えとせとら

大人の社会見学〜国会議事堂【えとせとら】


先月の半ばごろ東京出張した折に、かねてよりお誘いいただいていた所にお邪魔してきた。
それは↑じゃじゃ〜ん↑、国会議事堂でございます。タクシーで議事堂あたりを走ることはあっても、この建物に用はないので、敷地内に立ち入るのは中学校の修学旅行以来だ。お訪ねしたのは、衆議院議員で眼科ドクターでもあり、楽しいお食事仲間の吉田つねひこ先生。東京にいらっしゃることがあればいつでもご案内しますのでお寄りください、とおっしゃっていただいていて早一年半。やっと実現できた大人の社会見学だった。


国会議事堂の駅で降りて秘書の方にお電話すると、通行証を持って迎えに来てくださった。秘書の方は多くの来賓を迎えて慣れていらっしゃるからだろうか、説明がとってもわかりやすく、時にすれ違うエラい先生方について説明してくださったり、政権交代や総理辞任の時のエピソードなども交えながら話してくださるので、政治には無関心な私も、ついつい身を乗り出してふむふむと聞き入ってしまった。そして、私がなにより驚いたのは、国会議事堂の建築物としての芸術的価値である。昭和11年に竣工した建物は、その頑健で荘厳な雰囲気と政治の場所であるという事実から、私なぞは何となく冷たい石の建造物という印象を持ってきた。ところが、中に入ってしげしげと眺めてみると、その芸術的価値はそれは素晴らしいものだった。


ステンドグラス・ドアノブ・郵便投函口の3点のみ外国産で、それ以外の建材はすべて日本産。大正の終わりから昭和のはじめにかけて、当時の日本で最上級の技術と贅沢な建材が使われている。緻密な彫刻がほどこされた壁、大理石の床や柱、漆喰の天井、漆や螺鈿、織物などの工芸品、4キロに及ぶ絨毯、壁に描かれた絵画、デザインされた照明、ステンドグラス越しに入る空の色・・・。どこを見ても溜め息がでる。80年近い年数が経っていても、その美しさは変わることなくむしろ深まっているという事実。これこそ時代を超越した技である。昭和初期の粋の極みにいた職人たちの、誇りと気合いと心意気が伝わってくるようであった。


議事堂内は撮影禁止なので写真でご紹介できないのが本当に残念ではあるが、国会議事堂見学は一般受付しているそうなので(この日も見学ツアーにいらしていた方々と何度も遭遇した)、東京で半日お時間がある方は、是非お申し込みなさってみてください。芸術品という観点での国会議事堂見学、オススメです!こんなに素晴らしい建造物で日本の政治が動いているということに、私たち日本人はもっと誇りを持ってもいいんじゃないのかな。ロンドンのビックベンやパリのエリゼ宮で写真撮影して喜んでる場合じゃないのである(←私のことですが)。
そしてもう一つ驚いたこと。政治家というのは健脚じゃないと務まらないお仕事であるということ。国会議事堂はとても広く、議員会館から議事堂を歩きまわるとかなりの距離になる。この日、夜の食事があったために少し高めのヒールを履いていた私は、足の指にしっかりマメを作ってしまった。また議会は長時間に及ぶことしばしばで時間の制約もきつく、健脚だけでなく体力と健康も間違いなく必要なお務めである。政治家と言えばなんとなく威張ってる人みたいな印象があるけど(←激しく幼稚ですが)、あれだけの激務を人生かけてこなすのだから、ちょっとくらい威張りたくなっちゃいますよね(←説得力ありませんけど)。


センセイ方のための食堂はまるで昔のデパートのレストランみたいな雰囲気があり、昭和の匂いがぷんぷん。お寿司屋さんのカウンターがあったのにはビックリした。私がオーダーしたのは、これまた懐かしいクリームソーダ。こんなの飲んだの何年ぶりだろ。


最後に、最近新築された議員会館の吉田先生のお部屋を訪ねて、つねひこ印のm&m'sチョコレートをいただき、社会見学でコーフンした話を聞いていただいた。まるで小学生の子供を見るような吉田先生の優しい眼差しを見て、子供っぽくはしゃいでしまったことを恥じつつ、議員会館を後にした。それにしても楽しかったな〜。皆様も、ぜひお訪ねくださいまし。社会見学には、大人になったからこそ気づく面白さが、きっとありますよ。吉田つねひこ先生、秘書の晃子さん、あの時は本当にありがとうございました!