チーズ好きにはたまらない晩餐会でございました。

同級生で写真ギャラリーオーナーの岡田クンの会社が主催するアートパーティー。

同級生で写真ギャラリーオーナーの岡田クンの会社が主催するアートパーティー。

そのパーティーで久しぶりに再会したひろたつ君のオポンチなショット!

そのパーティーで久しぶりに再会したひろたつ君のオポンチなショット!

これは先々週、我が家で開催した、とある制作チームの忘年会!
スペインバルを通じて仕入れたとびきりのイベリコ豚を
Sディレクター持ち込みのベア1号(ほぼ日で爆発的に売れている土鍋ですね)で食すという会。
みんなよく食べました〜♬


先週開催されたワインパーティー!

先週開催されたワインパーティー!

ワインのプロが大集合して、ワインと音楽をマリアージュしちゃう企画が大成功でした。

ワインのプロが大集合して、ワインと音楽をマリアージュしちゃう企画が大成功でした。

この日のドレスコードはぶどう。携帯を帯に差し込んで、ストラップをぶどうに見立てました!

この日のドレスコードはぶどう。携帯を帯に差し込んで、ストラップをぶどうに見立てました!

そうなんです、この日はお着物で参加したのだけど、友人のヘアメイク・服部小百合嬢にお願いして、ヘアを手掛けていただいた。私のオーダーは「ふけないアップスタイル」。服部ちゃんの魔法により、この日の夜はたくさんの人から「今夜はきれい」とお褒めいただいた(今夜だけだったらしいけど・・苦笑)


こうして思い出しているだけで楽しくなってくるのだから、記憶というのは大切なものですね〜。いつかテレビでやっていたのだけど、人間の脳というのはうまくできていて、記憶の中の楽しい思い出は残そうとし、哀しい思い出は積極的に消そうとするのだそう。たとえ哀しい事がたくさんあったとしても、記憶の中の楽しさと哀しさの割合はいつも同じになるようにできているんだとか。最近すっかり忘れっぽい私ですが、この楽しい記憶は心にしっかり焼き付けて、この気ぜわしい年末進行を乗り越えようと思います。お仕事が片付いたと思っても、その後には大掃除とか年末のもろもろの用事があるので、次にゆっくり杯を傾けるのは、お正月のお屠蘇かなぁ。う、先は長いゼ。では、これから打ち合わせに行ってきま〜す。


お手紙を書きましょう!【暮らしの発見】


古いものだと狼煙(のろし)や手旗信号、トーキングドラムといった通信手段は、その後、緊急や用件を伝えるだけではなく、季節のご挨拶やお礼の気持ちを伝える手紙へと進化した。その手紙の運搬方法は、飛脚→伝書鳩→郵便→メールと変貌を遂げた。今や、仕事の大半の用事はメールで済ませてしまうし、逆に電話で言った言わないという問題を回避するためにもメールは必需である。お礼を伝える文章も、やはりメールのやりとりが最も多い。でも、でも、やっぱり手書きのお手紙をいただくというのは、心が和むものだと思いませんか?キーボードを叩いて書かれた文章よりも、肉筆の文章の方が、本当にその方が話しかけてくれている気持ちになれるし、切手を貼って投函するという行為を挟んでいる分、お礼の気持ちも濃くなるような気がする。


私は字がうまくないくせに手紙を書く事は大好きで、まだポケベルとファックスの時代から(古っ!)、なにかしらお世話になった方にはお手紙でお礼の気持ちを伝えることにしてきた。ただこの10年くらいは、メールの方がすぐ届くとか、お手紙だと会社の他の方に見られちゃうとか、いろいろな理由でほとんどの礼状はメールにシフトしてしまった。そんなメーラーの私に、久しぶりに手紙欲をもたらしてくれたのが、最近届いた2つのお手紙だった。


