LARMES Column
達観マリ【おうちごはん】
ソウルではじめて食べた
鶏の水炊きみたいな
タッカンマリ。
作ってみたいと思っても
タデギという唐辛子ペーストの
作り方がわかんない。
と思ったら
すぐ近くに作れる人がいた!
というわけで
タッカンマリはわたくしが仕込み
友人がタデギを仕込んで寝かせ
昨夜の
達観マリ会が開催できました!
京都朝掘りタケノコの到来もあり
皮をランプシェードにしたり
タケノコづくしの即興料理の連続で
それはもう楽しい一夜でした。
みんなの胃袋ひとまわり
大きくなっちゃったと思う笑。
さて、今週も頑張れそうです!
#おうちごはん
#ラルム社食
#タッカンマリ
#達観マリ
#みんな食べすぎ
#写真のコラージュはタマラドさん
花山椒のしゃぶしゃぶ【おうちごはん】
素人のお花あしらい〜春【今日の地球】
蓄音機の夕べ再び【えとせとら】
蓄音機にはじめて出逢ったのは1年半くらい前のことか。友人Sドクター夫妻のご自宅で催された蓄音機のコンサートディナー会でのこと。わたしたちが普段聴き慣れている電気的な媒介を通しているものと明らかに異なるその音は、ひと晩たっても体から消えることなく残っていた。その時の蓄音機の残像について書いたコラムはこちら。
その残像が忘れられず、後日、某レストランで蓄音機による音楽とお料理とワインを調和させようという無謀な試みをSドクターとともに楽しんだこともあった。「そろそろまた聴きにこない?SP盤がけっこう増えてるからさ!」とお誘いいただき、第3弾のコンサートディナー会にお邪魔してきたのだ。
前々回のSドクター夫妻宅、前回の某レストランでの会から、時間も経っているし、わたしたちの耳も蓄音機に慣れてきたのと、Sドクターのコレクションが増えているので、時代ごとにSP盤の音源に違いがあることを聴き分けることができたのは驚きだった。
エディット・ピアフの「La vie en rose」は、蓄音機の隆盛期といってもいいと思うのだけど、まるでそこにピアフがいるかのような臨場感とピアフの緊張感が蓄音機から放たれて、思わずこっそり落涙してしまった。ところがもう少し時代が後になると、おそらく録音方法も進化したのか、エルビス・プレスリーの「Love me tender」では、プレスリーが蓄音機の前で聴く人々の表情を思い浮かべながら唄っているかのような余裕を感じるのである。エルガー自身の指揮による「威風堂々」は、前半がびっくりするほどテンポが速くて、エルガーは本当はこの速さで、あの名曲を聴いて欲しかったのかなーと想像したり。
Sドクターのコレクションには日本の古いものもいっぱいある。春日八郎、三波春夫、美空ひばり、霧島昇、笠置シズ子などなど、懐メロで聴いたことがある唄ばかり。中でも印象的だったのは、西条八十作詞、服部良一作曲、藤山一郎歌唱による「青い山脈」。♬若く明るい歌声に 雪崩は消える 花も咲く♬っていうあの唄ね。Sドクターによると、これは世の中が暗く落ち込んでいた戦後から、復興を願って新しい時代への希望がこめられた唄なのだとか。♬古い上着よさようなら さみしい夢よさようなら♬という歌詞はまさに新しい時代に踏み出そうとする気持ちそのものである。戦後復興を目指す日本人が、蓄音機から流れる「青い山脈」で気持ちを奮い立たせたのかなと想像してたら、再びこっそり落涙。やっぱり蓄音機には、音楽以上の影響力をわたしたちに及ぼすようである。
蓄音機はSドクターがぜんまいを手回ししたり
一枚ずつ針を変えたりする手間がかかるので
お料理はみんなで持ち寄り。
すごいラインアップのメニューになりました。
これがこの日の蓄音機コースメニュー!
いつもながら、Sドクターのセンスには脱帽です。
あ!先生のコレクションにピアフのpadampadamを見つけたのに
かけてもらうのをすっかり忘れてた!今度お願いします!笑
この日のごはんは、
萌黄色の春らしいお鍋
しかも名前入りのバーミキュラ鍋で炊いた
あさりご飯!
あさりご飯に
柚子をかけてくださるSドクター。
アートもインテリアも
お料理もワインも
とにかく素敵なSドクター夫妻のご自宅。
いつもありがとうございます。
また次回もぜひよろしくお願いいたします!
