おうちごはん

偉大なるごはんの力【おうちごはん】

秋のごはんと言えば、何を思い浮かべますか?
いくら、サケ、栗、さつまいも、さんま、松茸、しめじ・・・。
そんなところでしょうか。
今日作ったのはコレ、シンプルな蕎麦茶ご飯。


白米に蕎麦茶の実を入れてそのまま炊くだけのカンタンご飯。炊きあがった時に蕎麦の香ばしさが部屋中に漂うんでございます。ふっくらやわらかなご飯の美味しさと蕎麦の香ばしさの両方を一度に楽しめるので、新蕎麦の季節になると思い出したように炊いている。(もっともこの蕎麦茶は新蕎麦で作られているわけではないので、あんまり季節性があるとは言えないんだけど)


子供の頃から炊き込みご飯が大好きで、母がたまに作ってくれる具だくさんの炊き込みご飯は日本一だと思っているので、今でも必ずおかわりしてしまう。つやつやの白米はもちろん美味しいけれど、ご飯に色がついていたり、上にいくらが乗っていたり、豆やら木の実やら、お魚が一緒に炊かれていたりすると、無性に食欲をそそられる。
私が今迄に一番びっくりしたご飯は、バブル華やかなりし頃のキャビア茶漬けだ。とあるワインラヴァーの会で鳥羽方面に旅行した時のこと。あらゆるレア物シャンパンを飲み、鳥羽の美味しいお魚料理を食べた後、「ご飯」の時間になった。皆のところにお茶碗が行き渡ったころ、おもむろに手元には一人一瓶のキャビアがっっっ!!!ご飯の上にキャビアを存分にかけ、その上にわさびを乗っけてお茶漬けにすると美味しいのだそうだ。早速試してみると、確かにおいし〜〜〜い!いくら茶漬けと同じ要領で、キャビアの塩分と油分が炊きたてご飯にくるまれ、お茶の清涼感でマスキングされて、見事な味になった。


キャビア茶漬けだなんて分不相応なご飯はともかくとして、「ご飯」はどんな場面でもしっかり活躍して、すべての人に想い出を作ってくれる食材である。白米が炊きあがる時の湿り気のある匂いにはなんとも言えないノスタルジーを感じるし、炊き込みご飯はその家庭ごとの味わいがあるはずだし。ご飯の形態が変わって、おにぎりやお茶漬け、お雑炊にしても美味しい。国民食であるカレーライスだって、ご飯がなくてははじまらない。


そういえば、とある大学の栄養学の先生を取材した時のお話。パンと和風のおかずやおみそ汁は合わないけど、ご飯なら和風のおかずはもちろん、ステーキだってスープだって美味しく食べられる。洋風でも中華でもご飯と合うし、アジアンやロシア料理だって合う。ご飯は国籍を問わずどんなおかずとも相性の良い万能選手なのだと。そりゃそうですよね〜、世界中で最も高貴な飲み物とされるシャンパンの最も優れた友と言われるキャビアまで、ぴったりと合わせちゃうんだから!ご飯は世界に誇る偉大な食材なのだ。お米を作ってくださる農家の方々に深く感謝して、今年も新米を美味しく炊こうと思う。