ひとつめは、こちら。ご近所のスペイン料理ラフエンテ&スペインバルのラバノから、季節のご挨拶を兼ねたこのお手紙。私が昨シーズン絶賛したモルシージャ(フランスでいうブーダンノワールのこと)が、今年もうまくできたのでお越しください、というお便りである。匍匐前進でも帰れるくらいの距離なのに、わざわざ切手を貼って投函してくださったなんて。しかもモルシージャが美味しく出来てるなんて、行かない手はないですよね。それで早速行ってきた時の写真が冒頭のもの。山内シェフが言う通り、今年は去年より上品な仕上がりになっていて、スペインバルというよりもレストランで出てくるような繊細な仕上がりになっていた。


もうひとつが、こちら。円頓寺商店街近くにある4代続くお寿司屋さんの「まねき寿司」さん。姪っこアユミの送別会以来お邪魔していないのだけど、こんな女将の一言コメントが書かれていたら「あ、まねきに行かなくちゃ」って思いますよね?私は思っちゃう。だから、とある方々との会合の場所に選んで行ってきました。いっぱいおつまみを食べていっぱい日本酒をいただいて、美味しいお寿司を堪能してきましたよ。


こんな風に、印刷されたお手紙やDMに一言、私のためだけのコメントが書いてあると、心がぐぐっと引き寄せられちゃうのだ。これ、年賀状でもそうですよね。たとえ、ずっと会っていない相手でも、たった一言が添えられているかどうかで、その賀状の印象が大きく違ってくるんじゃないかな。
実はワタクシ、これでも「手紙の書き方教室」なるものの講師をさせていただいた経験もあるのでございますよ。拝啓&敬具のルールや季節文の書き方といった常識編から、ハガキや一筆箋にすらすら〜っと書く手紙、お礼の気持ちを伝える書き方などなど。印象に残る手紙のポイントは「その人と自分だけが共有する思い出や情報」を手紙の要素として盛り込むことなんですね。そういう意味で、上記2つのお手紙は完全にそれをクリアーしているというわけ。たった一言、けれど印象に残る一言。多分、素敵な手紙の書き手はイコール優秀なコピーライターということなのかもしれません。皆さん、手軽でスピーディなメールもいいけど、大切な方にはお手紙をしたためてみてはいかがですか?


3年7組マスコミ系同窓会【えとせとら】

高校を卒業して20年以上がたった。あ、いや、20年どころじゃない、もっとだ。地に足のつかない生活をしているのは私くらいで、当時やんちゃだった男の子はカッコいいお父さんになり、可愛かった女の子は綺麗なお母さんになっている。そんなイカしたみんなが集まって、今年のお正月に「ほぼ私立文系クラスにいた者同士」という同窓会がおこなわれた。久しぶりに会った同級生たちの立派な様子には感心していたのだけど、中でも、極めて嬉しい発見が一つあった。同じ3年7組の同級生の中に、名古屋でマスコミ系の仕事をしている人が私を含めて4人もいたのである。某地元有力新聞社でスケールの大きなお仕事をしているKくん、某大手広告代理店で局長として先月までお勤めしていたKちゃん、そしてこのコラムには何度も登場しているコピーライター・広告デザイン会社社長・絵本作家・写真ギャラリーオーナーと数々の肩書きを持つOくん。そして極楽トンボのワタクシの4人である。そして先日、Kちゃんが長く勤めていた会社を退職し、独立して会社設立するということで、3年7組マスコミ系同窓会を兼ねてKちゃんのお祝い会をおこなった。


