えとせとら

四十オンナ【えとせとら】

四十オンナ、という表現を聞いたら、どんな女性を想像されますか?

40代のワタクシ、最近、「やっぱり年なのね・・・とほほ」と感じることが多く、やたらめったら「四十オンナですから」と自虐ネタを含めて自分を表現している。このコラムでも頻繁に登場しているため、ある人から指摘を受けた。"四十オンナという表現はおやめください"と。

「年齢は実際に40代なのでしょうけど、それをコラムで敢えて広報する必要はありません。四十オンナという表現からは、所帯やつれした昔の主婦を想像させます。仕事に張り切っている、生き生きとした教養ある女性のイメージとはギャップがありすぎます」

・・・・・・・・・・・・・・と。

張り切るほどの仕事もなし(泣)、生き生きしているのは食事の時だけで、教養があるとはとても言いにくく・・・とまた自虐方向に走りがちなワタクシ。苦言を呈してくださったのは、20年前にクライアントだったTさん。現在は労務管理事務所を主宰していらっしゃり、私の20代(ぴっちぴちで可愛かった頃)をよくご存知なのである。


そこで、ふと思い出したことがあった。私が30歳になったころのこと。取引先から、社内報の少し拡大版「○○新聞」みたいなノリの情報誌が毎月送られてきていた。そこに、私と同年代の女性たちが綴る「三十路オンナの独り言」(不確かですが)というコーナーがあり、三十代を迎えた女性の悲哀、三十代だからこそわかることなどが書かれていた。そして、私はそのタイトルに不快感を持っていた。
三十路という表現自体、古くさいし、今や三十代の女性は輝いている人ばかりなのに、どうしてこんなマイナス方向の表現をするのかしら?同じ三十代を楽しく過ごしている女性が不快な思いをするのでは???と思い、一度その担当の方に「タイトル、少し変えてみては?」などと生意気なことを申し上げたことがある。数ヶ月したら、そのコーナーはなくなってしまった。なんだか余分なことを言ってしまったのでは?と自責したけどすでに遅し。生意気な自分を恥じていた。


今回、Tさんがお感じになったのは、この時の私の感覚と似ているのかもしれない。昔の使い古された表現で今の自分を卑下するのは女性として美しくない、と。
そして、見た目も中身も確実に年老いていくという現実に、四十オンナという表現を加えて使えば悲壮感がある。ふむ、確かにある。イマドキ風に言えば、痛いってやつですね。

というわけで、今日から、四十オンナ、封印いたします。これからどんな言葉で表現するかはまだ未定。Tさんからは「言葉のプロなんですから」とプレッシャーをかけられているので、考えなくっちゃ。

もう四十オンナとは言わない、と言って、結果、言っている、パラドックスなコラムになりました!