snow aging beef 雪中熟成牛【今日の地球】
雪中熟成飛騨牛求評会。
天然雪のかまくらで無風の高湿度により、しっとりと仕上がったスノウエイジングの牛肉をいただく。昔の人が氷室に野菜を蓄えて越冬した知恵を、牛肉に応用した日本初の試みである。
繁殖家、肥育家、熟成師3人の愛情と知恵と情熱をこめて育てられた牛には
彼らの名前がついていた。
かまくらは、地球温暖化がこのまま進めば、やがて地球からなくなる可能性もある。雨やみぞれが降れば、あっという間に消えてなくなってしまうかまくらは、
飛騨の自然そのものでもあり、未来永劫あるとは限らない雪国の宝箱である。
名前のついた牛の命をいただくという行為も然り。
綺麗事を言うようだけど、わたしたちが地球に生かされているということが、スノウエイジングの牛肉に凝縮されていたように思う。
水分をたっぷり含みながら熟成された牛肉の深い深い味わいは、どこまでも、哀しく、切なく、狂うしいほど愛おしかった。
市川櫻香さんプロデュース「力神」【伝統芸能の継承者たち】
名古屋で「むすめ歌舞伎」を主宰する市川櫻香さんプロデュースによる、伝統芸能と祭りのコラボ舞台「力神」(りきじん)が名古屋で週末に開催された。愛知県半田市の潮干祭の山車が舞台に組み上げられ、それを背にして、日舞・狂言・歌舞伎が祭りというキーワードをもとにしてコラボしながら演じられてゆく。
同じ演目でも、日舞・狂言・歌舞伎ではそれぞれに全く別の芸能として昇華していて、普段はその枠を超えることはなく、もちろん演者さんたちがともに舞台に立つこともほとんどない。櫻香さんは、その枠を超え、一つの舞台を作り上げてしまったのである。そしてそのベースには常に半田市の潮干祭が存在している。なんというカオス!
舞踊「浦島」は全く新しい解釈によるものだった。
浦島太郎がおじいさんにさせられた本当の理由とは、、、。
太郎が竜宮城で過ごしたのは数日だったけど、地上の世界では何十年も経っていて、今更現実の世界に若いままの太郎が戻っても、両親も知り合いも亡くなっているから、悲しい孤独が待っているだけ。
それならばいっそおじいさんになって戻った方が、太郎にとっては幸せなはず。
太郎を愛する乙姫は、泣く泣く太郎と別れるが、せめて太郎が地上で無理なく暮らすために、太郎をおじいさんにして帰すことを考えた。
なんと重くて(苦笑)、深い愛。
自分勝手な乙姫の愛を受けた太郎は・・・それを舞踊として櫻香さんが挑戦された。
狂言は、名古屋の狂言師である佐藤友彦さんと鹿島俊裕さん。
歌舞伎からは、坂東彌十郎さん。
名古屋を潮流とする和泉流の演目「太鼓負」が12年ぶりにコラボという形で演じられた。大柄の坂東彌十郎さんが見栄っ張り妻を、線が細い狂言師の佐藤友彦さんがひ弱な旦那を演じられた。その面白くておかしくて、でもどこにでもありそうな夫婦の小競り合いと、最後は仲良く一緒に帰り行く夫婦の姿に、ほっと心が和んだ人が多かったのではないかと思う。
舞台は、いつもより1メートル下に設置されていて、山車が目の前に迫るように工夫がなされていた。四季桜と青竹がその周りを飾り、半田市のお祭りが芸術劇場のホールにやってきたという高揚感は、お客様にも伝わっていたように思う。
潮干祭りの一団は小学生の子供から70代と思しき長老まで、男連中が一致団結して警護行列。しかもこのお祭りでは、若者が物事を決めて、年配者はそれを見守るのがルールなのだそう。だからこそみんな生き生きとした表情で祭りを引き継いでいってるのね。素晴らしい宝である。
とりとめもなく書き連ねてしまったので、最後に坂東彌十郎さんがおっしゃったことで心に残っている言葉を記しておく。彌十郎さんは猿翁さんから教えてもらった言葉なのだそう。
なによりも基本が大事。
基本の型を知っているからこそできるのが、”かた破り”。
基本を知らずに型のない人がやることは、”かた無し”。
浦島太郎伝説の新しい解釈【伝統芸能の継承者たち】
浦島太郎が白髪のおじいさんになった本当の理由は、乙姫の深い愛情によるものだった!
竜宮城での快楽を味わった後、開けてはいけないと言われた玉手箱を開けたら
おじいさんになってしまう浦島太郎伝説。
浦島太郎がおじいさんにさせられた本当の理由とは、、、。
太郎が竜宮城で過ごしたのは数日だったけど、
地上の世界では何十年も経っていて、今更現実の世界に若いままの太郎が戻っても、両親も知り合いも亡くなっているから、悲しい孤独が待っているだけ。
それならばいっそおじいさんになって戻った方が、太郎にとっては幸せなはず。
太郎を愛する乙姫は、泣く泣く太郎と別れるが、せめて太郎が地上で無理なく暮らすために、太郎をおじいさんにして帰すことを考えた。
この解釈、思わず心がキュンキュンしてきますよね?
身勝手な愛かもしれない、でも深い愛であることには間違いない。
乙姫にとことん愛された太郎を、むすめ歌舞伎の市川櫻香さんが、舞踊・浦島で表現されます。
3月12土曜日、13日曜日、
愛知県芸術劇場小ホールにて。
ご覧になりたい方、
ご一報くださいまし!!!