徒然なるお仕事

白練りショコラ、誕生!【徒然なるお仕事】


皆さん、今年のバレンタインのチョコレートはもうお決まりだろうか?甘いチョコレートがお好きな方にも、甘い物はちょっと苦手という方にもおすすめのチョコレートを今日はご紹介させていただく。これは、ワタクシが商品プロデュースに関わったチョコレートで[白練りショコラ]。なんと原材料は「鮎」である。お魚の鮎が原材料のチョコレートなんて想像できませんよね?これは岐阜市で鮎の加工品製造販売を長く商う「泉屋物産店」の商品で、鮎の熟れ寿司のご飯をチーズに見立てるという面白い発想が、開発ストーリーをスタートさせたもの。


鮎の熟れ寿司は、鮎の旨味成分が魚からご飯へと移っていく。その熟成した味わいがチーズに似ていることから(両方とも発酵食品だから当たり前と言えば当たり前ですよね)、それを材料に新しい洋風商品として開発できないか?と発想したのだそうだ。[白練りショコラ]は鮎を材料にしたその洋風商品開発プロジェクトの内のひとつ。泉屋物産店の社内で試作品が作られ、それを本格的に商品化するために、総合プロデュースをワタクシが担当させていただくことになった。(こうやって書くとすんごい大げさですが、実際は食べては考え食べては考えひたすら食べて〜と繰り返しただけだった・・・)プロのフランス料理のシェフによる商品開発及び技術指導とレシピづくり、そしてプロの(一応ね!)コピーライターによるネーミング、パッケージデザインなどが、そのプロデュース内容だった。写真は、水引風に赤いゴムをかけた木箱とシンプルデザインの紙袋。和モダンでオッサレ〜、なつもり。


制作段階では、いろんな苦労話があるのだが、ここでは割愛させていただくとして、とにかくオススメの味わいに仕上がっているので、機会があれば是非試してみていただきたいのだ。熟れ寿司などの発酵食品が苦手な方でも大丈夫!まったく臭みを感じることなく、どちらかと言えば、ここのところ流行している「塩味スイーツ」の感覚で、お酒のお供にチビチビかじると、これがまたオツな味なんでございます。この[白練りショコラ]は、泉屋物産店の外食部門「川原町泉屋」(岐阜市)で購入することができるほか、明日1月28日木曜日からは、名古屋・栄の丸栄百貨店の食品売り場でも販売がスタートする。もしかすると某大手百貨店にも並ぶかもしれないとのこと。ブレイク間違いなし!と勝手に信じているので、ご興味のある方は、丸栄へお急ぎを!
また、鮎を材料にした洋風商品開発プロジェクトはまだまだ進行中でございます。新たなお酒のおつまみ系も登場予定ですので、どうぞお楽しみになさってくださいませ。


襟元を正す【徒然なるお仕事】

10年来、関わっているキモノの本「和煦」のモデル撮影が来週に控えている。この撮影でモデルさんを選抜する時にいつも大きな課題になるのが、「背の低さ」である。出来上がったキモノをお借りして撮影するため、そのほとんどが一般女性の背の高さで仕立てられた物ばかり。モデル事務所のモデルさんたちは一般女性よりもうんと高い人が多いので、キモノに合わせた背の低いモデルさんを探すのがひと苦労なのだ。


この日は、「和煦」のためのモデルオーディションだった。ユカタを着てもらい、キモノ姿になるとどんな雰囲気になるのかをカメラテストする。さらに直接お話して、キモノの仕事キャリアの有無や個人的にキモノを着るかどうか、などなど多少の質問をして、そのモデルさんの持っている空気感とかキャラクターを探るのである。一度に何人も、多い時は何十人ものモデルさんと対面するが、オーディションのたびに「肌きれいだな〜」とか「この子、好み〜。きゃ〜わい〜な〜」と私はついついオヤジ目線で見てしまう。


カメラテストと面談が終わると、今度はスタッフだけで、どのモデルさんにするのかを話し合う。その号の企画に見合うよう、女性っぽい感じがいいのか、モダンに仕上げたいかなど意見を言うのだ。その会議中に、カメラマンのなぎさがつぶやいた一言がとても印象に残った。「彼女(オーディションに来ていたモデルさんの一人)さ〜、ちょっとした仕草とか座り方とかがだらしがなかったよね。あんなに可愛いんだし売れっ子だからもったいないね〜。いずまいがきちんとしていれば、印象って全然違うのに」


