えとせとら

ゆく人、くる人。【えとせとら】

あけましておめでとうございます。とは申しましても、私の中では2010年はまだ終わっていなくて(苦笑)、「お正月のお休み明けまで」という〆切原稿を抱えたまま、とうとうお正月に突入しちゃったという状況です。なんせ年賀状さえ制作できずに終わってしまったのですから・・・こんなことはじめてだぁ〜〜〜泣。思えば12月は1日もお休みがなかった。実家の引越作業に追われる時も、夜は両親が寝静まるのを待ってPCを開いていたし。というわけで、ホントは〆切を抱えたままのお正月ではあったけど、元旦だけは仕事から離れようとPCの電源を入れずにひたすら寝正月を決め込んだ。そこで、ぼんやりと2010年を振り返ってみたら、2010年は多くの方を亡くし、多くの方と出逢えた一年だった。
友人のご主人、大学時代の友人、そして多くのことを教えてくださった和食の料理人のじゅうべえさんを亡くした。これは特に辛かった。今でも、大好きなじゅうべえさんのお料理やお人柄を思い出して、時に涙にくれることがある。この他にも、12月に喪中を知らせるハガキが、例年よりも多かったような気がするのは、私の年齢のせいだろうか。
年末も押し迫ったころ、心に小さな傷を作った。ネット上でのコミュニケーションのあまりの簡単さに危惧を抱いていたのだが、くしくもその簡単なコミュニケーション上で、誤解とすれ違いが怒りを生んでしまったのである。仕事上、仕組みを知らなければと思って始めたツイッター。なかなか面白さが理解できないままに、フォローする数も増えなくて、当然フォロワーも大した数ではなかったのだけど。とある人のツイートに戯れたツイートを返信したところ、それが相手の怒りを買ってしまったのである。文字で書かれた文章では自分の真の気持ちを伝えきれないことから、こういうすれ違いはよくあることだ。今迄もメールに何気なく書いた言葉で相手を傷つけたり傷つけられたりして、その後に顔を見て話せば誤解はとけたという経験が私にも何度かある。そのケースもそうだと思っていた。ところが、なんと相手は私のフォローを解除したのである。ビックリした。ショックだった。相手が有名人でもない限り、フォローを解除するって「もうこの人との関係を絶つ」ってことだと思っちゃうんだな、昭和世代としては。思えば、クリックひとつで友人になっちゃったり(ツイッターに限らずね)、匿名で人の悪口を好き放題に書いたり袋だたきにしたり。なんだか自分勝手な世の中になっちゃったんだなぁと悲観していたのだけど、まさか自分がそんな目に遭うとは思いもよらない出来事だった。
これとは真反対のエピソードで、ネット上の簡単な行き来により新しく出逢った方達もいた。東急ハンズでお買い物をしていた時のこと。ステーショナリーを熱心に見ていた私に、20代後半くらいの可愛らしい女性が声をかけてくださったのである。「ラルムの涙さん、ですよね?」と。これまたビックリした。その女性とは名刺交換した覚えはないからである。どうやら「伝統工芸 名古屋」と検索したら我がwebに行き着いたようで、その偶然の検索以来、このコラムを欠かさず読んでくださっているそうだ。感謝感謝。奥三河の花祭に出掛けた時もそうだった。私が書いた花祭のコラムを読んでくださっていた方から「あんたに会いたかったんだよ!」といきなりお酒をつがれたのである。嬉しいような恥ずかしいような気分だった。そして同じような嬉しい驚きが年末のワインパーティーでもあったのだ。岐阜市にあるワインショップの男性が、やはり声をかけてくださった。これは知り合いのwebからのリンクで訪問してくださったようで「いつもコラムを拝見しています、楽しみにしていますよ」とおっしゃっていただいた。嬉しかったな〜。ネットがなければ知り合うこともなかった方たち。これも「簡単なワンクリック」のおかげだと思うと、なんだかな〜と複雑な気持ちになった。ま、そんなわけで、2010年はゆく人もたくさんいて哀しかったけど、くる人とも知り合えて、にぎやかな一年でした。2011年は実家の片付けと掃除、そして原稿〆切に追われる三が日で始まっちゃったけど、どうか今年も良い一年でありますように。そして懲りずにこのコラムを読んでくださっている皆様、今年もワタクシのボヤキと妄想に、よろしくおつきあいくださいまし♥