今日の地球

サブちゃん初夏の収穫祭!【今日の地球】


80を過ぎた私の父の、今一番の趣味であり感心事は農業である。仕事一直線の現役生活から引退して早十年余りが経ち、もともと植物好きだった父は、70歳を随分過ぎてから突然農業をやり始めた。農業と言っても、猫の額ほどの畑で細々と続けているので、あれを農業と言ってしまうとお百姓さんに申し訳ないほどの遊び仕事ではあるが。お天気の日は、家から歩いて30秒ほどのところにある畑で午前中と夕方を過ごしている。一日のほとんどの時間を費やしているだけあって、父が作る野菜はビックリするほど美味しい。虫がつきやすい葉ものは最初からあきらめ、素人ができる範囲内で無農薬を徹底して実践している。年をとってから人間関係で悩んだり揉めたりすることもなく、農作物を相手に毎日会話をしている様子は、娘としては嬉しいような、なんだかちょっぴり心配なような複雑な気持ちではあるが、美味しい無農薬野菜を食べさせてもらえるのだから、まぁいいか。ちなみに雨の日はひたすら読書かひたすら数独。最近はそれにクロスワードパズルも加わった。要するに晴耕雨読そのまんまの生活なのだ。あ、サブちゃんとは、父の呼び名でございます。


↑上の写真は、ここ数年作り続けている地場の葱のネギボーズ。これを乾燥させて種をとるのだ!と意気込んで出窓で干していた様子があんまり可愛かったものだから、私がオーナメント代わりに籠に飾った代物で、その前に寝転がった人形は姉のセレクト。ま、これで我が家族のキャラが大体見えてくることでしょう・・・。


この日に収穫できたのは、
スナップエンドウ、サヤエンドウ、グリーンピースに
2番成りのイチゴである。


2番成りのイチゴは甘さもなく美味しくなかったので、
ことこと煮てイチゴジャムに。
毎朝のヨーグルトにいただいておりまする。


この数年は聞きかじった知識が技術に代わり、そこに経験が加わって、父の野菜の味は格段に美味しくなっている。現在のイチオシは新タマネギ。もうそこらの無農薬スーパーの商品とは比べ物にならないくらいに甘くてジューシーで美味しい。生でかじりつきたいくらいだ。今宵は父作の新タマネギを蓋つき耐熱ガラスにまるごと入れて、オーブンでじっくり焼き、とろっとろになったところをスプーンですくって食べてみた。一切調味料なしの自然の味は、ビックリするほど甘かった。ブラヴォー!サブちゃん!


さて、農作業はおろか土に触ることさえしない元深窓のお嬢様の母は何をしているかというと・・・「パパが作った野菜を食べれるなんて若い時は夢にも思わなかったわ」と談。彼女の役割は・・・父が丹誠こめて作った野菜をきれいな包装紙にせっせと包み、ご近所やお友達に配って、いい顔して歩き(いかにも我が家の爺やが作りましたの的な感じで)、いざ自宅で食べようとすると全部さしあげちゃって野菜がないっ!と騒ぐことである。はい、これで我が家族のすべてのキャラがお解りいただけたと思います。