なるほどね〜。確かに顔が可愛いとかスタイルが良いだけじゃなくて、しゃきっとした上品な立居振舞をすれば、魅力はう〜んとアップする。そして、これは外見を売り物にしているモデルさんたちだけじゃなくて、すべての仕事をする人にも当てはまる「マナー」なんじゃないかしら、と、ふと思ったのである。


インタビューや取材などで、初対面の人と話をすることが多い我々コピーライターだって、もちろんそうだ。たとえコピーが素晴らしい仕上がりだとしても、会った時の印象が良くなければ、コピーの評価も引き算されてしまうだろう。逆に、印象が良いと、後日仕上がったコピーから匂いたつような品のようなものを感じてもらえるはずである。
あぁ、こうして書いていて自己反省ばかりが頭をよぎる私。匂いたつような美しい文章のためには、美しい立居振舞が必要なのでございますなぁ。明日から取材旅行に出ることもあり、早速、襟元を正して、お仕事に向かうことをここで誓わせていただきます。


マリーモコリン【徒然なるお仕事】

お正月明けから〆切に追われる毎日。
焦ってます。
代理店の皆様、頑張って原稿書いてます。
でもちょっと息抜きさせていただきやす。


友人のなぎさカメラマンがお土産でくれた「マリーモコリン」
ご存知、マリモッコリの京都芸妓さんバージョン。
キモかわい〜。


はんなりもよろしおすけど、
もっこりもよろしおすえ〜
だって(爆)!


これは3年前。
友人たちと伊勢戦国時代村にて、姫役の私と、忍者役の多喜田保子。
この時の私にマリーモコリンがそっくりなんだそう。
(なぎさ談)


花魁になりそこなった、なぎさカメラマン。


足軽の今井ちゃんと、
姫役のかみさん。


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すみません、まったく意味のないコラムになってしまった。
忙しい時に限って、こういう写真を眺めてみたくなるものなんです。
あ、やば、もうお昼だ。
これから仕事しますです、はい。


贅沢な週末の過ごし方【徒然なるお仕事】

んんんあっっっ〜、忙しかったっっっっぁぁぁぁぁ。

振り返ってもどこがどう忙しかったんだか、よくわからないけど、とにかくコラムを更新する暇がないほど忙しかった。仕事の件数は大して多くないし、イヤラシイ話、数字的にも決して多いものではなかったのに、とにかくバタバタしていた。なんでかなぁ。忙しさのバロメーターって一体なんでしょうね?とよぉ〜く考えてみたら、今回の忙しさは、移動距離が長かったことにあると判明した。ここのところ移動に要した乗り物をスピード順に挙げてみると・・・。飛行機、新幹線、電車、地下鉄、タクシー、自転車。これ、ほとんどすべての乗り物ですよね。どちらかというと乗り物が得意ではないので、近辺は自転車を活用することが多い私が短期間にこれだけ乗り物を利用したのだから、疲労感が募るはずである。

そう、正確に言うと、忙しかったのではなく、動き回りすぎて、ただ単に疲れた、のである。
わたしたちのお仕事は、取材や会議、打ち合わせなどで外に出掛ける時間と、家にこもって原稿を書き上げる時間に大別でき、場合によっては三日ぐらい一歩も外に出ないでパソコンに向かっていることもある。さらに場合によっては、スッピン・パジャマ・メガネの3点セットで終日パソコン画面と対峙することだってある。そういう自分のペースで進められる「内なる時間」と比較すると、人と会ってやりくりする「外なる時間」は未だに緊張するし慣れないことばかりなのだ。(一体何年この仕事やってるの?と言いたくなりますが)


疲労を蓄積して迎えたこの週末は、どっぷり「充電時間」に徹することにした。まずは体のケアから。いつもお世話になっている鍼灸師でマッサージ師でもあるアヤちゃんのゴッドハンドへとGO。アヤちゃんの右手を抱擁したくなる衝動を抑えながら、至福の1時間を過ごした。アヤちゃんに癒してもらった日の夜は、一度も起きることなく泥のように熟睡できるのだ。


そしてたっぷりと眠り、睡眠欲を満たした後は食欲。ということで、冷凍庫に常備している大彦の干物の中に、新物の秋刀魚があったのでそれを焼いた。炙りたての海苔に、自家製梅干し、叔父からいただいた「まつのはこんぶ」、十六雑穀ご飯にお大根のお味噌汁、そして丹波の無農薬番茶。我ながらなんて美味しいお食事でしょう!決してご馳走ではないけれど、日本人に生まれてよかったな!と実感できる「ご飯」で、しっかりと充電することができた。体力的にも精神的にも疲労が蓄積した時は、やっぱりご飯とお魚を中心にした和食に限るのであります。
さらに週末ならではの贅沢で、お昼からゆっくり入浴。湯船に半分蓋をして、文庫本を持ち込み、湿りゆく本をめくりながら読書に没頭する。これまた至福のひとときである。


