徒然なるお仕事

信州への憧憬【徒然なるお仕事】


新緑あざやかな軽井沢へ取材に行ってきた。朝7時にロケ車は名古屋・栄を出発し、約4時間で軽井沢に到着。ぶり返した寒さは軽井沢も同じだったので、寒がりの私はホッカイロを背中に貼って車を降りた。すると気温とは裏腹に、景色はすっかり信州の春。青空と新緑のコントラストが目に眩しく、清々しい空気を吸い込むと、身体の淀みが流されたような気分になるのは私だけでしょか?と思っていたら、エディターのN氏が「やっぱ信州ってええですねぇ。信州の景色を見ると思わず住みたくなるやないですか」と関西弁でつぶやいた。やっぱり誰でもこの圧倒的な自然を前に、心洗われる気持ちになるんだな。


今回はとあるガーデナーの取材で、その彼が作った美術館の庭にて撮影とインタビューがおこなわれた。その土地に根ざした自然の植生を基本に庭を作るその人はイギリス人。シャイな人なのでは?という予想とは違ってとても親しみやすく、独特の自然感と庭づくりの考え方が面白くて、ぐいぐいと話に引き込まれてしまった。インタビューしたというよりも彼の話を聞きにいったという感じ。滞りなく撮影も終わり、時計を見たら終了予定時刻より随分早い。取材に同行していただいたクライアントのMさんと「楽しかったですね〜」と盛り上がることしきり。楽しかった〜と言える取材って意外に少ないものなのですよ。


育成中の庭、ほんの一部

育成中の庭、ほんの一部

てんとう虫を発見

てんとう虫を発見

同じくてんとう虫にコーフンして撮影するエディターN氏は、なぜだか坊ちゃん刈りになっていた

同じくてんとう虫にコーフンして撮影するエディターN氏は、なぜだか坊ちゃん刈りになっていた

これはオヤマボクチ。
昔、お蕎麦のつなぎとして使われていたもので、
話には聞いたことがあるけど、実物を見たのははじめて。
木曽福島に、オヤマボクチを使った蕎麦のお店があったな〜。


これもそのお庭で見つけた春。
こごみ、ですね。
てんぷらにすると美味しい、あれです。
名古屋あたりじゃもう"名残"だけど、
軽井沢では"走り"なんですね〜。


普段コンクリートに囲まれているからか、信州に行くと特別な空気感を感じてしまう。とりわけ"軽井沢"の響きには、皇室の恋が実ったという両親の青春時代の擦り込みがあるからだろう、無条件に憧憬の念を抱くのだ。オヤマボクチだって、こごみだって、てんとう虫さえも、"高尚"な植物や"数奇"な虫に見えてくるから不思議である。


これは夕暮れ時に名古屋に戻ってきた時の一枚。左に見えるタワーが、庄内川沿いに建つ積水ハウスの超高層マンション。名古屋高速に入り、右手に名駅のビル群、左手にこの高層マンションが見えてくると、あぁ〜帰ってきたんだな〜といつも安心する。軽井沢の特別な空気感にわくわくしつつも、やっぱりホーム・スウィート・ホームというわけで、慣れ親しんだ街が一番の落ち着きどころなんですね。
この日のロケ車はアルファード。座り心地の良さ、車内の広さ、静かさにはびっくり。おまけに運転はプロのドライバーさんだったので、とってもお上手な運転に安心しきって、行きも帰りも熟睡しちゃいました。ご手配くださったOさん、ありがとうございました〜。