酒宴の話題は、Kちゃんの新会社設立に関することでひとしきり盛り上がり、その後、それぞれの仕事観を語り合い(ここはチョ〜マジメでした)、最後はお決まり?のエロい話で笑い合った。楽しかったなぁ〜。同級生というのはたとえ同じような業界にいても、決して損得勘定なく心を開いてしまうのはどうしてなんでしょう。垣根がない。そして、一応オンナである私の前でもまったく憚ることなく、男子3人がそれぞれにエロトーク炸裂するのはどうしてなんでしょう。それだけ私がオヤジだってことかな。やっぱり垣根がない。
わたしたちが通っていた高校は、一応は進学校だったのだけど、どこか”ゆるさ”のある学校だった。時代もそんな雰囲気だったのかもしれない。勉強している人はすごく頑張って有名大学に進学したし、それなりの人はそれなりに、そしてどちらかというと勉強以外のことに興味津々な感じの3年7組は、勝手気ままというか自由人が多かった。体育祭とか文化祭になると集団行動が苦手で必ず学校を休んじゃう人。美術大学に進学するわけでもないのに妙に美術の授業に真剣な人。私立文系なので数学は勉強しなくてもいいのになぜか数学の先生と仲良くしている人。この3年7組の立ち位置って、全職種におけるマスコミ系職種の特徴と似ているような気がするのだ。マスコミ系のお仕事をしている人は、一般企業と比較すると、フリーはもちろん会社勤めしていても個人個人の自由感は高い(つまり勝手気ままな人が多い)。だから3年7組の”ゆるさ”は、そのまま自由度の高さだったのかもしれないな。だって、クラスの人数を仮に40人として(それより絶対に少なかったけど)、4人がマスコミ系にいるということは1割ですもんね。
そんなわけで、先日集った4人以外でマスコミ系のお仕事をしている人が他にもいたら是非お声おかけいただきたい。みんなで集まって、わたしたちの自由人度を確かめてみようじゃありませんか。


IKEAビジネスに学ぶ【今日のエコ】


オッサレ〜なカフェ、でしょ?インテリアのセンスがとっても素敵でしょ?これ、スウェーデン発祥のインテリア&雑貨ショップIKEAのカフェコーナーである。先日、と言ってももう一ヶ月以上前だけど、東京出張の折に姉・姪っこアイ・私の女3人でピクニック気分で行ってきた。姉一家がロンドンに住んでいた時、IKEAにほど近い場所だったこともあり、姉一家にとってIKEAはなくてはならないショップだったし、私も姉宅に行くたびにIKEAでお買い物していたので、日本のIKEAにははじめて行くのに、なんだか懐かしい気分に浸っていた。基本的にIKEAの商品は世界中同じ物が販売されているし、よほどのことがない限り、デザインも変わらない。


この工場みたいな雰囲気、ヨーロッパの都市の郊外にいかにもありそうな感じですよね。。IKEAはスウェーデン発祥だが、現在はオランダに本拠地を置く。センスが良くてデザイン性も優れているのに、ビックリするほどのお値打ちな価格、というのが特徴である。


ランチに女3人で選んだカフェメニューがこちら。スウェーデン名物のミートボール!これは姉が子供たちのお弁当にさんざん入れていたらしく、姪っこアイも懐かしがっていた。奥にあるのはローストビーフ、この他にも北欧らしくスモークサーモンとかね。


これこれ〜、かわいいでしょ〜?スウェーデン&IKEAカラーそのまんまのロールケーキ。正直言って大して美味しくもなかったけど(ブルーはブルーベリー味、黄色はマンゴー味)この色のケーキを作っちゃうところがすごい!と感心してついついオーダーしちゃった。


値段が驚くほど安く、デザインが良い。それがIKEAの圧倒的な魅力だ。しかもインテリアだけでなく、生活雑貨の種類もこれまたビックリするほどあるので、インテリア好きな女性(ほとんどだと思うけど)にとっては天国みたいな場所だ。なぜこんなに激安価格が実現できるのか、それは製造から販売までを世界中のネットワークで行っているからである。いわゆる業者間の中間マージンがない。商品によってはベトナム産のものがあったり、中国産のものがあったりするし、その生産地から販売地までの物流もきっと無駄のないシステムが出来上がっているんでしょうね。気になったのでちょっと調べてみたら、日本における物流センターは、なんと我が愛知県にあった。関東と関西の中間地点であること、名古屋港が近いということで、愛知県弥富町が選ばれたのだ。だったら名古屋にもIKEAを作ってくれればいいのに、と思うのだけど、きっとそこには政治的な?事情もあるんでしょうから、私も遠路はるばる埼玉まで行くわけですね。


でもって、この日、私がお買い上げしたのは、これだけ。
いずれも雑貨ばっかりだけど、
これだけ買って、なんと3,000円くらいだった。
すごいでしょ〜!