お風呂上がりに飲んだのはコレ。
お隣の由美さんからいただいた湯上がりサイダーと蜂蜜れもん。
これまた湯上がりにピッタリの爽やかドリンクで、
ちゃんと腰に手をあててマッパでラッパ飲みしましたよ、由美さん。


そして3時のおやつはコレ。我が従兄弟の長男で小学校2年生、さらに実は少年モデルで売れっ子の野々垣慶真くんからクリスマスプレゼントが届いたのだ!チロルチョコ、おいしかったよ。けいしん、ごちそうさま&ありがとう!


かくして、睡眠欲と食欲を満たし、ここのところ夢中になっている「坂の上の雲」で大好きなもっくんを鑑賞し、贅沢な週末を過ごしたのであった。明日もまだまだお仕事はある。今年も本当にあと少し、ガンバリマショウ!


山里の時の流れ【徒然なるお仕事】

先週、ある女性キャスターを取材する目的で、中津川まで一泊旅行に出掛けた。その女性キャスターを出身地である中津川で迎え、懐かしい風景をバックにして話をうかがったのである。テレビで見るままの知的さと、おおらかな親しみやすさに、同性ながらその女性の魅力にすっかり心を奪われてしまった。

お会いして早々にインタビューと撮影が始まった。我々スタッフは総勢7名。それに対峙するのは彼女ただ一人である。普段はインタビューする側の方で、インタビューされる側というのはあまり機会がないはず。しかしながら、さすがに話すことには慣れていらっしゃるので、こちらの質問に対して、わかりやすく丁寧に、ゆっくりとお話くださった。30歳を過ぎたキャリア女性にありがちなのが、用件のみを慌ただしく早口でまくしたてるようにしゃべる癖。まして取材されるともなれば、情熱的に早口で語ったり、或いは質問が難しい場合には考え込んでしまい沈黙が流れる。インタビュアーにとって、沈黙ほど怖いものはないので、その沈黙を消し去るようにインタビュアーは、自らまくしたてて難しい質問を重ねてしてしまうのである。沈黙の蟻地獄はインタビュアー泣かせだ。
その女性キャスターは、質問に対して、あまり間をおかず、沈黙を作らずに、的確な距離感を保ちながらお話してくださった。さらに、こちらがメモをとっているのを知って、メモの速度に間に合うように、大切な言葉はわざとゆっくりと話してくださった。こういう気づかいをしてもらうインタビューは、はじめてだったので、いたく感激して取材を終えることが出来た。


本当に仕事ができる女性って、こういう人のことを言うんだろうなぁ〜。相手のことを気づかい、気づかっていることを悟られないようにさりげなく進行していく。こんな素敵な女性と空間を共にできた幸せを噛みしめながら、山里の夜を楽しんだのである。


インタビューがおこなわれたお宿での翌朝の景色。
雪見障子のような昔の障子越しに、紅葉間近のもみじを発見。
まるで窓を額縁にした日本画みたいだ。


こちらは、エディターのN氏とカメラマンW氏。
キャスター女史が到着する前のロケハンで、
私が女史役になって座っているのを撮影し、絵を決めこんでいく作業中。
ファインダーをのぞいて「ビミョーだなぁ」を繰り返すW氏。
ビミョーなのは私ですか?それとも風景ですかっっ?


筆文字ライター【徒然なるお仕事】


これ、焼き鳥屋の壁を撮影したんじゃございませんよ。
そして、美味しいものブログでもございませんよ、Iケ谷さん。
事務所部屋のお掃除をしていたら、書類の山の中からこんな物が出てきたのだ。ワタクシが筆で書いた焼き鳥屋さんのメニュー名。
半年ほど前、付き合いの長い仕事仲間で友人でもあるコピーライターのO河原氏(あ、ほとんど名前ばれてる)から電話が入った。「焼き鳥屋さんのオープニングを手掛けることになったんだけどさ、筆でメニュー書かない?」「かなりの癖字だけど、それでいいなら書くよ〜」「んじゃ串カツ80円、ホルモン80円、心臓100円で書いてみて。先方に見せて通ったら改めてお願いするわ〜」


