今日のエコ

駅に本棚!【今日のエコ】

夏が来れば思い出す遥かな尾瀬〜遠い空♬と謳われた尾瀬ではなくて、私が連休の間にロケハンで訪れたのは岐阜県関市の小瀬。私が周りの人に「オゼに行く」と話すと、ほとんどの人が尾瀬だと思ったらしく「遠い所まで日帰りなんて大変だね〜」と言う。「いえいえ岐阜の小瀬ですよ、鵜飼やるところね」と言っても、相手はますます怪訝な顔をする。名古屋からなら小瀬の方が近いのに、意外に知られていないんですね。発音がまったく一緒で2つの別の土地名なら、推理小説に登場させるといいんじゃないですかね〜?松本清張の「砂の器」じゃないけれど、犯人を追う刑事が小瀬を尾瀬と間違えて、わざわざ遠方の尾瀬に捜査に行ってしまい、事件が迷宮入りしかけてわからなくなってしまう・・・みたいな。ふふん。
念のためご説明申し上げると、"夏の思い出"で謳われて一躍有名になった尾瀬は福島・新潟・栃木・群馬の4県にまたがる高原のこと。小瀬は岐阜県関市の長良川沿いの街で、岐阜市の長良川鵜飼と同じように、春から夏の間は鵜飼が行われている。


駅員さんと思われる女性

駅員さんと思われる女性

近づいて来たら妙にコーフン

近づいて来たら妙にコーフン

真っ赤な車体が可愛かったです!

真っ赤な車体が可愛かったです!


ディレクターS氏、カメラマンM氏と待ち合わせしたのが「長良川鉄道の関駅」だった。約束時間より随分早くついてしまった私は、駅員さんらしき女性のいぶかしげな眼差しを感じながら、推理小説にこの駅がどうからんでくるかを妄想しつつ、しばし駅の構内を散策。すると一時間に一本ペースでやってくる電車がホームにすべりこんで来た。一時間に一本と聞くと、電車を待ち受ける方もなぜだか浮き浮きするモンですね。思わずカメラでぱちり。遅咲き桜の花びらが舞う中、真っ赤な電車は木造の駅舎にとてもよく映えていた。


そして駅舎の待合室で見つけたのがコレです。
奥に見える本棚。
これは駅を利用する人のために、
住民によって持ち寄られた駅併設の「図書館」なのだ。
後ろ姿の旅人もイイ感じですね。


本棚の上にはこんな張り紙が。
駅利用者のために好意で持ち寄られた本なので、
どうぞお楽しみください、ただし持ち帰りはご遠慮ください、
という内容。


こ〜ゆ〜の、いいと思いませんか?都会の駅にあったら、持ち帰ってしまう人がいたり、落書きされたり、しちゃうんでしょかね、やっぱり。でも人の善意ってそう簡単には踏みにじれるものではない。新刊本ではなく、人の手を渡ってきた物がそこにある方が、持ち主のココロを裏切れなくなり、お行儀よくなるのではないかしら?そう!そこに愛があれば、罪なことなど起きないのですよ、きっと。と、珍しくハリウッド的発想でコスモポリタンな発言をしてしまった。素朴なイイ味を出してる木造の関駅と本棚、その平和な空気感にすっかり毒気を抜かれたみたいだ。