中でも一番のお気に入りは、こちら。
スカーフとかネクタイとか、そういう小物類を掛けておくための
フッカーみたいなもの。
インテリア性にも優れているので、掛かっているだけで飾りに見えちゃう。


でも私の場合は、これにお着物の小物もろもろを掛けるので、
な〜んかイマイチ、オッサレ〜じゃないんだよね。
やっぱり洋のデザインに和のものを無理矢理合わせると
こうなっちゃうのかな〜。
でも便利だから、洋も和もいろいろ掛けると思います。


まぁ、そういうわけで、ますますIKEAが大好きになっちゃたわけですが、作って運んで売っちゃう、というビジネススタイルにも改めて感銘を受けた。なんでも自分でやっちゃう人のことを器用貧乏なんていう言い方をするけど、企業として自社内ですべてをこなすようになったら、それは器用裕福となる見本みたいなもんですね。私も唄って踊れるハイセンスなコピーライターを目指して(どんなん?)IKEAビジネスに学ばなければ、と思ったわけである。


電子マネーの混乱【暮らしの発見】


皆さん、電子マネー、お手元にどれほどお持ちですか?ケータイにお財布機能がついた時は、こりゃ便利とばかりにいそいそEdy登録して、ロケや取材で高速道路のSAに寄るたびに、ガムやチョコレートやお茶をケータイでピッと鳴らして買っていた。でも今や、電子マネーはケータイだけではなく、いろんな媒体で広く使われるようになり、正直言うと頭がこんがらかっちゃってるのは私だけでしょうか。↑これは私が持っている乗り物カード系↑一番上からJR東海発行のtoica。首都圏のSuicaとまったく同じ機能で、カードに現金をチャージして使い継いでいける上に、電子マネー機能もあるので、コンビニやファストフード、飲食店などでもレジでピッと鳴らせば会計が瞬時に済んでしまう。真ん中が名古屋の市営地下鉄のプリペイドカード。これは地下鉄と市バスの両方に使えるので名古屋市内を公共交通機関で動く人にとってはとっても便利。ただしチャージ機能がないので、最初の購入金額を使ってしまえばあとはお役御免となる。一番下のPASMOは首都圏のJRと地下鉄に使えるチャージ型のカードで、JRのみのSuicaに対し、PASMOはJRと地下鉄の両方をカバーしていて、いつも混んでる東京でいちいち地下鉄の料金を調べてチケットを買う手間が省けるのでるのでやたらと便利。


実は先日このカードで失敗をしてしまった。東京出張の帰り、名古屋駅で改札を通さなければいけないのはこっちのカード。これはJRでエクスプレス予約をした場合にチケットレスで改札を通ることのできるICカードだ。それなのに、間違えて首都圏でしか使えないはずのPASMOを改札に通しちゃったもんだから、改札付近は私が鳴らしたビービー音で大騒ぎ。駅員さんに事情を話したら、困った顔をされてしまいました、名古屋駅新幹線改札の皆様、あの時はすみませんでした。


そして、そんなカード音痴な私が先日取材で向かったのは、岐阜県多治見市のとある場所。中央線多治見駅からさらにローカル線に乗り継ぎ、降りたのは「姫」というなんとも可愛らしい名前の駅だった。見渡すところ畑ばかりののんびりした平和な駅。そして無人・無改札駅。JR千種駅をtoicaで通ってきてしまった私は焦った。toicaはどこに通せばいいのぉ?慌てて電車の車掌さんに聞いたところ「あっち側に機械がありますから、そこにカードをかざしてくださいね」


というわけで、こんな感じで無事に改札を出場。
姫駅ののどかな雰囲気には不釣り合いな電子ボックスに
なんとなく違和感を感じつつ、
電子マネーってすごい、と改めて実感した一日でした。


来年から名古屋の地下鉄にも電子マネーつきのカードが誕生するらしいけど、そうなったら私の手元にはまた一枚電子マネーカードが増えるわけで。ますます混乱してあちこちでビービー音を発信しちゃうかもしれない。困ったなぁ。いっそのこと、toicaもPASMOもmanaca(名古屋地下鉄電子マネーカード)みんなケータイにくっつけてもらえるといいんだけど。どのカードにどれぐらいチャージしたのか、わっけわからなくなっているんですけどね。