久々に引き出しから筆を出して半紙にメニューを書き、先方に提出し、その一部が書類の山の中に埋もれていたというわけだ。ご覧の通りの下手字なんだけど、かなり癖が強いので、それが知り合いのデザイナーたちにおもしろがられ、ステーキハウスのメニュー、ポスターのキャッチコピーやハウスメーカーのオリジナル商品ロゴを書いたりして、密かに筆文字ライターとしてデビューしているのであります。この焼き鳥屋さんのメニューのお仕事は残念ながらボツってしまったんだけど。


小学生の頃、実はこれでも、高名な書家の先生に習字を習っていた。先生はそれは立派な方だったが、生徒の私は一向に上手くならず、途中で嫌になってしまって、中途半端なまま習うのをやめてしまった。字が下手というコンプレックスを引きずったまま、高校生の頃は「丸文字」でごまかし、就職活動で履歴書を書く時に再び下手字のコンプレックスに見舞われる。ところが、仕事をするようになってから、私の文字の歴史は大きな転換期を迎えたのである。

毎日取材に出掛けてメモをとることが日常の仕事だと、聞いた話の要点をいかにスピーディーにわかりやすくメモするかがとても大切な技術となる。おそらく新聞記者などは、そういう技術を教え込まれるのではないかと思うのだけど、広告の世界ではそんな教授はなかった。
取材から戻って取材メモを見る時、乱雑にいい加減に書かれたメモでは、我ながらがっくりする。そこで、下手なりにも早く書けて見やすい術を工夫したのである。まずボールペンから水性ボールペンに変えてみた。筆圧が高い私は、ボールペンだと力が入りすぎて疲れてしまう。先が軽やかにすべる水性ボールペンにより、自然に流れるような字になっていった。紙の上でペン先がするすると流れてくれるので、力が抜けていい感じになったのだと思う。こうして読みやすい自己流の速記術のようなものが出来上がり、癖が強いけどおもしろいと言ってもらえるような字が誕生したのだ。


ラフスケッチに手書きコメントをつけると、癖字に味があって雰囲気がいいと言ってもらえるようになった。以来、少々有頂天になり、自分の下手字に愛情を感じるようになる(字を褒めてもらうなんて、なんといっても人生はじめての体験だったので)。お世話になった方にお礼状を書いたり、ご挨拶の折にお手紙を添えるようにして、他人様に文字で気持ちを伝えることができるようになっていった。こういうのを典型的な下手の横好き、と言うのでしょうね。お世辞にも上手いとは言ってもらえない字だけど、心をこめて書けば、気持ちは通じるのである。
そういえば、便箋にしたためる手紙というのをしばらく書いていない。公私共についついメールに頼ってしまう今日このごろ。埋没していた「ホルモン串カツ」が出てきたことだし、たまには長いお手紙を書いてみよう!と思いついた晩秋の夜であった。


コピーライターのSEO対策【徒然なるお仕事】

今日日曜はお仕事に役立つ講座受講日。アイデアソースの前田女史からお誘いを受けて、SEOライティング実践講座に出席した。web検索で上位にランキングされるためのコピーライティングの実践的なコツや、検索エンジンの動向、SEO戦略、コンテンツの企画やキーワード戦略などを総括して学ぶ講座だった。
私がコピーライターの仕事を始めた当初はもちろんwebのコピーなどなく、もっぱらテレビラジオ媒体か、あるいは広報誌や新聞、雑誌などの印刷媒体がほとんどだった。それが現在では、私が制作させていただくコピーの約3割から4割はwebで展開されるサイト上のものとなってきている。もちろん、中には印刷媒体とwebのコピーが重複する場合もあるので、のべ量的な数え方をすればwebの割合はもっと増えるだろう。


商品や会社をアピールする文言としてのコピーライティングは、媒体が異なると表現方法が変化するのは当然ではあるが、webの場合はかなり特殊で、検索エンジンに引っかかることが重要な要素になってくる。つまり、広告表現上では素晴らしいキャッチコピーも、webで上位にひっかかるためには役に立たないことが多く、web検索で引っかかりやすい言葉を戦略的に用いたライティングが必要になってくるのだ。


ご存知だとは思うが基本をご紹介すると・・・web検索する人が頻繁にキーワードに用いる単語を念頭において、それをタイトルなどに積極的に使うことがSEO対策となる。一般論として、なるべくなら英語や意味不明なカタカナを用いることなく、わかりやすい日本語で表現するべきなのだとか。


