伝統芸能の継承者たち

【香り三昧のソワレ〜香道とワインとお料理と〜】【伝統芸能の継承者たち】


【香り三昧のソワレ〜香道とワインとお料理と〜】
3つの香の調和を楽しむディナーを企画しました。初めてのコラボで悩みに悩んだ会でしたが、さすが常に香りと向き合っているお二方。初めてなのに初めてとは思えない驚くような香りのハーモニーとなって、陶然とする瞬間をつくりだすことが出来ました。志野流香道21世家元継承者である蜂谷若宗匠が組み立てた香りのコースに、ルマルタンペシュールのオーナーソムリエ・那須氏がワインと料理を合わせるという試み。


香りが主役になるので、普段のワインと料理の組み合わせのセオリーは通用しません。魚料理には赤ワインソースで、クローブを中心にした香木・羅国の香りに合わせ、ワインはシャトー・ヌフ・デュ・パープ(赤)。これはソムリエ泣かせだったそうです笑。メインのお肉はアイスランドの子羊、王道ではボルドー・ポイヤック(赤)あたりを持ってくるところですが、なんと、香木・伽羅の甘い香りに合わせて、那須ソムリエの秘蔵品、ラングドックのゲヴェルツトラミネール(白)!
しかも黒いグラスでブラインドで出されました。それだと子羊に合わないのでは?と普通は思いますがミルキーで上品なアイスランドの子羊には合うのだそうです。伽羅・ゲヴェルツトラミネール・子羊の3つの調和には、本当に本当にうっとり。
この世にこんなにも儚い組み合わせがあるのか、と思うほどでした。香りを聞いて、ワインを飲んで、お食事をいただいてしまったら、何も残らないんです。でも記憶にはしっかりと、今でもこの儚い甘さが残っています。


ディナーが終わってから、今回のこの企画のお駄賃として笑、お食事をいただきましたが、伽羅の香りがないまま子羊とゲヴェルツをいただいたら、ゲヴェルツの甘さが際立ちすぎていました。そこに伽羅の上品な甘い香りがあったからこそ、”香り三昧”と言える組み合わせになったのだと。
聞けば、この難しい組み合わせに一晩眠れなかったという那須ソムリエ。プロ中のプロを悩ますほどの難しさがあったから、やがて素晴らしいひとときを迎えることができたのですね。
そして最後に若宗匠からのサプライズはなんと!徳川家康が所持していた「千代の契り」という仮名がついた香木!!!おそらく家康も聞いたであろう香木を時を違えて現代のわたしたちも楽しめるというロマン。香道の面白さとその奥深さに、参加された方全員が鳥肌ものでした。次回は何を企画しようかなぁ〜とつぶやいたら若宗匠が苦笑い。早速、楽しい集いを考えますので、乞うご期待!

#香り三昧のソワレ
#志野流香道
#ルマルタンペシュール