おうちごはん

老舗料亭・若旦那の視点とは?【おうちごはん】


今日で一月も終わりですね。この前、年が明けたと思ったらもう晦なんて、ホントに年をとると月日が流れるのは早いものだこと。来月はそれなりに仕事の予定が入っているので、ビビリ症の私は、今月中にプライベートの楽しみを済ませておこうという目論みで、毎週のごとく我が家でのごはん会を催している。この季節、我が家のごはん会の定番と言えば・・・なんといっても牡蠣のコンフィと丹波のしし鍋である。牡蠣の方はfacebookでアップして以降、私の周りでプチ流行していて、ご自分でお作りになるご仁がいらっしゃったりして嬉しい反響が。しし鍋の方は、写真で見ても美味しそうに見えないのでfbではアップせず。ただし、実際に口にした人々が、えも言われぬ脂身の芳香と深い味わいにうっとりとする表情を見ることが私の楽しみである。


そんなわけで、しし鍋会の2012バージョン第2回は、先週の土曜日におこなった。それが↑の写真である。左から、FM愛知・フレッシュアップアイの川本えこさん、花桔梗の伊藤さん、料亭か茂免の船橋さん、某局のかおりん、住宅ライターでお隣の福岡由美さん。この時の会の名前は「若旦那を囲む会」である。人気の和菓子店・花桔梗の若旦那、そして料亭・か茂免の若旦那が揃ったので、お二人を囲んでアラフォー女子がわいわいつつく(?)という会。話題が豊富な皆さんとの楽しい夜は更けていき、酔いが気持ち良くまわった頃、料亭の若旦那がご不浄にお立ちになった・・・のに、なかなか戻っていらっしゃらない。あれれ、どうしたのかな?と思った頃に、おもむろにリビングの扉を開けて、若旦那がおっしゃった。


●若旦那→「マリコさん、トイレ掃除しといたから」
● 私 →「へ????」
(皆さんがいらっしゃる前にお掃除してあるはずなんだけど、どっか汚れてたのかしら!!!)
●若旦那→「ほら、天井に排気口があるでしょ、あそこに埃が溜まってたから、ペーパーで拭って綺麗にしといたから。他が綺麗になってるのにあそこだけ埃が溜まってるっていうのがどうも気になっちゃって。細かいところが気になるA型だからさ〜ついつい便座の上に乗っかって掃除しちゃったんだよね〜」
● 私 →「ほへ?????天井に排気口なんてあったんだ・・・トイレで天井なんて見上げたことなかったから知らなかった・・・」
●若旦那→「ほへ?????排気口を知らなかったの????1ミリくらいの埃が溜まってたよ」
● 私 →「い、い、いちミリ・・・・」
(多分気づかって1ミリとおっしゃってるけど、多分2ミリだったと思われる)

まぁそういうわけで、料亭の若旦那らしい細かな視点により、我が家のお恥ずかしい失態がさらされたのである。お料理は好きだけどお掃除は得意ではなく、できればやりたくないというのがホンネの私。時々お客様をお招きすることで無理矢理でもお掃除することになるので、なんとかギリギリの清潔さが保たれているようなものだ。
それにしても普段からお客様をお迎えしている料亭の若旦那というのは、本当に細かなところまで行き届いた視点を持っているものだなぁと感心した。ご本人は気をつかって血液型のせいにしてたけど、血液型とは関係がないんじゃないかな。長年蓄積された職業病のようなものじゃないだろうか。料亭は日本の芸術や文化の生きた美術館のようなものだから、料理だけではもちろんダメで、器、軸、花、美術品、建物そのものの意匠性、すべてにおいて、磨き抜かれていなければならない。そういう中で過ごしていれば自然に審美眼は鋭くなるし、視点も厳しくなるのでしょうね。そういう方を自宅にお招きすることの怖さを身をもって体験したわけだけど。これからも若旦那にはどんどん遊びに来ていただいて、いろんな所をお掃除していただこうと思っている。若旦那〜、またお掃除に来てくださいね〜!!!(こ〜なったら、ノー天気に徹する!)
ちなみにこの恥をさらした時の宴の様子は、お隣の由美さんがブログで紹介してくださっているので、そちらもよろしかったらご覧くださいませ。