今日のエコ

白洲正子茶漬け!【今日のエコ】


これ↑今日のお昼ご飯。「ご飯」を中心に、塩昆布、お漬け物、エノキ佃煮、椎茸ステーキ(これだけは唯一自慢できる逸品です、うふ)。冷蔵庫にあった物で作ったごくごくシンプルなおかずだった。
フリーランスでしかも自宅の一部を事務所にしている私には、お昼休みというのがあるようでない。取材や打ち合わせで外に出掛けている時は、その出先の方々とご一緒することが多いが、お昼時に出掛ける用事がなければ、家にある物で食事をとることになる。締め切りが迫っていれば、お昼の時間など関係なくパソコンに向かっているし、はっと気づくと13時を過ぎてる!ということもある。


そんな私が、今日のお昼は「ご飯」を中心にランチするぞ!と決めたのには理由がある。先日まで名古屋駅のJR高島屋で開催されていた「白洲次郎・正子展」にお邪魔して、白洲正子コレクションの←このお茶碗を見て来たからだ。白洲正子はご存知の通り骨董収集が趣味で、会場にはあらゆる骨董を用いた夫妻の生活の様子が展示されていた。左の写真はその中のひとつ、「瀬戸麦藁手」のシリーズである。麦藁手(むぎわらで)は、縦縞の文様のことで、愛知県の瀬戸市近辺で昔から作られていた物。縦縞が麦の穂に似ていることから麦藁手と呼ばれており、柳宗悦の日本民芸運動でも絶賛されていたらしい。白洲正子は麦藁手が相当好みだったらしく、今回の展覧で麦藁手コーナーができちゃうほど多くの器が展示されていた。


その麦藁手コーナーには、江戸時代中期の片口や鉢、お茶碗がずらり。そしてその中に、私が愛用している麦藁手とそっくりの物が幾つもあったのだ。↑上が白洲正子所有、←こっちは私所有の麦藁手。15年ほど前に瀬戸で購入した物で、白洲正子の物と比較すると、文様は大柄で縞が太いけど、これも立派な瀬戸麦藁手、でございます。今迄なにげなく使ってきたこのお茶碗が白洲正子好みだったとはびっくりである。気分はすっかり白洲正子となり、今日のお昼にこのお茶碗でご飯を食べ、最後にあられと海苔と梅をのっけて、お茶漬けにしていただいた。名付けて「白洲正子茶漬け」。ただのお茶漬けも白洲正子ブランドがつくと、高尚な文化の香りあふれる一品となった。


実はこの麦藁手、大切に使っていたにもかかわらず、ついぞ5年ほど前、6つの内1つを割ってしまったことがあった。普通ならゴミ箱行きのはずの麦藁手だったけど、←頑張って金継ぎ(見えますか?)して直し、今もかろうじて6つが揃っている。白洲正子好みと判ったからには!、これからも大切に使い、白洲正子茶漬けを食べ続けていこうと思う。