おうちごはん

きのこ、キノコ、茸!【おうちごはん】


日本のきのこと、フランスのきのこが、我が家にやって来ました!
真っ黒なのはフランスのトランペットデモール(直訳すると死のトランペット、真っ黒な色から付けられたらしい)。その右にあるのはフランスのピエブルー(こちらは青い足という意味、下部が青みがかった紫色をしているのです)。左端にあるオレンジのものはフランスのピエドムートン(羊の足という意味)。ネーミングが見た目そのままで分かりやすい。見た通りの名前をつけるのは日本も同じで、お花が咲いたように見えるから花びら茸とか、あわびと形が似ているのであわび茸とか。


この日のメインは、きのこのオンパレード。フランスのきのこをニンニクとシャンパンで蒸していただき、その後にフランスと日本のきのこを混ぜてお鍋をいただいた。お鍋のダシは鶏ガラスープ。前の晩のうちに鶏ガラのダシをとっておき、身の方はバンバンジーで前菜に。鶏ガラスープをとっている最中、我が家の狭いキッチンはさながらラーメン屋さんのような匂いでいっぱいになった。お気に入りの音楽をかけながら料理の下ごしらえをするのが好きで、一人で歌ったりたまに踊ったりしながら狭いキッチンを右往左往している。毎回音楽が変わるからか、それとも踊りながら作るせいか、バンバンジーソースは作るたびに味が違ってしまい、安定しないのはなぜかしら?


さて、きのこ鍋のフィナーレは、お雑炊かおうどんか、いろいろ悩んだあげくにラーメンを選択。きのこのダシが出て真っ黒になったスープに茹で上がった細ちぢれ麺を入れ、黒こしょうをふってみんなで一斉にチュルチュルとすする!これが美味しいのなんの!今迄食べたことのない極上ラーメンが出来上がった。スープは、鶏ガラをベースに、塩、醤油少々、そして大量のきのこのダシだ。見た目は真っ黒なので、味が濃いかと思いきや、コクがあってさっぱりした日本人好みの味になった。う〜ん、病みつきになりそう。


スーパーマーケットに行くと、一年を通してほとんどの野菜が売られていて、便利だけれど旬のない市場になってしまっている。栽培できるエノキやぶなしめじなどは一年中手に入るけど、秋の山ににょこにょこと生える天然きのこだけは、さすがにこの季節しか味わうことができない。この日のお鍋と極上ラーメンも、まさに今の季節だけのもの。もう来年まで食べられないのか〜と思うと、美味しさは倍増するものだ。最後の一滴まで、みんなできれいに平らげたので、お鍋はすっからかんになり、そのお鍋を見て気持ちまで満たされた思いになった。旬をいただくことは、体にも心にも美味しい栄養になるのですね。