今日の地球

らっきょう週間!【今日の地球】


今年もやって来ました、らっきょう週間!毎年この季節は、仲良くしているお料理屋さんで「らっきょうボランティア」となる。このお店では、お料理の付け合わせに使うらっきょうを一年分なんと500kg漬け込むので、この時期はお仕事の合間をぬってらっきょう剥きのボランティアに参加しているのだ。残念ながら(泣!)今年はお仕事がヒマなので、いつでもお手伝いにいける私は、今週ちょこちょこと通う約束をした。そして今日がその第一日目である。


500kgを約10日間かけて漬け込むロングランなので、最初のうちはみんなで和気あいあいとお話しながら作業するのだが、後半になってくると疲れ果て、腰の傷みをかばいながら無言でもくもくと皮むきをするようになる。私の役目は、みんなが疲れ始めた後半に登場し、元気はつらつと話題を提供しながら、さくさく作業を進めることなのだ。つまり、私が参加した今日はちょうど折り返し地点の日というわけである。


午前中いっぱいかかって皮を剥いた30kgにまんべんなく塩をうつ。そのままざるに入れ半日かけて水分を抜き、明日の朝、漬け込むのである。この塩をうつ作業だけは大将の役目。長年の勘により、目分量の塩をらっきょうにすりこむようにしてうち、ざるを回しながら塩を全体に行き渡らせる。簡単なように見えて、これが難しい。一年間保管するための「保存料」としての塩の効果は、この時、決まるからだ。私とくだらない話をしながら、左手で塩を掴んでどんどん入れていく大将。「まりちゃん、なんでらっきょうに塩をうつか知ってる?」と言いながら、手元は狂うことなく、マシンのように次々と塩をうち、ざるを回す。らっきょうに塩をうつ理由は、水分が抜けるため、味付けのため、そしてらっきょうの成長防止のためだと大将が教えてくれた。らっきょうは精のつく物で、生命力に満ちているから、根をカットして水につけている間に芽がどんどん伸びてしまうのだ。その成長を止めるためにも塩をうつのだそう。ちょうどタマネギをほっておくと、内側から芽が伸びていくのと似ている。そういえば、わずか1時間くらいで数ミリ芽が伸びてしまったらっきょうが、ざるに数個は入っていたっけ。


らっきょうの生命力と塩の効果を改めて大将から学んだ、らっきょう週間第一日目であった。今週はあと三日ほどらっきょうボランティアと化す予定。半日作業しただけで両手の爪の間かららっきょうの匂いがぷんぷん香る。らっきょう漬け後半戦が終わる今週末あたりには、体全体から「らっきょうのにほい」のするオンナになっていると思うので、皆様あしからずご了承くださいませ。