こんな風にして盛りだくさんの講座が進み、ふむふむと納得しながら聞いていたら、いつもの悪い?癖か職業病か、講師の方のお話を知らぬ間に文字校正してしまった。文字校正というのは、単純に文字や表現に間違いがないかどうかをチェックするだけでなく、社会通念上で問題がないかなどもチェックするのがその範疇である。もちろん今日の講座は納得の連続で、それを勝手に文字校正するなんておこがましいことだったが、気になったのはそのお話に占めるカタカナ含有率の高さだった。


webの専門用語は、コンバージョン、メタ、ハイパフォーマンス、ランディングページなどなど、カタカナ英語ばかり。それを説明するための形容詞や単語にもカタカナ英語を用いることが「社会通念」となってしまっている。だから、わかる人にはわかる説明も、わからない人にはほとんど外国語にしか聞こえない。


講座の帰り道、日曜の夕方のオフィス街は、スイッチが切れたみたいに静まりかえっていて、自転車を暴走する私にはうってつけのサイクリングロードとなった。障害物なくサイクリングできる時は良いアイデアが浮かんだりするのである。そこでカタカナ含有率の高いお話を反芻しながら、自分なりのSEO対策を導き出してみた。コピーライターが必要とするスキルは、専門用語を知ることではなく(もちろん必要ではあるけど)、SEOの仕組みを知ることとわかりやすい言葉選びだ。webと別の媒体では、言葉の使い分けは必須条件になってくるけれど、結局は「理解できる日本語」をきちんと使うことがコピーライターの使命なのだ、と夜空に向かって誓ったのである(星飛雄馬風にね、ふるっ)。


コピーライターは体力勝負である!【徒然なるお仕事】

職業を聞かれて「コピーライターです」と答えると、
多くの人から「紙と鉛筆があればできる仕事ってカッコいいですね」と言われる。
(もっとも最近は「パソコンさえあれば・・・」と言われることが多いが)

私はいつも即座にこうお答えすることにしている。

「いえいえ、紙と鉛筆だけじゃございません。消しゴムも机も必要ですし、なにより体力が一番大事です。決してカッコいい仕事ではございません」・・・と。

どちらかというと、知的労働のように思われがちなコピーライターの仕事。
もちろん頭も使うけれど、頭を動かす前に体力をしっかり使わなければ取材はできないし、知識をつけることもできないのである。まして「体験取材」ともなれば、自らの体をはって、新商品を試したり、ホテルやエステなどでお客さんになってみたり、クライアントの商品や施設の特徴を実感しなくてはならない。たとえそれが自分の興味対象外だとしても、だ。


現在、私が自分の体をはって「体験中」なのが、とあるセレブ向け高額基礎化粧品のトライアルセットである。シワ、たるみ、シミなど、年齢を重ねた人の悩みをカバーする基礎化粧品で、確かに使い始めたその日から、その効果は現れた。ふむふむ、これがこうでこうなるから、肌がすっきりするのね?などと、説明書を片手に「体験取材」をしているわけである。

肌は割と強い方なので、アレルギーもなければ肌荒れもなく、どんな化粧品でもOKではあるが、たとえ一時期だとしても、普段使い慣れている物から変えるというのは抵抗感がある。でも「これもお仕事なのだから、頑張りましょう!」と自分に声をかけながら、体を実験台にしているわけだ。


今迄の体験取材の中で印象に残っているのは、「メディカルエステで素肌をきれいにする」「マッサージエステをアロマオイル焚きながら全裸(!)で受ける」といったエステがらみのものから、「お百姓さんと一緒に田植えをする」とか「介護施設でおじいちゃんのお話相手になる」といった有り難いもの、さらには「年収500万円の家庭の主婦になりきってマンションのショールームを見学する」といった変わり種まで、あらゆる「体験」をさせていただいた。

貴重な体験にはなるが、中には嫌な思いをすることもあり、正直申し上げてつらい取材も数多くあった。でも人生何事も経験、と言い聞かせながら、今日も体をはってお仕事させていただいている。

また取材だけでなく、夏の炎天下や極寒の空の下での撮影立ち会い、お食事もお茶もなしのエンドレス5時間打ち合わせなどなど、体力がなければとてもできましぇん!と叫びたくなるような案件は、日常茶飯事である。

皆さんの隣人がもしコピーライターだったら、「コピーライターは紙と鉛筆があればできるカッコいい仕事」などとは、どうかおっしゃってくださいますな。

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ちなみに今日はこれからとある劇場へ。
お芝居に出演される俳優さんのインタビューが後日にあるため、事前知識としてお芝居を観ておいてください、というオーダーである。
これは個人的に完璧な興味対象内!なので、嬉々として行ってきま〜す。
こういう楽しいお仕事があるから、つらいお仕事を忘れることができるというわけだ。
もちろん今日の観劇はお仕事でございますわよ。ほほほほ。