えとせとら

妄想クイーンの告白【えとせとら】

なにを隠そう、私の趣味は妄想で、特技は妄想を現実と間違えて周りに変な顔をされてしまうことである。人呼んで妄想クイーン。
プロダクション社長でコピーライターの伊藤秀一氏からは、「アンタの拡散思考っぷり、結構好きだよ」とお褒め?の言葉をいただいたが、妄想なのか拡散思考なのかは定かではない。お仕事をしている時以外は、食事中も含めてほぼ妄想の時間だ。先日もある人から「スコッチパーティーやるからおつまみ担当しない?」と言われて、以来、毎日スコッチに合いそうなおつまみやパーティーの様子が勝手に頭の中を巡り続けて止まらない。誰か止めて〜。


この妄想癖は一体いつからなのか?とこれまたダブルで妄想している時、テレビで布施明が歌っているのを見て、人生最大の妄想劇を思い出した。そうだ!妄想歴によると、布施明は親戚だったんだ!


幼稚園児の頃、布施明は当時のアイドル世代よりも少し年上で、イカしたお兄さん的な存在の歌手だったと思う。特に好きな歌手、というわけではなかったのだけど、なぜだか幼稚園児だった私の夢の中に出てきたのである。


その夢とは・・・布施明は、母と年の離れた弟で、オトナの事情により姉弟と知らされることなく別々に育てられ、今は東京で歌手として成功している。その布施明が、祖父母の家を訪ねてやって来た所に偶然私が居合わせてしまう。祖父母からは、布施明が母の弟であることは誰にも言ってはいけないよ、と厳しく教え込まれたので、私は何があってもその秘密を口にしまい、と固く心に誓うのである。


その夢から覚めた後も、布施明叔父さん説はなぜだか現実の私の頭の中にしっかり残っていて、布施明は本当に私の叔父さんなんだ!と勝手に信じていたのである。今から思うと、なんでそんな妄想が働いたのかはわからないけれど、子供の脳は意外に大人びているもので、絶対にこれは言ってはいけないんだ!と必死に秘密を隠したつもりでいた。テレビで布施明を見るたびに、祖父母の心痛を思って、一人枕を濡らしたのである。


というわけで、およそ半年あまり、私は布施明が叔父さんだと信じて疑わなかった。ところが祖父母はその後なにも言わなかったため(当たり前だ!)、いつの間にか叔父さん説を忘れてしまい、なんとなく「んなわけないよね〜」的に事情はのみこめていったのである。


それにしても、我ながら大した妄想である。今でも、テレビにキムタクとかが出ていると、もしキムタクが恋人だったら・・・やっぱ寝化粧しちゃうよな〜、それでもって・・・などと考えることしばしば。昔のドリフターズの「もしも○○○だったらシリーズ」(これがわかる人、年代層一緒ですね!)の世界を地でいく感じの生活だ。


そんなわけで、日々妄想を繰り返すワタクシですが、この場で布施明さんに深くお詫び申し上げます(お読みになるわけないけどっっ)。私は幼稚園の頃、約半年間、勝手に叔父さんだと思い込んで日々を過ごしておりました。大変ご迷惑おかけいたしました!