今日の地球

アートと食のイベント〜色を食す【今日の地球】


ART NAGOYAでもお世話になっているギャラリーフィールアートゼロの正木なおさんから「アートと食のイベントを開催するので是非いらしてね」とお誘いを受け、お邪魔してきた。食べ物は生きるための物というだけでなく、贅沢な嗜好品だけでもなく、いつも私たちの暮らしの狭間に存在する。と書かれたパンフレットのコピーが心に響き、アートと食をどう展開されるのか興味津々だった。このイベントでは、8/17〜8/25まで日替わりで講師を招き、食にまつわるワークショップや映画上映や郷土食を食べるといった内容まで、まさに様々な分野から人が集って行われる。私がお邪魔したのは、京都のkiln船越雅代さんが講師になっておこなわれるFOOD & ARTのワークショップだった。


ギャラリーにつくと、テーブルの上にはすでに5色のパスタの"素"が並んでいる。白=プレーン、ピンク=ビーツ、黒=イカスミ、緑=バジル、黄=サフランが練り込まれたパスタを、参加者全員でこねて、耳たぶ状のパスタに仕上げる。5色をどうこねて合わせるか、この時点で個々の色遊びが始まる。黒と黄色でシャープに、ピンクと緑でかわいらしく。中には白にピンクを渦巻き状に仕上げて、ナルト風のパスタを作ってた方もいたなぁ。ねんどで遊ぶ子供のごとく、それぞれがわいわい言いながら作り上げるのは、とっても楽しい作業だった。はじめて会った方ばかりなのに、目の前のパスタを媒介にしておしゃべりが進む。こねる人、切る人、耳たぶに仕上げる人と自然に役割分担ができていったのも、なんだか不思議で面白い。


で、仕上がったのがこのパスタたち。はちゃめちゃな色合いに見えますが、カラフルな食べ物が集まるとこんなに綺麗なはちゃめちゃになるのです。キャンディとかドロップみたいにも見える。


パスタが出来上がったらテーブルセッティング。
真っ白なお皿が並んで、これがみんなのキャンバスになる。
素材も並んでいるので、さながらアトリエのような気分!


パスタが茹で上がるまでに、個々のお皿でアートを作り上げるのが、その次のステップだった。これは船橋シェフのお手本。材料はイカスミペースト、バジルオイル、トマト、塩レモン、パセリ、唐墨、アリッサ(チュニジアの赤唐辛子ペースト)。


これが私のお皿。まっくろくろすけな涙(ラルム)のイメージ。腹黒な性格がバレましたでしょうか・・・。お皿をキャンバスにしてお絵描きするのは、それはそれは楽しかった。他の方々も素敵なアートを描かれていて、それが撮影できてなくて残念!


で、船橋シェフが仕上げてくださったパスタが、アートしたお皿の上にオン!パスタのソースと、イカスミやらバジルオイルなんかがお皿の上でうまい具合に混じり合って、美味しかったなー。ピンクの飲み物は、フランスのヴァンムスーっぽいビオワインでした。


オーナーである正木さんの、ものの作り手を守ることができなければギャラリーなんてやる意味がない、という言葉は、とても重く私の心に残った。職人という生き方に憧れ続ける私の、"物差し"のようなものと深いところでつながっている言葉だと思ったから。
ギャラリーフィールアートゼロでは今週末まで毎日、このような食とアートのイベントが開催されている。残席は少ないようだけど、ご興味のある方はぜひお出掛けになってみてくださいまし。詳しくはこちらへ。