伝統芸能の継承者たち

やっとかめ文化祭を見にゆこう!【伝統芸能の継承者たち】


10/31から、名古屋で「やっとかめ文化祭」がスタートした。今年から始まったこの文化祭は、名古屋に昔から根付いている伝統芸能にスポットをあて、その面白さを次代へと繋げるために、名古屋市内の各所で約一ヶ月に渡ってさまざまな芸能を鑑賞できるイベントである。名古屋市をはじめ、名古屋市文化振興事業団、名古屋観光コンベンションビューロー、中日新聞社が主催している。私はこの文化祭のパンフレット制作に携わらせていただいた。もともと芸能好きの祖父母や両親、叔父叔母に囲まれて育ち、小さい頃は芸者さんに遊んでもらった子供だったので、日舞や長唄、小唄、三味線、都々逸などが生活の中にいつも存在していた。生活の中に芸能があったなどと書くとたいそう聞こえはいいが、要するに親戚が集まってお酒を呑み、酔っぱらってくると、誰かしら小唄を謳い出したり、都々逸でエロスを発揮したり、というのが日常だった、と表現した方が正しい。


そんなわけで、このお仕事は、まさに楽しみながら仕事ができた好例かもしれない。なぜかというと、原稿を書きながら「この演目は確か○年前にあそこで観たのだな」とか「この出し物は面白いから見に行かなくちゃ」とか「あら○○○さんが出演されるのね」とやたら独り言の多い作業となったのである。


伝統芸能というと、なんとなく難しそうな雰囲気がしたり、どうせ古典だから面白くない、と思われがち。ところが、このやっとかめ文化祭では、そんな苦手意識がふっとんでしまうような仕掛けがされているのだ。「なぁんだ、おじいさんが謳ってるけど、よく聞いたら男と女のエロ話じゃん」「面白いパフォーマンスかと思ってよく見たら狂言だったのか」「これは現代で言うと吉本新喜劇なんだね」と思えるような演目が選ばれているし、古典芸能をまったく知らない人でも気軽に入っていけるようにストレートな面白さを追求している。


特に、街の真ん中で突然ゲリラ的にはじまる「辻狂言」は見ものである。寺子屋と称してお勉強できるイベントもあるし、とにかく市民参加型の文化祭としてはかなり面白くなるはず!伝統芸能に興味がない方へ→もし街の中でパフォーマンスに出くわしたら、ちょっと耳を傾けて観ていただきたい。今まで知らなかった笑いの世界がそこにあるはずだから。伝統芸能にちょっとは興味有りの方へ→下記にアクセスいただき、辻狂言やまちなか寺子屋、能楽舞台などをぜひチェックしてください。入場無料の演目もたくさんあるので、お気軽に遊んでくださいまし。
やっとかめ文化祭の詳細はこちらへ


昨晩のオープニング。

昨晩のオープニング。

これは都々逸の舞台。

これは都々逸の舞台。

これは平成殿様踊り。

これは平成殿様踊り。