ちなみに今や古い機種となってしまった愛用のdocomoケータイ。お財布機能はあまり使わなくなっちゃったけど、先日ビックリする威力を発揮してくれた。南信州の山奥に取材に行った時のこと。他の人のi-phoneもauも電波が通じなくて陸の孤島状態だったけど、見事、私のdocomoだけがバリサンでした。山奥ロケが多い方にはdocomoをオススメしますよ〜!
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と、コラムを書いたら、間違いを指摘されたので、ここで追記しておく。
↓ 以下、友人の走る珈琲愛飲者より ↓
とっくにSuicaもJRと地下鉄と私鉄とバスをカバーしているよ。つまりPasmoとの違いはポイントサービスだけ。かくしてアナタの電子マネーの混乱は収束していなかったのでありますw


奥三河東栄町〜小林の花祭り【伝統芸能の継承者たち】


最初に謝っておきます、今日のコラムは長いです。
先月中旬のこと。今年も行っちゃいました。奥三河に700年伝承されている花祭りに。ここには昨年はじめて訪れた。とある企業の広報誌の特集取材のためで、早朝から深夜まで行われるという伝統の祭りに興味はあったものの、あくまでも"仕事"だった。心のどこかに冷静さを保ちつつお祭り会場で1日半ほど過ごしてみると、いつの間にか、私の心は東栄町の花祭りに夢中になってしまっていた。その時の様子を3度に渡ってコラムに書き記しているので、もしよろしかったらご笑読くださいまし。
昨年のコラムその1昨年のコラムその2昨年のコラムその3


今年も花祭りに行きたいな〜と思ってはいたけど、なにせ車じゃないと行けない山奥にあり、その中でも私がお邪魔した小林地区は東栄町の街の中心からさらに車で20分ほどの所にある。どう考えても私一人では行く手段がなく、半ばあきらめていた時、昨年取材でご一緒したSディレクターと同じ広報誌に関わっていたイラストレーターのT画伯が「一緒に行こうか〜?」と誘ってくださったのだ。念願かなって今年も花祭りに行けるなんて!!小躍りしながら喜んでしまった。


東栄町で行われる花祭りは11月にスタートし、町内の地区ごとに新年明けまで続けられる。小林地区は、標高430m、28戸、平均年齢65,4歳という典型的な高齢化と過疎の街。その小さな街が一年に一度、驚くほどのパワーを生み出すのである。そのパワーとは、もしかしたら奥三河に降りてくる神様の力、偉大な自然の恵み、そして人々の魂。花祭りには、何か人を惹きつける磁石のような力が働いているのではないかしら。小林地区に生まれ育ち、外に出てしまった人々もこの花祭りの時には必ず帰って来て祭りに参加する。奥深い山々に抱かれるかのようにして、私のようなよそ者まで吸い寄せられる。


というわけで、今年も東栄町・小林地区の花祭り、ダイジェスト写真でご紹介します。


東栄町にはいる直前、名古屋方面からは最後のコンビニに、招き猫が!

東栄町にはいる直前、名古屋方面からは最後のコンビニに、招き猫が!

昨年デビューした舞子のゆうと君(中央)が今年も見事に舞いました!

昨年デビューした舞子のゆうと君(中央)が今年も見事に舞いました!

