えとせとら

ヴァカンスをとる方法【えとせとら】


うわ、日付見たらおよそ一ヶ月ぶりの更新だったんだ・・・。facebookで日常のネタを放出しているので、こっちのコラムは気づかぬうちにご無沙汰になっていたんですね。まぁ、コラムにじっくり向かえる時間がなかったというのも正直なところで、夏休みもなかった私。これではいけないと思って、木曜から週末まで、えいやっと4日間のお休みをいただいたわけなんです。写真は、ホテルのお部屋に飾っていた花と、読書のお供にした大好きなシャンパン。これが私の夏の思い出になった。
私が社会人になった頃はポケベルとパソコンの時代で、連絡方法は固定電話が主流だったのだけど、今や固定電話なんてファックス以外は鳴りもしないし、ファックスそのものもほとんど使わなくなってしまった。つまりケータイとネットとパソコンがあれば、いつどこでも仕事ができる環境である。確かにおそろしく便利ではあるのだけど、我々フリーランスの立場から言うと「休めない」状況が出来上がっている。出張に出ていても、取材中でも、土曜や日曜だって、電話やメールは届いちゃうし、それに対して即レスしないとせっかちな相手は焦るわ心配するわ、あげくのはてには怒っちゃう。おまけに最近はお盆休みをとらない代理店が多く、各個人で時期外れなお休みをとったりするもんだから、当然外注スタッフである我々はいつになっても休めない。←別に愚痴ってるわけではないのですが、そういうわけで気づいたらきちんと「お休みします」宣言して休日を過ごしたことが今年に入って一日もなかったことに気づいたのである。正確には、精神的休養をきちんととっていなかった、という意味なんだけどね。


まぁそういうわけで、私が選んだヴァカンスはというと・・・ひたすら非日常空間で「なんにもしない」をすることだった。名古屋市内のホテルに3連泊し、朝と夕方のお散歩以外はホテルを出ない。朝食はお部屋で、お昼と夕食のどちらかもお部屋でとる。もちろんスッピンなので誰にも会わない。パソコンは持参したので文章は書いたのだけど、それは自分のための書き物であって仕事はしなかった。あとはひたすら読書と入浴と惰眠である。あ、ちょっとだけお酒もね。のんびりさせていただきました。
友人たちは「一人暮らしなんだから、家でのんびりすればいいのに」とか「どうせホテルに泊まるなら京都とか行けばいいのに」と進言してくれたのだけど、自宅で過ごせばお金はかからないけど非日常は味わえない。京都に行けば楽しいだろうけど、ついいろんな所に出掛けて情報収集(仕事の延長)してしまうのだ。
さて、この贅沢なのんびりを4日間過ごして気づいたことがある。お休みがとれない!と自虐的な思い込みをしていた私だけど、休日はいつも自分のすぐ隣にあったのだ。今回facebookで「お休みいただきます」と宣言していたこともあり、クライアントやスポンサーは気を遣ってくださって、連絡は電話ではなくメールにしてくださった。しかも本当は急いでいるはずなのに「対応は月曜日でいいですよ」と優しい一言もつけてくださった。私がお休みをとることを知らないクライアントからは「来週水曜までの原稿、今週中になんとかなりませんか?」と連絡があったのだけど、もうホテルにチェックインしていたので、申し訳ないけどキッパリとお断りした。他の仕事は大きな波を過ぎていたこともあり、私自身も「よほどのことがなければ仕事はやらない」と決めていたので、メールのやりとり程度で、本当に仕事をしない4日間を過ごすことができたのである。
でも、これって、普段からやろうと思えばできますよね?週末は絶対に休むとか、この日はお休みにするので連絡とれませんとか宣言しちゃえば、それなりになんとかなっちゃうのである。なぜ今までそれをやらなかったのか→答は簡単で仕事を失うのが怖かったから。即レス対応できないコピーライターは仕事が来なくなるという恐れにも似た思い込みが、年甲斐もなく精神休養なしの毎日を作り出してしまったのだ。そうなのです、私の悩みや抱えている問題は、いつだって自分の中に答があった。それに気づくのがあまりに遅すぎるというだけで。人生ももうすぐ折り返し地点、いや、とっくに過ぎたか? 次に抱える問題については、早め早めに答を見いだそうと思っているのだけど、できるかなぁ・・・。