えとせとら

ブラジャーはとるべきか?【えとせとら】


そんなわけで、年甲斐もなく、こけました。左腕から肩にかけての打撲、全治10日間の診断。三角巾で左腕を吊った状態で1週間が過ぎ、やっと80%くらいまで復帰しつつあります。お騒がせした皆様、取材時にご心配おかけした皆様、大変申し訳ありませんでした。
この事故が起きたのは実家帰りしていた時のこと。御年11歳の犬の散歩に、よりによってサンダルで出掛けたワタクシ。11歳とはいえ、まだまだ走りたい盛りの犬にとって、私は一緒に走ってくれる「仲間」である。年老いた父は時間をかけて散歩はしてくれるものの、じゃれたり走ったりはしてくれない。だから私が散歩するとなると「走れる走れる〜♥」と目を輝かすのである。そんな目で見られたら走らざるを得ないですよね〜。サンダルで走り、道路の溝に思い切りつまづき、左手からこけました。利き腕である右手が無傷だったのは不幸中の幸い。左に激痛が走るものの、骨折ではないとタカをくくって実家から電車でマンションに戻り、数時間を過ごした。夜になってずきずきと痛みが増してくるので、念のためレントゲンだけ撮ったら?という友人の勧めにより、ご近所のヤブで有名な某病院へ。さて、そこで起きた第2の事件が今日のテーマでございます。


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夜間診療で御年28歳と思われるインターンのお医者さまに左腕を診ていただいてから、レントゲン室へ。そこには御年30歳と思われる男性のレントゲン技師が待っていた。以下、私とレントゲン技師(以下レ)との会話。(  )内は私の心のつぶやきである。
レ・「痛い所の写真を撮りますからね、洋服は脱いで、こちらの籠に入れてください」
私・(金具が反応するから洋服脱ぐんだ。でも腕が回らないからブラジャーがはずせないっ!)
  「あのぉ、腕が回らないものですから、ブラジャーはずしてもらえますか?」
レ・「ブ、ブラジャーですか?」
私・「えぇ、ですから、手が痛くて後ろに回せないんです」
レ・「ブ、ブラジャーはとらなくてもいいですよ、そのコートだけ脱いでもらえれば・・・」
私・「は???? コートだけ脱げばいいんですか?」
レ・「はい、コートだけ脱いで、左腕を置いてください」
私・「あ、はい。ブラジャーはいいんですね・・・」(なぁんだブラジャーはいいのか)
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この話を友人たちに話したところ、レントゲン技師の言い方も確かに誤解を招くけど、さらに私の応答も誤解を招くのではないか?と指摘を受けた。つまり、友人たちは、中年女性患者から若年レントゲン技師へのセクハラだと言いたいのだ。痛いのと不安なのとでセクハラどころではないというのが当時の私の心境なのだけど、冷静に考えてみると、こりゃ確かにセクハラですよね。左腕のレントゲンを撮るのに、ブラジャーの金具が反応するわけないじゃないのさ。やれやれ。年をとると、言動には気をつけなければいけないものなんですねぇ。会社の上司が女性の部下からセクハラと言われないように気づかいするのが大変だという話をよく聞くけれど、そんな中年上司の気持ちがちょっぴり理解できたような気がする。世の若者諸君よ、我々中年はセクハラしてみたいなどと思っているわけでは決してございませんのよ。どうぞ誤解めさるるな。