今日の地球

snow aging beef 雪中熟成牛【今日の地球】


雪中熟成飛騨牛求評会。
天然雪のかまくらで無風の高湿度により、しっとりと仕上がったスノウエイジングの牛肉をいただく。昔の人が氷室に野菜を蓄えて越冬した知恵を、牛肉に応用した日本初の試みである。
繁殖家、肥育家、熟成師3人の愛情と知恵と情熱をこめて育てられた牛には
彼らの名前がついていた。
かまくらは、地球温暖化がこのまま進めば、やがて地球からなくなる可能性もある。雨やみぞれが降れば、あっという間に消えてなくなってしまうかまくらは、
飛騨の自然そのものでもあり、未来永劫あるとは限らない雪国の宝箱である。
名前のついた牛の命をいただくという行為も然り。
綺麗事を言うようだけど、わたしたちが地球に生かされているということが、スノウエイジングの牛肉に凝縮されていたように思う。
水分をたっぷり含みながら熟成された牛肉の深い深い味わいは、どこまでも、哀しく、切なく、狂うしいほど愛おしかった。