蕎麦焼酎の蕎麦湯割りに思うこと【一杯の幸せ】
知人のイラストレーターから届いた一枚のハガキがきっかけで、
およそ30年ぶり!に、中学校の時の同級生と再会することができた。
今夜は、その彼女・えりちゃんと、
女2人でしっぽり飲もうということになり、
3週間前に友人がオープンしたばかりのお蕎麦屋さんをセレクト。
名古屋・伏見の和蕎楽(わそら)は、お蕎麦はもちろん、
一品料理もかなりイケてる味で、
開店以来すっかり行きつけになってしまった。
オーナーの恵子さんとは、およそ10年ほど前からの知り合いで、
行く先々でご縁があり、今に至っている。
和蕎楽でビールの後にいただいたのが、この一杯。
天山戸隠という蕎麦焼酎を、とろとろの蕎麦湯で割ったものだ。
焼酎と蕎麦湯のバランスが良く、しゅるしゅると呑み進んでしまった。
100%のオレンジジュースと同じ要領で、
下部になればなるほど蕎麦湯が濃くなっていくので、
残り3センチくらいになると、蕎麦の香りと味わいが一層強くなる。
お雑煮のお餅が溶けてお椀の底に溜まったおつゆのようだった。
美味しいお料理と粋な味わいの蕎麦をぺろりとたいらげ、
30年ぶりに再会した女二人のよもやま話は尽きることなく、
気づくと閉店の時間が・・・。
名残惜しい思いでお店を後にし、
「今度は地元で会おうね!」と言葉を残して、
えりちゃんは地下鉄の階段に吸い寄せられるようにして、消えていった。
彼女は、階段をおりる時、後ろを振り返らなかった。
女同士にありがちな「じゃあねぇ〜〜」と振り返りながら
手を振るあの仕草がなかったのである。
私はすこぶる気分が良かった。
この時、感じた心地よさはなんだったのだろう。
彼女は、今度いつ会えるかわからない人ではなく、
必ず近いうちにまた会えるという確信に満ちた人なのだと思う。
だから、彼女も後ろを振り返らなかったし、
それを心地よいと思える自分がいたのではないだろうか。
蕎麦焼酎の蕎麦湯割りと同じで、
これからの人生はどんどん濃くなりそう!
それならば、気の置けない仲間と共に楽しく過ごしていきたいなと思う。
蕎麦焼酎の蕎麦湯割りで例えるなら、
今の立ち位置は、どのあたりかな。
下から5センチくらいかしら???
それとも、上から5センチ?
いずれにしても、どんどん濃密な人生になっていく気配です。