今日の地球

わたしたちにできること【今日の地球】


なんということでしょう。緊急地震速報が流れるたびに胸がきゅっと痛みます。テレビはどこの局も同じように被災状況を伝えているけど、お年を召した方や小さな子供向けに何か別の番組を放映する局があってもいいのではないか?被災者向けに、災害時に病気にならないための知恵とか、飲料水の作り方とか、よくわかんないけど。被災していない人向けには、節電の方法やボランティアへの呼びかけだっていい。正確な被害状況を伝えるのはNHKに任せて、あとは取材合戦するのをやめ、別の視点を入れた方がいいのに、と思う。


緊急時の情報に私がナーバスになったのには理由がある。実は地震発生した直後に私は東京行きの新幹線に乗っていたのだ。発生の瞬間、名古屋駅を足早に歩いていたため地震には気づかぬままに新幹線改札へ。そこには「宮城県で大きな地震があり新幹線は15〜30分の遅れ」との表示だった。もちろんこんな大惨事とは思わずにノーテンキにも「東京での約束に遅れちゃうよ〜。でも再開するんだから席に座っていればいいや」と思い、ホームで停車している新幹線に乗ってしまったのだ。


新幹線は遅れながらも出発するが、三河安城駅でストップ。JR側の説明は相変わらず同じで「宮城県で大きな地震があったため、線路状況を確認中」とのこと。その時点では「そのうち動くでしょ」という空気が車内に漂っていた。まさか東京で地下鉄もJRも動かないなんて状況だとは誰も思わなかったのだ。こんなことなら名古屋駅で「東京・東北方面には向かえません」って言っちゃっても良かったんじゃないのかな。私が乗った新幹線は三河安城駅で5時間半以上ストップした。東京に行けてもJRや地下鉄が動いていない、さりとて名古屋に戻ることもできないとなって、車内のノーテンキな空気は悲壮感に変わってゆく。
私は折しも運悪くケータイの電池が切れそうだったので、緊急時に備えてケータイ使用は控え、パソコンを取り出して情報収集した。twitterやfacebookで友人たちがオンタイムに知らせてくれたおかげで、やっと状況を把握することができ、悲壮感は恐怖感へと変化した。その後、午後8時の段階で、新幹線の運転再開が決定し、私が乗った新幹線は豊橋で臨時停車することが決定。午後9時、私は豊橋駅に降り立つことができた。そこからダイヤが乱れている在来線に乗り換え、名古屋に戻ったのは午後11時になっていた。


情報というのは、使い方や伝え方によっては、凶器にもなる。必要な情報をいかに正確に伝え、それを冷静に受け止めて行動することが大切だとはわかっていても、緊急時にはなかなかそれがうまくいかない。阪神大震災の対応を反面教師にして、マスコミは今回報道に気を遣って欲しいし、わたしたちコピーライターも職業の特性を活かしてメッセージを伝えていくべきだと思う。実際にtwitter上では若いコピーライターたちが節電を呼びかけるコピーを発表しているし、夜の広告ネオンを消すようにクライアントに呼びかける運動もおこっている。


とりあえず私はこの週末、実家に帰っている。実家に帰ることで、私一人で無駄な電気を使う必要がなくなるからだ。年老いた両親と共にリビングで集中して生活し、節電に心掛け、背の高い所から物が落ちてこないように配置を変えたりしている。今回の震災には直接関係がないかもしれないけど、家族でいろんなことを話し合うことで震災への意識を高めることはできると思う。お子さんがいらっしゃるご家庭なら、緊急時の連絡方法や集合場所など、これを機会に話し合ってもいいんじゃないかな。遠く離れたわたしたちに出来ることはまず節電、そしてお金の用意だ。Yahooのトップページからはクレジットカードによる寄付ができるそうなので、今年の春はブラウスを一枚あきらめて、早速寄付をしようと思う。明日から会社や工場が普段通りにスタートすれば圧倒的に電気が足りなくなる。明日以降も節電、みんなでトライしましょう!