真剣な眼差しに、この子は何歳なのか?と思った。やっぱり神様が近くにいるみたい。

真剣な眼差しに、この子は何歳なのか?と思った。やっぱり神様が近くにいるみたい。

昨年もいた!この子!花祭りの鬼好きが高じて、自分で鬼の面をかぶり、鬼と一緒になって舞っている。

昨年もいた!この子!花祭りの鬼好きが高じて、自分で鬼の面をかぶり、鬼と一緒になって舞っている。

鬼さんの舞い。この衣装、昔の装束を見事に再現していて、妥協していないところが凄いと思います。

鬼さんの舞い。この衣装、昔の装束を見事に再現していて、妥協していないところが凄いと思います。

花祭りの天井の飾りは、すべて町民の手作り。

花祭りの天井の飾りは、すべて町民の手作り。

接待所でいただける

接待所でいただける

右が舞いを終えたゆうと君、左はその弟君。どっちもかわいいですよね。弟君もいずれ舞うことになるのかな〜。

右が舞いを終えたゆうと君、左はその弟君。どっちもかわいいですよね。弟君もいずれ舞うことになるのかな〜。

このふざけた格好してるのがT画伯でございます。

このふざけた格好してるのがT画伯でございます。


そして、私が一番楽しみにしていたのは、最後の舞である。少年から青年と思われる男性が4人ほどで1時間以上ずっと舞い続け、最後の盛り上がりで、真ん中にある釜から湯を観客に浴びせかける。その湯を浴びると、一年間無病息災で過ごせると言い伝えられており、花祭りのクライマックスでもある。人々はトランス状態となり、地元の人もそうでない人も一緒に踊って唄い、五穀豊穣を願うのである。実際、昨年もこの湯ばやしの湯を浴びた私は、一年間本当に風邪をひくことなく元気に過ごせたので、あながち言い伝えも嘘ではないような気がしている。



んも〜。↑こんな写真しか撮れてないのが悔しいのだけど、この舞いが本当に美しかった。昨年のコラムにも書いたけど、妙に背中が色っぽいのだ。普段は耳にピアスあけててもおかしくないようなイマドキの若者が、古式ゆかしい装束に身を包み、誇り高い表情で延々と踊り続ける。小さい頃から体に染み付いたリズムがあるのだろう。両手両足が描くラインは、驚くほど端正である。面白いのは、少年たちだけでなく、かつての少年たち、つまりオジサンたちが途中で参加してくることだ。最初のうちは、うまく踊れるかな〜と心配そうに見守っているのだが、磁石が舞庭へと引き寄せてしまうよう。舞が半ばあたりにさしかかると「も〜しんぼうたまらんっ!」という感じで、少年たちに混じって踊りだす。もちろん少年たちのようなしなやかな動きはないけれど、そこには花祭りによって育てられた人々の哀愁漂う美しさがあった。そして、その背中を見た時、あ、これは男性のための舞いなのだ、と思った。女性の丸みを帯びた体には、あの舞は似合わない。お祭りというのは、外で狩りをしたり農作業して家族を養ってきた男性のためのものなんだなぁ、きっと。


一升瓶と湯呑みを持って回る女性から「どうぞどうぞ」と湯呑みを渡された。遠慮なくいただくと、なんとそれはぬるカン。一升瓶ごと温めて持ち歩いてるってことですよね。すごい、この汎用性の高さはさすが日本酒。これこそ日本のお祭りだ。この女性は、舞い子のご母堂だったらしい。


お孫さんを抱いて、一緒に踊るおばあちゃん。
お孫さんはかなり眠そうだったけど、
おばあちゃんのこの体の揺れ、とっても良かった。
これ、ブルースですよ。


昨年取材でお邪魔した時にお世話になった、保存会長の小野田さん(左)。小野田さんの佇まい、相変わらずかっこよかったな〜。
そして御年81歳、花祭りの生き字引の前会長(右のベレー帽の方)。今年もお会いできて嬉しかったです〜。


この他、小林では多くの方からお声をかけていただいた。昨年は前日から入って、しつこくお話を聞いてまわっていたから覚えてくださっていたみたい。よそ者に対して、とっても優しくしてくださって、本当にありがとうございました。Kさん、Iさん、きっとまた来年もお会いしたいと思います。そして、今年も会えて嬉しかったのは、ゆうと君パパの佐藤さん。あまりゆっくりお話できなかったけど、心にじんわり優しさが染みました。そして、もう行けそうもないやとあきらめていた私を誘ってくださり、連れてってくださったSディレクター、心より感謝深謝。来年も是非、小林の花祭りにお邪魔したいと思っている。皆さんもご一緒にいかが?
↓これはご一緒したT画伯が撮影した最後の舞いの様子↓
http://www.youtube.com/user/attoyt?feature=mhum#p/u/2/NZ-Hd1rZnCU


