えとせとら

なんと、骨折でした!【えとせとら】

え〜、今から遡ること3ヶ月前。我が実家で11歳になる老犬の散歩に行き、調子にのってサンダルで走って転倒し、左腕を負傷したことは以前にこのコラムで書いた。その時、レントゲン技師との間でブラジャーを巡る一悶着があったことも書いて、皆さんの失笑をかった。詳しくはこちらを再度お読みください。だけどもがっっっ。再び皆さんの失笑をかうような出来事が発覚してしまったので、白状させていただく。
転倒事件の後、「全治10日間」というヤブ医者の言うことを信じて疑わず、なんとなく痛みは残るけど、治ってるんだからいいよね、とすっかり左手を放置プレイしていた私。さすがに3ヶ月たった今でも痛みがひかず、いまだに左の手のひらをついて立ち上がることができず、左肩に鞄をかけようとすると痛みが走ったりする状況に不安を感じ、先日、実家の近くの信用できるG整形外科で診てもらった。レントゲンを見たG先生と私の会話。「あなた、どこの病院に行ったの?」「マンションのすぐ近くなのでヤブで有名な●●病院に行きました」「それ、夜間だったでしょ」「はい」「あそこ、★★病院のインターンの先生が夜間診療のバイトに行くことで有名なんだよね。多分あなたの腕を診た医者は整形外科の専門医じゃないね」「はぁ」「これ、多分骨折してますよ」「な、な、なんですと!?」


そうなんです、手のひらには、人間の体の中でくっつきにくいワースト3とされる舟状骨(しゅうじょうこつ)という骨があるのだそうです。だから、手のひらから転んだと言われたら、まずは舟状骨骨折を疑うのが整形外科の教科書なのだそう。スキーなどで変な転び方をした人がよく骨折する箇所だとか。ところが専門医じゃなかったインターンの先生(確かにかっこ良かったけど若い先生でした)は、手のひらのレントゲンは撮らなかった。ただでさえ見落としがちな骨で骨折判断が見えにくいため難しいとされる場所を、夜間のバイトインターンが診たのだから、誤診も仕方ないのかな。G先生はこう続けた。「自分の専門外だったのなら、翌日にでも専門医に診てもらうように指示すればいいのにねぇ」なるほどね、私もそうアドバイスを受けていたら、きっとセカンドオピニオンを求めていたはずだ。
そんなわけで、時間がたち過ぎている私の骨折は、今となってはレントゲンでは詳細がわからない状態だったため、MRI検査へと進んだ。MRIの結果を診て、G先生は改めて「あぁ、やっぱり骨折ですね。出血もまだあるようです」とすごく残念そうに教えてくださった。
なぜG先生が残念そうに言ったかというと・・・舟状骨の骨折はたちが悪く、くっつきにくいことから、大げさな外科手術が必要になるかもしれないからだった。時間経過の自然治癒ではくっつかないまま痛みがひかないことが多く、その場合は骨盤の一部の骨を削って移植し、金属でブリッジをかけて固定するのだそうだ。もう聞いただけで痛そう、死にたくなる。


骨盤削って・・・というあたりからすっかりビビリ姫になってしまった私は、重病人の趣となり、顔色は悪くなり、左手首の痛みは増し、まさに世界の終わりという感じで帰宅した。とりあえずは数ヶ月様子をみて、再びMRI検査を受け、骨の状態がかんばしくないようなら外科手術を受けなければいけない。その日から、左手首を徹底してかばって行動している。もう左腕で重い荷物を持つのはやめよう。カルシウムたっぷりの食事をとるように気をつけよう。お魚の骨なんかバリバリとかじってやる。あ、大事なこと→調子にのってお酒を飲んで走ったりするのはやめよう。また転んだりしたら大変だ。もし夜の街で酔っぱらってへらへらと笑いながら走る私を見かけたら、どうか皆さん、無理矢理でもタクシーに乗せてくださいね。よろしくお願いいたします。