着物だいすき

下町の情緒【着物だいすき】

土曜日と日曜日、二日間に渡って、名古屋市西区の円頓寺商店街でおこなわれた「名古屋下町散歩日和」にて、のほほん茶会のお手伝いをした。多賀宮の中に緋毛氈を敷いて茶席にし、境内の一部から電源をとってIHヒーターでお湯をわかしてのお点前だったので、お茶会というよりももっとお気軽な、お抹茶を飲んで一服する場所という雰囲気だった。それがまた下町の人情味あふれる商店街の空気感とぴったり合っていて、お手伝いしている私も緊張感なく楽しむことができた。


多賀宮に毎日お参りするお年寄りが「あら、こんな所でお茶がいただけるの?」とスーパーの袋を横に置き、美味しそうにお抹茶を召し上がったり。商店街の歴史について語り始めるおじさんがいたり、昔は商店街に呉服屋さんがたくさんあったんだよ〜と話しながら私の帯をひっぱって触りまくるおばさんがいたり。私たちが育った昭和の時代もこんな風景だったなぁ。知らない人が普通に話しかけてきて、コミュニケーションしていた。「隣は何をする人ぞ」なんて感覚はなかったんじゃないかなと思う。未だに昭和の人情味がたっぷり残る円頓寺商店街。ここに住む友人が、改めてうらやましくなった。


これは「正調名古屋甚句」を謳う方々。名古屋甚句をご披露されて、その帰り道にお茶会に寄ってくださり、「名古屋甚句って聞いたことがないから聞きたい!」とお願いすると、いいわよ〜と気軽に謳ってくださったのだ。名古屋弁や名古屋の名所が歌詞に盛り込まれ、意味深な内容と独特の節回しに、ついつい体でリズムをとりながら楽しんでしまった。


この名古屋甚句、歌詞が書かれた紙をいただいてきたが、読むほどにその意味の深さが面白そうである。聞く話によると、どうやら色っぽい意味が隠されているらしく、それを面白がって昔の酒場でよく謳われたものなのだそう。考えてみれば、子供の頃になにげなく耳に入ってきた小唄や長唄なども、よくよく意味を追求すればかなり色っぽい歌詞だったりする。ドラマも映画もなかった時代は、歌の内容で恋バナを楽しんでいたのかしら。私の手元に、名古屋甚句の歌詞があるので、どなたか名古屋甚句の意味についてご存知の方、教えていただけないでしょうか?


最後に、のほほん茶会にわざわざ来てくれた、Mさんご一家、Iちゃん、Hさん、どうもありがとうございました。下町っていいでしょう?Hさん、賃貸物件もちらほらあるそうなのですよ。
そして、なんといっても我らがTさん。のんびりお散歩しに来てくださり、本当にありがとうございました。カンゲキでした。いただいた干ふのり、今朝のお味噌汁で早速いただきましたよ。美味しかったデス。