大人の社会見学〜国会議事堂【えとせとら】


先月の半ばごろ東京出張した折に、かねてよりお誘いいただいていた所にお邪魔してきた。
それは↑じゃじゃ〜ん↑、国会議事堂でございます。タクシーで議事堂あたりを走ることはあっても、この建物に用はないので、敷地内に立ち入るのは中学校の修学旅行以来だ。お訪ねしたのは、衆議院議員で眼科ドクターでもあり、楽しいお食事仲間の吉田つねひこ先生。東京にいらっしゃることがあればいつでもご案内しますのでお寄りください、とおっしゃっていただいていて早一年半。やっと実現できた大人の社会見学だった。


国会議事堂の駅で降りて秘書の方にお電話すると、通行証を持って迎えに来てくださった。秘書の方は多くの来賓を迎えて慣れていらっしゃるからだろうか、説明がとってもわかりやすく、時にすれ違うエラい先生方について説明してくださったり、政権交代や総理辞任の時のエピソードなども交えながら話してくださるので、政治には無関心な私も、ついつい身を乗り出してふむふむと聞き入ってしまった。そして、私がなにより驚いたのは、国会議事堂の建築物としての芸術的価値である。昭和11年に竣工した建物は、その頑健で荘厳な雰囲気と政治の場所であるという事実から、私なぞは何となく冷たい石の建造物という印象を持ってきた。ところが、中に入ってしげしげと眺めてみると、その芸術的価値はそれは素晴らしいものだった。


ステンドグラス・ドアノブ・郵便投函口の3点のみ外国産で、それ以外の建材はすべて日本産。大正の終わりから昭和のはじめにかけて、当時の日本で最上級の技術と贅沢な建材が使われている。緻密な彫刻がほどこされた壁、大理石の床や柱、漆喰の天井、漆や螺鈿、織物などの工芸品、4キロに及ぶ絨毯、壁に描かれた絵画、デザインされた照明、ステンドグラス越しに入る空の色・・・。どこを見ても溜め息がでる。80年近い年数が経っていても、その美しさは変わることなくむしろ深まっているという事実。これこそ時代を超越した技である。昭和初期の粋の極みにいた職人たちの、誇りと気合いと心意気が伝わってくるようであった。


議事堂内は撮影禁止なので写真でご紹介できないのが本当に残念ではあるが、国会議事堂見学は一般受付しているそうなので(この日も見学ツアーにいらしていた方々と何度も遭遇した)、東京で半日お時間がある方は、是非お申し込みなさってみてください。芸術品という観点での国会議事堂見学、オススメです!こんなに素晴らしい建造物で日本の政治が動いているということに、私たち日本人はもっと誇りを持ってもいいんじゃないのかな。ロンドンのビックベンやパリのエリゼ宮で写真撮影して喜んでる場合じゃないのである(←私のことですが)。
そしてもう一つ驚いたこと。政治家というのは健脚じゃないと務まらないお仕事であるということ。国会議事堂はとても広く、議員会館から議事堂を歩きまわるとかなりの距離になる。この日、夜の食事があったために少し高めのヒールを履いていた私は、足の指にしっかりマメを作ってしまった。また議会は長時間に及ぶことしばしばで時間の制約もきつく、健脚だけでなく体力と健康も間違いなく必要なお務めである。政治家と言えばなんとなく威張ってる人みたいな印象があるけど(←激しく幼稚ですが)、あれだけの激務を人生かけてこなすのだから、ちょっとくらい威張りたくなっちゃいますよね(←説得力ありませんけど)。


センセイ方のための食堂はまるで昔のデパートのレストランみたいな雰囲気があり、昭和の匂いがぷんぷん。お寿司屋さんのカウンターがあったのにはビックリした。私がオーダーしたのは、これまた懐かしいクリームソーダ。こんなの飲んだの何年ぶりだろ。


最後に、最近新築された議員会館の吉田先生のお部屋を訪ねて、つねひこ印のm&m'sチョコレートをいただき、社会見学でコーフンした話を聞いていただいた。まるで小学生の子供を見るような吉田先生の優しい眼差しを見て、子供っぽくはしゃいでしまったことを恥じつつ、議員会館を後にした。それにしても楽しかったな〜。皆様も、ぜひお訪ねくださいまし。社会見学には、大人になったからこそ気づく面白さが、きっとありますよ。吉田つねひこ先生、秘書の晃子さん、あの時は本当にありがとうございました!